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3.現実だった

 会社から帰って家の玄関を開けると、猫耳幼女はまだそこにいた。


「おかえりなさいませ、ご主人様!」


 メイドカフェで聞けそうなセリフだ。行ったことないけど。

 繰り返しになるが、俺は幼女趣味じゃない。

 夢ならそろそろ覚めてもいいだろう。


「ご飯にしますか? お風呂にしますか? それとも……」


「待ってそのセリフどこで覚えたの。俺が犯罪者みたいだからやめて」


 一歩間違えば、新しい世界の扉が開きそうで怖い。


「……君、もしかして昨日の猫?」


「はい、ミーシャと申します」


 あっさり答えが返ってきた。

 ということは、これ、現実なのか。


「実は私はキャッツアイランド王国の王女で、謀反を起こした大臣に追われ命からがら人間の世界に逃げてきたんです」


「なにそのふざけた設定」


 あれかな、残業しすぎで過労死して、異世界転生したパターンかな。

 それにしてはリアルを引きずりすぎなんだけど。


「危険を顧みず助けてくださったご主人様には、感謝の言葉もありません」


「危険を冒した覚えはないけど」


 まさかこれから危険があるとか言わないよね。


「ご迷惑ついでに、迎えが来るまでここに置いていただけないでしょうか」


「ここ、ペット禁止なんだよね」


「ではずっと人間の姿でいますので」


「それもちょっと」


「今追い出されたら、大臣の手のものに捕まってしまうかもしれません。お願いします、なんでもしますのでここに置いてください!」


 床に額をこすりつけて、尻尾をプルプルさせる幼女メイドを見て思った。

 面倒なことに、なった。

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