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7.魔法学院へ

少しでもお楽しみいただければ幸いです。

 3人は、ダンジョンに潜り、3人の役割がうまく機能するのかを確認した。それに、魔法学院に行くにも、色々と経費がかかるので、しっかりと稼いでおこうということになった。


 3人の役割といっても、ヒーラーとしては、今の所ほとんど意味がないが、練習でパープルにポーションを降りかけて貰っている。


 サーペイントも3匹狩って、収穫も満足できる量に達したので、冒険者ギルドで、清算することにした。数年は、ダンジョンに潜らなくても大丈夫なほど金貨が溜まった。


 私達3人は、シェリーに別れを告げて、魔法学院のある王都に向けて馬車に乗った。王都までは、馬車で1週間かかる。でも、3人での旅は初めてで、話すことも多く、気がつくと、王都の正門の前まで来ていた。


 正規の馬車なので、私達3人は馬車を降りることなく、王都に入ることが出来た。


 まず、冒険者ギルドで情報収集だ。次に宿屋の手配と王都で目立たないような服装の調達をした。


 一度宿屋で荷物を置いてから、食堂で昼食を取った。


 流石に、王都だけあって、食堂は満席で活気に溢れていた。パープルにはフード付きの服を着て貰っている。王都でのワーキャトの扱いがどうなっているのか、よく分からないので、用心した。


 食堂では、複数のパーティーいて、ダンジョンの話や最近現れた王宮にいる勇者の話などが聞こえてきた。王宮や神官達が探しているが魔王はまだ現れていないらしい。勇者は、王宮の近衛兵と共に、魔王討伐の準備も兼ねて、ダンジョンに潜り、魔物を狩りまくっているらしい。


 その為、壊滅したダンジョンも複数あるらしい。そして、その影響で初級ダンジョンに過剰な魔力が集まって、変貌を遂げているらしい。


 勇者は一人で、神官達によって召喚されたらしい。それに若い男性で、イケメンだということだ。でも、王宮に閉じ込められているので、めったに見ることは出来ないらしい。

 

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆


 魔法学院に行き、相談してみると、特別枠で平民でも入学できるそうだ。でも、1年でたった5人しか入学できないので、相当厳しそうだ。


 特別枠での入学試験は、実技試験と面接でだ。実技試験は、ダンジョンに隠されたアイテムをいかに早く持ち帰るかを競う。面接は、学院長と3名の高位教員による口頭試問だ。


 一定のレベルでないと面接はしてもらえないらしく、逆に言うと、面接までいければ、ほぼ合格らしい。この特別枠での合格者は、入学から卒業するまでのすべての費用が免除される。ただし、これは、入学してからの話で、入学金は、金貨10枚が必要らしい。冷やかしを防ぐためらしい。また、従魔については、いっしょに生活することは許されているが、従魔の管理については、各自に任されており、学院側は援助しないということだ。


 入学の目途が立ったので、私達は実技試験に使われるダンジョンの下見をすることにした。入学試験まで、約1カ月あるので、ゆっくり、確認できそうだ。


 指定されているダンジョンは初心者用ダンジョンで、最下層の階層でも、20階層しかないらしい。


 冒険者ギルドでダンジョンのマップを購入してから、実際に潜ることにした。試験当日は、一人ずつ潜るので、今回は、パーティーとしてではなく、一人ずつ独立して潜ることにした。


 いっしょに、ダンジョンには入るが、お互いに干渉せず進んで行くということだ。


 従魔のパープルにも、見ているだけと注意しておいた。


 このダンジョンでの最強魔物はワーウルフということだ。そして、このダンジョンでは、ワーウルフの群れは、10匹を超すことはないらしい。つまり、最大で10匹のワーウルフの群れに対処できれば良いということだ。


 今回は、魔法学院の入学試験なので、私も黒魔導士として、ダンジョンに潜ることにした。

 つまり、帽子にローブに杖というスタイルだ。


 実際に潜ってみると、ワーウルフの群れといっても、ほとんどが5匹以下で、全く問題なく狩ることが出来た。魔物の対応は問題がないことがわかったので、後は隠されたアイテムを如何に素早く見つけるかにかかっている。どんなアイテムかが問題だ。


