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11.勇者登場

少しでもお楽しみいただければ幸いです。

 勇者も活動が活発になり、他の国との摩擦も大きくなってきた。そこで、今後のことを考えると他の国との戦争も起こりかねない。神殿の思惑通りにさせないために、自分の軍隊を作っておきたいと考えた。


 魔法学院の生活も、後1年で終わる。その後は、のんびりした平和な生活がしたい。その為に、余計な争いに巻き込まれたくない。


 帝国の東の端には、森の中に上級者用ダンジョンがある。そして、更に東には、敵対している国がある。もし、敵対している国が攻めてくるとしたら、この森を抜けてくるはずだ。


 そこで、この上級者用ダンジョンのある森の地下に基地を作ることにした。


 私は、土魔法で、大きな穴を掘り、その中に基地を作った。基地は地下10階にした。地上には、出入口をつくり、その入り口には闇魔法で、指定した者以外が出入りできないように封印をした。


 ここにも、自立型土人形を置いた。しかし、自分の魂の複製を作り続けているが、副作用が心配だ。そして、思念伝達で、意思疎通を行っているが、そろそろ限界だ。頭の中に他の私達から絶えず思念が流れ込んでくる。これを止めてもいいのだが、どんなことをするのか、自分自身に責任感がないだけに不安だ。だから、思念伝達を止めることもできない。これは、ちょっとしたストレスになって来た。


 そろそろ他の方法を探らないと、私の頭が持たない。


 「キリ姉、ちょっと相談したいことがあるの。」


 「急に真面目な顔をして、どうしたの?」


 「キリ姉に黙っていたことがあるの。」


 「なによ。好きな人でもできたの?」


 「そんなんじゃないよ。実は、自立型土人形のことなの。あれって、私の複製なの。」


 今まで黙っていたことを、キリ姉にすべて打ち明けた。闇魔法でどんな魔法を使えるようになったか、どれだけ、自分の複製を作って動かしているか、思念伝達で、頭が破裂しそうだとか。


 「もっと、早く相談しなさいよ。限界になる前に。」


 「はい、すみません。」


 「まずは、自立型土人形を必要最低限にすることね。何体ぐらいなら、負担になら似の?」


 「はっきりとは分からないけど。4~6体ぐらいかな?」


 「まず、魂の刻印を魔法陣化して、私にも使えるようにして。」


 魔法陣であれば、十分なマナを流せる人なら、その魔法を起動することができる。だから、闇魔法を使えないキリ姉でも発動することが出来るようになる。


 「魂の複製と魂の刻印の2つとも魔法陣化するね。」


 私は、キリ姉に、2つの魔法陣を渡した。


 「それでは、私の魂を複製した自立型土人形を作るね。」


 「それじゃ、私が土人形を作るね。何体必要かな?」


 「そうね、2体お願いするね。」


 私は、言われた通りに、土人形を2体、キリ姉の前に作った。キリ姉は、2体の土人形をに自分の魂を刻印して、2体のキリ姉もどきを作った。


 「キリ姉、顔はどうする?私は、自分とは違う顔にしたけど。」


 「そうね。同じ顔だと、急に出会ったとき気持ち悪いね。」


 「好きな顔を言って。それに合わせて、作るから。」


 私は、キリ姉の要望通りに顔を仕上げていった。ついでに、思念伝達ができるように闇魔法をかけておいた。それと、思念伝達魔法を魔法人化して、キリ姉に渡しておいた。


 「これで、準備ができたね。キリ、一度全部の自立型土人形をここに集めてくれる。」


 「はい、ちょっと待ってね。思念伝達で、ここに来るように指示するから。」


 私は、私の複製である自立型土人形に来るように指示を送った。


 暫くすると、転移用魔法陣から1体、自立型土人形が現れた。更に、1体。


 最後の1体が現れた。


 「それでは、6体を残して、残りは、解除してくれる。」


 「はい、それでは、アリエス、タウラス、ジェミニ、キャンサー、レオ、ヴァルゴを残すわ。後は刻印を消して解除するね。」


 私は、解除するのが初めてだったので、まず、ピスケスだけを解除した。すると、それまでのピスケスの経験が私の頭の中に流れ込んできた。まるで、走馬灯のようだ。これって、何倍速かなって、思ってみていると、やっと終了して。


