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32.勇者のリベンジ

少しでもお楽しみいただければ幸いです。

 ハルトも、自信を取り戻したので、そろそろ、リベンジをさせてあげたい。そのためには、まず、魔人レッドの居場所を探らないといけない。


 魔人レッドは、何の予兆もなく、ザーセン王国に突然現れた。それは、先行隊として、勇者の力を測りに来たように思える。そして、思ったより、弱いので、気にならなくなった。


 そのため、魔人に関する情報は、今の所皆無だ。


 情報を集めるためには、少しはリスクを取らなければならない。これまで、避けて来たザーセン王国とリーグリ王国に、潜入する時期に来た。


 私はパープルと2人で、リーグリ王国にやって来た。前回は、ノ-トライン街の神殿で、変な老人に出会った。そこで、今回は、他の街であるグノーブ街の神殿に行くことにした。


 基本的な事は、ノ-トライン街の神殿と同じなので、私達は、予め隠密魔法を起動して、神殿の出入口に向かった。


 出入口に居る兵士の横を抜けて、中に入っていった。今回は、神殿の中を先に、調べることにした。


 神殿の出入口には、神官達が扉を守っていた。私達は、彼らに気付かれないように、中に入っていった。神殿の中では多くの神官達が忙しそうに働いていた。


 私達は、いくつかの部屋を覗き、中を確認しながら、廊下を奥へと進んで行った。神殿の奥深くに進んで行くと、神官達が警護している部屋があった。


 扉には、鍵が掛かっているようだ。警護している神官達は、鍵を持っていないようだ。


 すると、後ろから、複数の神官達と共に、年輩の神官がやって来た。どうも、先頭にいるのは、この神殿の神官長のようだ。


 私達は、やって来た神官長の様子を見ていると、腰の袋から、鍵を取り出して、扉を開けた。


 扉の中へは神官長だけが入って行った。私達は、神官長が部屋に入ると同時に部屋に入っていった。


 神官長は、部屋の中に入ると、扉を閉めて、部屋の奥にある机に向かって、歩き始めた。


 私達は、神官長の様子を監視しながら、静かに潜んでいた。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 リーツ王国に魔人が現れたという噂が流れ始めた。しかし、打ち消すような情報も流れている。


 キリ姉と私は、一度確認に行った方が良いと判断した。


 レオ(パープル)ヴァルゴ(パープル)がダンジョンに例の装置を設置する仕事を終えたようなので、調べて貰うことにした。


 レオ(パープル)ヴァルゴ(パープル)は、転移用魔法陣で、リーツ王国の王宮の図書館に接続している施設に移動した。


 次に、隠密魔法を起動して、王宮内のようすを調べることにした。


 図書館の中は静かな物で、誰の気配もない。2人は、扉を開けて、廊下に出た。


 暫く、歩くと、兵士達が警護している部屋が見つかった。扉の所に4人も兵士がいる。よく見ると、ただの兵士ではなく、いずれも、近衛兵のようだ。立派な装備をしている。おそらく、国王の警備だろう。