 しかし、こればかりは、当日にならないとわからない。それに、事前にアイテムが設置されるということだから、受験生は、それぞれ、自分だけのアイテムを見つけるということになる。置かれている場所もランダムなるのだろうか。


 でも、公平性ということを考えると、同じ場所で、同じアイテムを取ってくるということも考えられる。そして、そのアイテムは、何度とってもなくならないということになる。色々と考えたが、余り意味がないので、当日のお楽しみということで、これ以上は考えないことにした。

 魔法学院の入学試験まで日にちがあるので、王都を見て回ることにした。


 王都には3つのエリアがあった。1つは、王宮のあるエリアで、ここには王族とその親戚にあたる貴族が生活している。もう1つは、貴族の生活するエリアで、平民は特別に許された者以外は入ることができない。最後に、平民が生活するエリアで、私達が生活しているエリアだ。


 神殿は、貴族エリアにあり、貴族門で係員に許可されないといけない。王宮のあるエリアと貴族エリアの境にも門があり、そこは近衛兵が出入りする者を監視している。


 各エリアは、王宮のあるエリアを中心にドーナツ状に配置されている。


 平民が生活するエリアは、単に街と呼ばれている。街は、低い木の塀で囲まれており、塀に隣接する形で、農地や草原が広がっている。


 塀の近くを近衛兵が、魔物や敵の攻撃を防ぐ目的で、巡回をしている。


 無許可で塀を出入りすると厳罰に処されるので、盗賊以外は塀を超えることはない。


 私は、アンティークを置いている商店を見て回ることにした。以前のような掘り出し物があるかもしれない。従魔のパープルも一緒だ。キリ姉は、冒険者ギルドで、他のダンジョンについての情報を集めるようだ。

 

 「すみません。店の中を見てもいいですか?」


 「はい、いいですが、どのような物が入り用ですか?お探ししますよ。」


 「そうですね。アンティークを探しています。できれば、用途不明な物があれば、興味があります。」


 「用途不明ですか。普通、使い道のないものは取引対象ではないので、思いつきませんね。」


 「そうですね。それでは、この店で最も古いアイテムを見せてください。古ければ、武器でも置物でも、何でもいいので。」


 「わかりました。こちらに来てください。」


 「この棚の物が、私どもの商店で最も古い商品です。」


 「ありがとうございます。少し見ますね。手に取ってもいいですか。」


 「いいですよ。古い商品で、壊れやすいので、取り扱いには注意して下さい。」


 「はい、わかりました。」


 私とパープルは、案内された棚の前で、商品の品定めを始めた。すると、いつの間にかパープルが少し離れた場所から私を見ていた。


 「パープル、どうしたの?こっちにおいでよ。」


と、私が声を掛けても、パープルは、首を振るだけで、私の方へは来ようとしない。


 「どうしたの?おいでよ。」


と、もう一度声を掛けた。でも、先ほどと同じで、全く動こうとはしなかった。仕方がないので、私の方がパープルに近づき、再度、声を掛けた。


 「どうしたの?」


 「怖いの。」


と小さの声で答えながら、震えていた。理由がわからにが、キリ姉との待ち合わせもあったので、


 「すみません。友達の体調が悪いので、帰ります。また、来ますね。」


 「わかりました。気を付けてお帰りください。」


 待ち合わせ場所で、冒険者ギルドで有益な情報を得たらしく、興奮したキリ姉がいた。


 「どうしたの?そんなに興奮して。」


 「近くの中級ダンジョンで、ドロップアイテムが沢山出ているらしいの。しかも、低階層からも結構いいアイテムがドロップしているらしいの。」


 「本当?」


 「本当よ。早い者勝ちって、感じ。早速、行きましょう。あなたが来るのを待ちわびていたの。」


 「はい。すぐ行きましょう。」


 私達は、あまり強い魔物が出ていないらしい、中級ダンジョンに、軽装で潜ることにした。早い者勝ちだから、遅れをとってはいけないので。


 そのダンジョンの前には、冒険者パーティーの行列が出来ていた。


 やっと、私達の番になり、急いで、冒険者IDと入場料を係に私、ダンジョンに潜った。


 「ちょっと、不安定ですので、気をつけてください。」


と、別の係員が行列のパーティー全体に声を掛けていた。

 