 「ふうぅ。思念みたいに頭の中にピスケスの経験した者が映画のように流れ込んで来たよ。」


 「かなり時間が掛かっていたね。あと5体もあるけど、一度にやって、大丈夫?」


 「うん、今日は、もう1体だけにしておくね。かなり疲れるみたいだから。」


 「無理しないで、1日1体ずつでいいんじゃない?」


 「大丈夫、キリ姉、もう1体だけするね。」


 私は、アクエィアスの刻印を消した。また、頭の中に映像が流れ込んで来た。2度目で、少しは慣れてようだ。でも、終わった時は、結構疲れた。


 「ふうぅ。疲れた。やっぱり、今日は、これでやめとくね。」


 「わかった。それでは、私の自立型土人形と置き換えるね。」


 アクエィアスとピスケスをキリ姉の自立型土人形に置き換えて、それぞれの自立型土人形を元の店に送り出した。


 「今日は、もう帰ろう。キリ、いいね。」


 「はい、疲れた!」


 私達は、残りの作業を明日以降にすることにして、寮の部屋に戻り、寝ることにした。自立型土人形は、一旦元の場所に戻しておいた。

 

 数日後、私達は、私の自立型土人形とキリ姉の自立型土人形で、7つの商店を運営するのに必要な最低限の数の自立型土人形として、8体を動かすことにした。


 これでも、結構大変で、本当に、頭が痛い。何とか、いい方法を考えないといけない。

 キリ姉と一緒に考えることにした。


 「キリ姉、マナって、魔法にとってのエネルギーのようなものね。」


 「そうね。魔法の素材というより、魔法を実現するための力みたいな感じね。」


 「ポーションのを作る時も、ベースハーブを使ったり、何らかの素材が必要ね。素材を変形したり、変化させたりして、新しいものを作ったりするね。」


 「そうね。魔法では、火球(ファイボール)のように何も無い所から、新しいものを作るように見えるけど、実際には、すでにあるものを効率的に集めたり、精錬しているだけで、何も無い所から、作り上げるのは普通ないね。」


 「そうよね。すでにあるものなら、魔法で出すことができるよね。」


 「でも、それが何かの役にたつの?」


 「今は、はっきりとは分からないけど。今必要なのは、私達の分身みたいになんでもできる自立型土人形じゃないと思うの。」


 「どういうこと?」


 「つまり、私達の隠し小屋で、商品をお金と引き換えに受け取りに来た商人に渡すことでしょ。」


 「そうね。それ以外は、今必要ないね。でも、そのために自立型土人形がいるのじゃない?」


 「商人は、大金のやり取りに金貨を使う?」


 「商人IDを使うわね。」


 「だから、私達も商人IDで、お金のやり取りができるよね。」


 「たぶん大丈夫ね。」


 「だったら、お金の入金を確認してから、商品を送れば、問題ないでしょ。」


 「なるほど、私達の商人IDに入金があれば、それに合わせた小屋の転移魔法陣に商品をアイテムボックスで送ればいいのね。」


 「そう、その方法なら、小屋に自立型土人形がいらないってわけ。」


 「だったら、今のままで、十分自立型土人形が足りているという訳ね。」


 「そこで、キリ姉の自立型土人形で、お金の管理と商品の発送をやってもらってほしいの。その他の事は、私の自立型土人形でするわ。」


 「キリ、わかったわ。任せて。」


 「キリ姉は、自立型土人形を1体だけ、管理してね。その方が楽だから。」


 「いいよ。」


 「その管理は、この街の工場でやってね。」


 「さっそく、始めるね。キリは、各商店長にこれからの取引手順を説明しておいてね。」


 「はい、やっておきます。」


 キリ姉は、魔力量の上限があるので、複数の自立型土人形を操ったり、遠くの場所と思念伝達をすると魔力の枯渇の危険があるから、ちょっと心配だった。でも、このシステムなら、大丈夫だ。