 近衛兵達を倒してしまうと、騒ぎが大きくなるので、他に注意を逸らして、扉から、忍び込むことにした。扉に鍵が掛かっていないことを予め確認した。


 レオ(パープル)が、近衛兵達の頭を軽く小突いて行った。


 「「誰だ!」」


 皆が騒いでいる間に、扉から、2人で飛び込み、急いで扉を閉めた。


 暫く、扉の外の様子を聞いていたが、特に、気づかれた様子はないので、国王の様子を調べることにした。


 部屋の中には、近衛兵は、一人もいなかった。しかも、傍付きの侍女も、見当たらなかった。


 国王一人、椅子に座り、考え込んでいた。


 よく見ると、国王の座っている横のテーブルに手紙が置かれていた。


 国王は、時折、その手紙に目をやりながら、ため息をついている。


 「なぜ、私一人、こんなに悩まないといけないのだ。あの魔人め。」


 国王がぼやいている。魔人という言葉に、レオ(パープル)ヴァルゴ(パープル)は、反応した。


 「今、魔人といったね。ヴァルゴ(パープル)、聞こえた?」


 レオ(パープル)が、ヴァルゴ(パープル)に思念伝達で確認した。


 「聞こえたよ。確かに、魔人といったよ。ここで、正解みたいだね。」


 「そうだね。やっぱり、魔人は現れたようだね。」


 「どうする?もう少し様子をみない?」


 「それがいいね。でも、取り敢えず、キリに報告しておくね。」


 レオ(パープル)が、キリに思念伝達で報告した。すると、キリは、そのまま、国王を見張って欲しいと言ってきた。


 仕方がないので、2人は、国王のぼやきを暫く聞くことにした。


 「あの魔人め。」


 「なぜ、私だけが悩まないといけないのだ。」


 「勇者なら、魔人に勝てるのか?」


 「この後は、どうしたらいいのか?」


 「あの魔人め。」


 「いつになったら、私は解放されるのだ。」


 「言われたことは、既にやっている。」


 「また、来るのか?」


 いつまで待っても、ぼやきの内容は変わらない。同じことの繰り返しだ。


 レオ(パープル)は、思念伝達で、キリに相談することにした。


 「キリ、様子を見ているけど、変化ないよ。退屈。」


 「そうね。退屈そうね。じゃあ、少し遊んでみる。」


 「どうするの?」


 「隠密魔法を起動したままで、国王に話しかけてくれる。」


 「どう言ったらいいの。」


 レオ(パープル)は、キリの指示を頭の中に入れた。思念伝達を止めて、国王に話し始めた。


 「国王よ。指示したことは終えたのか。」


 わざと、低い声で、魔人ぽっく話したつもりだった。


 「えぇ。誰だ。」


 国王はあたりを見渡したが、誰もいない。


 「キョロキョロするな。わしは、お前に直接話をしている。」


 「あっ、はい。もう、終えています。」


 「そうか。お前一人か?」


 「はい、言われたように、誰にも話していません。」


 「よし、では、わしにどのように行ったかを報告せよ。」


 「はい、わかりました。私は、魔人様に言われたように、国宝である聖剣を地下の宝物庫から出して、誰も気が付かないように、人が行かない倉庫の中の隠しました。」


 「よし、よし、よくやった。」


 「その倉庫はどこにあるのだ。」


 国王は、魔人と話していると信じ切って、ペラペラと話した。私達2人は、国王との話を終えて、思念伝達で、キリの報告した。すると、キリから指示が来た。

 

 聖剣を盗み、戻ってこいということだ。


 早速、盗み出して、キリのもとに戻った。


 「よし、よし、よくやった。」


 キリは、 レオ(パープル)ヴァルゴ(パープル)の頭をなでなでしてやった。


 キリは、預かった聖剣のコピーを土魔法で創り、表面を加工して、本物の様にした。そして、その偽物を レオ(パープル)ヴァルゴ(パープル)に元の場所に置いておくように指示をした。


 レオ(パープル)ヴァルゴ(パープル)は、すぐに行動に移し、また、すぐに戻って来た。


 「よし、よし。」


 キリは、 レオ(パープル)ヴァルゴ(パープル)の頭をもう一度撫でてやった。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 先日購入した不思議な魔導書をミユと一緒に調べていた。ミユにスキル解呪ディスペルを使ってもらった。


 すると、魔導書の中を見ることが出来た。魔導書は光魔法に関する本だった。しかも、内容は、上級魔法であった。特に、「蘇生魔法レイズ」があったので、びっくりした。


 私とミユは、一緒に魔導書を隅々まで読み、練習して、使いこなせるようになった。


 私は、使える様になった魔法をすべて、魔法陣化しておいた。これだ、他の誰でも、蘇生魔法レイズが使える。


 いままで、書籍のデータベース化を進めてきたが、封印された魔導書を考えていなかった。


 データベースから、中身が白紙の書籍を検索して、その書籍を各地から送って貰うことにした。


 私とミユは、送られてきた書籍を私が鑑定して、封印されているかどうかを調べ、ミユにスキル解呪ディスペルで、解呪して貰った。


 更に、必要に応じて、一緒に中身を確認し、知らない魔法であれば、一緒に練習した。そして、私がそれを魔法陣化していった。これらの作業で、使える魔法が一気に増えた。



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