 「さあ、行くわよ。ダッシュ!ダッシュ!」


 キリ姉は、興奮して叫びながら、ダンジョンに突撃していった。私は慌ててスキル探索で、魔物を感知する。後ろのパープルも、すでに、準備済みのようだ。


 「キリ姉、どんな魔物から、ドロップするの?」


 「よく分からない。どうも、レベルに関係ないらしい。」 


 「それって、ガチャみたい。」


 「?ガチャみたいって、何?」


 「宝くじ見たいっていうことよ。」


 「かわったことをいうのね。キリは。」


 「てへへ。」


 自分の頭を軽く叩いた。うっかり、前世の言葉を使ってしまって、照れ笑いをした。


 「それでは、範囲攻撃がいいね。キリ姉。」


 「そうよ。一緒に範囲攻撃を放ちましょう。パープルは、魔石やアイテムを拾って来てね。」


 「ハイ」


 パープルは、いつも良い返事だ。


 私達は、他のパーティーを避けながら、風壁を打ち続けた。パープルは、倒れた魔物の傍に行き、魔石などを回収していく。たまに、ドロップアイテムもあるようだ。一定の時間が経つと、パープルは、忘れずに青のポーションをキリ姉に降りかけていた。


 「どんどんいくわよ。」


 「はい。」


 「ハイ。」

 

 いつの間にか、私達は第19階層まで、到達していた。流石に、この階層には他のパーティーはまだ到達していなかった。


 この階層の魔物も殲滅してしまい。ついに、やることが無くなってしまった。

 ダンジョンに潜る時に確認した通り、ワーウルフの群れぐらいしか遭遇しなかった。

 今の私達のパーティーでは、全く問題なかった。


 「終わったね。キリ姉。」


 「そうね。終わってしまったね。」


 「戻る?」


 「ここまで、来たのだから、第20階層で、食事でもしてから戻りましょう。」


 「はい。」


 「ハイ。」


 第20階層の休憩所の小屋に入ると、そこには商人も護衛の冒険者も居なかった。


 「あれ、誰もいないよ。」


 「そうね。キリ、2階、3階の客室を覗いて来て。私は、受付の中の様子を見てみるわ。」


 「パープル、おいで。一緒に行くよ。」


 「ハイ。」


 キリ姉は、受付の奥へ入っていった。私とパープルは、2階の客室を201号室から順番に見て回った。最後の210号室も空っぽで、誰もいなかった。


 続いて、3階の客室を301号室から順に見て回っていると305号室から、物音が聞こえた。急いで、その部屋に入ると、各客室にある物置から音が聞こえた。物置の扉を開けると、暗い中の奥に小さな子供がいた。


 「どうしたの?大丈夫。」


 「・・・」


 「怪我はない?」


 「私達は、冒険者よ。この階層まで、魔物を退治してきたのよ。」


 「よかった。」


 「何があったの。」


 「街はずれの草原で友達と遊んでいたら、急に辺りが光ったと思ったら、この階層に移動していたの。」


 「いっしょに遊んでいた友達はどうしたの?」


 「この小屋の前で固まっていたのだけど、僕だけなんだか、怖くなって小屋の中に入って、隠れていたんだ。友達がどうなったか、分からない。」


 「そう。大変だったね。もう、大丈夫だから。私達と一緒にダンジョンを出ようね。」


 「はい。」


 私達は、残りの部屋も念のため、調べてから、1階まで戻った。


 「キリ姉。どこ?」


 「ここだよ。」


と言いながら、受付の奥から出てきた。


 「キリ、その子は、どうしたの?」


 「3階の客室に隠れていたの。他の子供達と一緒に転移されてみたい。でも、この子だけで、他の子供達はいなかったわ。」


 「誰がそんなことをしたんだろ?受付の係もいないし、何か、おかしいわ。」


 私達は、冒険者ギルドで調べて貰うために、一度、ダンジョンを出ることにした。


 子供は、パープルに背負って貰い、ダッシュで、ダンジョンを後にした。


 冒険者ギルドで、ダンジョンでの出来事を説明して、子供を預かってもらった。


 冒険者ギルド長は、すぐに調査隊を出すことを約束してくれた。


 私達3人は、納得した、ダンジョンで集めたアイテムを取引した。レアアイテムはもちろん対象外だ。報酬は、冒険者IDに入れて貰った。今回は、短時間にも拘わらず、かなりの収益を得られた。