 店の経営も負担なく実行できるようになった。


 余裕が出来た私達は、次の目標を検討した。今、何が不安なのか、何が必要なのかを考えることにした。


 「また、ダンジョンが不安定になって来たみたいね。」


 「キリ姉、そうなの。」


 「ショキュウダンジョン、マナ、モレテル。」


 パープルも、分かっているようだ。私は、パープルの頭を撫でてあげた。


 「やっぱり、勇者の様子を探らないとだめかな?」


 「そうね。いつも不安だね。」


 「でも、平民だから、得られる情報は限られているよ。」


 「キリ、マルグリット先生とは親しい?」


 「急に、どうしたの?」


 「マルグリット先生が平民って、知っているよね。」


 「はい。知ってるよ。だから、同じ宿泊棟にいるよね。」


 「そうね。でも、教師だから、他の貴族教師との接点があるよね。」


 「そうか。そこから、貴族の情報を教えて貰う訳ね。」


 「そうよ。今度、部屋に遊びに行かない?」


 「キリ姉、賛成。前から、あの先生に興味があったの。黒魔法についても、もっと知りたいし。」


 「じゃあ、今度一緒に行きましょう。」


 「パープルもいく?」


 「イキタイ。」

 

 パープルが私に飛びついてきた。いつものように、頭を撫でてあげた。


 キリ姉にも、私の研究が少し前進したことを伝えた置いた。前みたいに急に相談されたら困るだろうから。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 「キリ、今時間ある?」


 「大丈夫だよ。どうしたの?」


 「この前、マルグリット先生の部屋に遊びに行くって言ってたでしょ。今からはどう?」


 「いいよ。パープルはどうする?」


 「一緒で、いいんじゃない?」


 「パープルも、一緒に行く?」


 「キリ、イキタイ」


 パープルは、嬉しそうに、尻尾を振っている。


 「じゃ、一緒に行こう。」


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 私は、マルグリット先生の部屋のドアを叩いた。


 「どなた?」


 「キリです。」


 「どうしたの?」


 部屋の中から、足音が聞こえてきた。ドアが開けられると、マルグリット先生の顔が見えた。


 「キリ、何か用かしら?」


 「はい、少しお話がしたいのですが、今、いいですか?」


 「構わないけれども、どのような内容かしら?」


 私達3人は、マルグリット先生を出て、ドアを閉めた。


 「穏やかな先生だったね。」


 キリ姉が切り出した。


 「はい、話易かったです。パープルは、どうだった?」


 「イイニオイ、シタ。」


 「?、どんな匂いがしたの?」


 「イイニオイ、シタ。」


 パープルの言うことは、時々わけが分からない。

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 勇者がこの街に来るという話を聞いた。マルグリット先生からの情報だ。この街の上級者用ダンジョンを壊滅させるつもりらしい。勇者がいるのはザーセン王国で、私が召喚された国だ。あの国の神官達によって、召喚され、また、この国の少女に転生させられた。それほど経っていないのに、遥か昔のように感じた。


 勇者には、何の恨みはないけど、あの神官達の手助けをしているなら、私の敵だ。しかも、勝手に私達の国のダンジョンを荒らそうとしているのなら、何としてでも、止めないといけない。


 勇者の一行は、近衛兵50人、神官5人の少人数のようだ。しかも、勇者のパーティーは、勇者と近衛兵6人、神官2人の8人のパーティーだ。ただし、近衛兵4人は、神官の護衛なので、実質、勇者と近衛兵の3人のパーティーとなる。それでも、いたるところのダンジョンを消滅させてきたのだから、勇者の力は絶大なものと思われる。


 我が国の上級者用ダンジョンは、東の森の中にある。そして、その森は、ザーセン王国との境でもある。従って、我が国の上級者用ダンジョンといえども、直接ザーセン王国から侵入することが可能だ。


 ダンジョンの入り口には、我が国の兵士がいるが、基本冒険者から手数料を取るだけの係員だ。


 勇者一行を止める力はない。


 我が国の国王がどのように考えているかは分からないが、冒険者ギルドが阻止しようと動くようだ。


 ギルドの依頼ボードに掲示してあった。それとは別にギルド長が優秀な冒険者に声を掛けている。でも、これって国同士の戦争みたいなものだから、冒険者達は参加することに抵抗がある。


 国同士の争いごとに巻き込まれたくないからだ。冒険者は、傭兵ではないのだから。


 王宮の動きは、今の所なさそうだ。勇者に遠慮しているみたいだ。まあ、圧倒的な力を持っているので、しかたはないけど。何かいい手はないのだろうか。

 

 「キリ、勇者がダンジョンを制圧に来るみたいだけど。」


 「はい、私も聞きいたよ。でも、止めるのは無理じゃない?」


 「そうね。普通に考えると無理ね。でも、何とかしたいね。」


 「ダンジョンを隠すって、どうかしら?」


 「キリ、それ、本気で言ってる?」


 「微妙ね。本気とか、聞かれると。」


 「でも、方法を考えているってことよね。」


 「できるかどうか、やってみないと分からないけど。」


 「問題は、勇者の能力ね。魔力が大きい、物理的な攻撃力も半端ない、神話級の防具・武器を持っている、神の加護で守られている。そんなとこね。」


 「それって、もう終わっているってことじゃない。圧倒的ね。キリ姉、何か、弱点とか、制限とかってないの?」


 「そうね。弱点かどうかわからないけど、勇者って、召喚されているよね。」


 「キリ姉、今更、何を言っているの?」


 「ちょっと、待ってよ。今から言うから。」


 「はい、すみません。」


 「だから、勇者って、召喚されているよね。」


 「キリ姉!今・・・」


 「だから、ちょっと待ってよ。キリ、話せないじゃない。」


 「はい、黙ってます。」


 私は、口チャックのポーズをした。


 「勇者って、召喚されているよね。で、誰に?召喚されたの?」


 「それは、王様じゃないの。」


 「本当?」


 「えぇっ、でも、王様が神官に召喚させたのでしょ。」


 「キリ、その通り。だから?」


 「えぇっ、キリ姉、それ以上何があるの?」


 「勇者は、別の世界から来た人間よね。王様や神官に頼まれて、魔物を倒しているのよね。と、言うことは、勇者には本来、この異世界に来たかったわけではないし、ましてや、目的や目標があって、望んで召喚されたわけじゃないよね。」


 「たぶん、そうだと思うけど。」


 実際、私は、急に召喚されて、勝手に放り出されて、他の国の少女に転生までされているのだ。


 つまり、勇者の立場に立ってみれば、「やってられるか!」って、怒っても可笑しくないよね。


 「だから、そこが弱点じゃない!」


 「キリ姉、私まだわからない。」


 「どういえばいいのかな?」


 「どうもこうもないよ。当たり前のことを言われても、何故、それが弱点なのよ。」


 あまりにも訳が分からなくて、イラっとしてしまった。


 キリ姉は、何も言わずに、黙っている。10分ほど経ってから、声を出した。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 私達は、ダンジョンの入り口で、勇者一行が来るのを待っていた。


 勇者一行の姿が見えると、ダンジョンの入り口にいた兵士たちは、我先に逃げてしまった。


 ダンジョンの入り口には、誰も居なくなった。


 勇者一行は、勇者を先頭に、その後に2人の近衛兵、それに続いて、近衛兵に守られて神官達が続いていた。神官達は、ダンジョンの入り口で立ち止まり、ダンジョンには入ろうとはしていない。