 今日は、色々な事がありすぎて、細かな事はすべてすっ飛んでしまった。


 「何か、大切な事があったような?まあ、いいか。」


 そのまま、私達3人は、夕食ととると寝てしまった。食べる事だけは、忘れることがない、3人だった。


 街の探索やダンジョンでの魔物の討伐やらで、あっという間に魔法学院の入学試験当日になった。

 「キリ、いよいよね。」


 「はい、キリ姉。頑張るね。」


 「普通でいいわよ。心配な事って、全くないわよ。」


 受付を済ませた私達は、受験生の待合室に案内にされた。余りにも大勢なので、待合室と言っても、中庭の芝生の上で、そこに直接座らせられた。


 定刻になり、係の教師から説明が始まった。すでに知っていることを確認しただけだった。


 唯一、知らなかったことは、ダンジョンで何をするのかだった。


 それは、以下の通りであった。


 1.第20階層にある休憩所の小屋の中に入る。


 2.係の教師に自分の受験番号を見せる。


 3.用紙に受験番号を記入して貰う。


 4.用紙に係の教師のサインを貰う。


 5.処理済みの用紙を持ち帰る。


 「それでは、今から実技試験を始めます。従魔がいる受験生は、ダンジョンの入り口で係の先生に預けてください。ダンジョンの中に入れるのは、受験生だけです。


 それでは、1番から20番までの人、立ち上がってください。


 入り口で、受験番号を見せて、係員が確認してからダンジョンの中に入ってください。


 順番通り並ばなくていいです。近くの人からダンジョンの中に入ってください。」


・・・


 「続いて、21番から40番の人、立ち上がってください。」


・・・


 「続いて、201番から220番の人、立ち上がってください。」


 いよいよ、私とキリ姉の番だ。パープルに別れを告げて、ダンジョンに入った。


 少し前に入ってキリ姉は、わき目も振らずに最下層の第20階層へと向かった。


 私も、キリ姉と同様にダッシュで走り抜けていった。魔物を感知する度に前方へ風カッター飛ばした。ただし、他の受験生に当たるとまずいので、魔物に当たると消える様に、威力を加減した。


 キリ姉のスピードは、第20階層に着くまで、全く落ちなかった。結局、キリ姉を抜かすことが出来ずに、第20階層の係の教師から、用紙を受け取って、ダンジョンの入り口まで戻ることになった。


 ダンジョンの入り口にキリ姉とほぼ同時に到着した。


 「はい、用紙をください。」


と係の先生に言われ、キリ姉と私は用紙を渡した。


 中庭には、まだ、番号を呼ばれていない受験生が150人ほどいた。


 戻ってきた受験生が何人いるのかは、よく分からなかった。


 「用紙を係の教師に渡したら、こちらの部屋に入って待機してください。」


 私とキリ姉とダンジョンの入り口で合流したパープルの3人は、指示された部屋に入った。


 そこには、一人の少女が椅子に座っていた。歳はキリ姉と同じか、少し若いようだ。目立つ特徴的な耳をしていた。そう、彼女はエルフだった。耳こそ尖って、特徴的だが、肌の色は私と何ら変わりはなかった。


 私達も黙って、彼女の隣の椅子に腰を掛けた。


 じっと、黙ったまま待っていると、ドアが開き、一人の少年が入ってきた。少年は、軽く会釈をしてから、私達の横の椅子に腰を掛けた。


 何もすることもなく、ウトウトし始めたとき、また、ドアが開き、3人の教師が入ってきた。

 3人の教師は、私達の前に並ぶと、


 「今日の実技試験は終了しました。今回の合格者は、ここに居てる4人のみです。


 引き続き、面接試験を始めます。今回の受験者は、例年よりも多く、実技試験に予定より多くの時間を有したので、面接試験は集団面接に切り替えさせていただきます。


 では、座ったままで結構ですので、先頭の方から、志望動機を教えてください。」


 試験官の教師が一人1問ずつ質問して、集団面接は終了した。


 面接で落とすつもりはなかったようだ。その場で、面接の終了と同時に合格した旨を伝えられて、試験は終了した。


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