 勇者と2人の近衛兵は、気にせずにどんどんダンジョンの中に入っていった。どうも、いつものことのようだ。神官達がダンジョンに入らないのは。勇者に丸投げのようだ。


 「よし、よし、思ったとおりね。」


 キリ姉は、上機嫌で笑みがこぼれている。


 「もう少し待ってから行くよ。キリ、準備はいいのかな?」


 「はい。いつでもいいよ。」


 「イケルヨ」


 パープルも準備万端だ。


 勇者達は、第1階層から第2階層に向かていた。


 「よし、今だ。」


 「はい。」


 「ウォー。」


 3人は、一斉に飛び出して、近衛兵達を倒し、神官達を捕まえた。


 「よし。予定通り。」


 キリ姉は、神官達を捕まえて、勇者を脅し、御帰り願おうという計画だった。


 勝手に、勇者と神官達が離れたので、思っていた以上に簡単に実現できた。


 「それでは、勇者に帰って貰おうかな。」


 「はい、キリ姉。」


 「パープル、行って来てね。」


 「ワカッタ。」


 パープルに、自立型土人形を背負って貰い、勇者の所に行ってもらった。


 「勇者。神官達は預かった。無事に返して欲しかったら、そのままダンジョンを出て、国に帰れ。」


 「なに!神官たちを捕らえたと言うのか。」


 勇者は、驚きながら、返事をした。


 「そうだ、黙って、国に帰れ!」


 「仕方がない。帰ろうか。」


 勇者が命令に従って帰ろうとした時、近衛兵達が勇者を押し留めた。


 「捕まった神官達には申し訳ないが、このまま、このダンジョンを崩壊して欲しい。」


 「な、なに。神官達を見殺しにしろというのか?」


 「その通りだ。彼らは、必要な犠牲だ。このまま、最下層まで、潜ってダンジョンのコアを潰して欲しい。それが、神殿長の意向だ。」


 「しかし、私は気が進まない。」


 「それに、我々が、国に戻っても、新刊達が無事解放される保証はないぞ。」


 「うっ、うっ。しかし、・・・」


 思ったように勇者たちが国に帰ろうとしない。


 「何をグズグズしている。神官達が死んでもいいのだな!」


と、自立型土人形が大きな声を出した。


 「勇者殿、お願いだ。このまま、進んでくれ。」


 近衛兵が勇者に頼みこむ。


 「仕方がない。私について来い。」


と言うなり、勇者は、ダンジョンを潜ていった。勇者たち一行は、第2階層への階段を下りて行ってしまった。


 「失敗したみたいね。」


 自立型土人形が独り言を言った。


 「パープル、戻るわよ。」


 まるで、キリ姉のように自立型土人形が喋った。パープルは、自立型土人形を背に乗せてダンジョンの入り口に向かって走り出した。


 ダンジョンの入り口付近では、キリ姉達が神官達を取り囲んでいた。


 「失敗してみたいね。」


 キリ姉が、自立型土人形のように話した。


 「でも、大丈夫。手は打っているから。」


 「そうね。キリがダンジョンを隠していたから、大丈夫だね。」


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 私は、これまでに作ったICのような回路を使って、ついに、簡単なコンピュータに代わるものを作り上げた。これを、マナコンと名付けた。


 これで、マナを基盤とする初歩的なハードウェアが完成した。マナコンを柔軟に動かすためには、つぎに、魔法陣を基盤としたソフトウェアが必要である。魔法陣のままでは、扱いにくいので、マナコンが処理可能な言語を考えることにした。言語と言っても、簡単な魔法陣をそのまま単純な記号に置き換えただけの簡単なマクロのようなものだ。


 しかし、このコンピュータの機械語のような言語で、複雑な魔法陣を試行錯誤で扱う必要がなくなった。簡単な作業であれば、数分もあれば、マナコンに組み込むことが出来る様になった。


 例えば、各支店の小屋で行っている商品の受け渡しを以前のような自立型土人形で行っていたようなシステムに戻すことが可能になった。。


 つまり、完全に自動化することが可能になった。でも、簡単な作業だけに、まだ限定されている。


 更なる研究が必要だ。私は、パープルに特別な仕事を依頼した。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 勇者達は、やっとの思いで、ザーセン王国に逃げ帰った。神官達も、解放され、無事帰って来た。


 「私一人では、思ったように動けなかった。」


 「私達を守ってくれて、すみませんでした。」


 「何を言っている。仲間じゃないか。これからも、よろしく頼む。」


 「はい。宜しくお願い致します。勇者殿。」


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