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11.召喚された ♡ミーシャ視点

「召喚成功ーーーーーーーーーー!!」


 ご主人様の腕の中にいたはずなのに、気づけば魔法陣のど真ん中にいた。

 目の前には大臣の側近、ミゲール。話に聞いたとおり侍バージョン。

 天国から地獄とはこのことね。


「捜したぞ王女……」


「あっ、あなたは……!」


 白ヒゲの大臣まで。

 元は黒猫のくせに白髪で白猫になった老いぼれ。

 生まれて間もない私を散々追い回してくれた変態執着ジジイ。

 名前は確か……


「……老害?」


「そう呼ばれて『はい』と言うとでも?」


 大臣は醜い眉間のシワをいっそう深くした。

 あなたのお名前、記憶にございません。


「ここはどこ?」


「貴女がいた場所からおよそ約30キロほど離れた、山奥の別荘地じゃ」


 大臣が言うと、ミゲールが声を上げて笑った。


「私が召喚したのだ! 成功率25%の難易度4つ☆召喚魔法! まさに天才大魔法使い!!」


「うるさい落ち武者死んで」


「ノット落ち武者。ズィッスイズ侍」


「あとそっちの老害。およそと約とほどを一緒に使うの語彙力なさ過ぎて草」


「王女そんなキャラだっけ?」


 ご主人様の前じゃないし、猫被る必要もないでしょ。

 よくも蜜月を邪魔してくれたわね。


 ふたりを交互に睨みつけると、ミゲールは「なに? 悔しいのかな?」とニヤニヤした笑いを浮かべた。


「そのお綺麗な顔で、今度はどんな悪口を言うつもりなのかなぁ? ほらほらぁ」


「そのマヌケ面見てると殺意の波動に目覚めそう……無能さだけは超一流の五流魔法使いのくせに大魔法使いとか笑える脳ミソ沸いてんじゃないの」


「思いのほか辛辣だった」


「序列最下位のゴミが」


「追い打ちクリティカルゥ……」


 しくしく泣き出した侍の頭を、大臣は持っていた杖でコンコン叩いた。


「しっかりせんか。王女を亡き者にする計画はどうした」


「戦う気力がガツガツ失われ候……」


「まったく情けない。だからお前はいつまで経っても5流なんじゃ」


「ワタシアナタノミギウデ」


 大臣はすがりつく侍を華麗にスルーすると、私に向き直った。

 不敵な笑みを浮かべる。


「仕方ない……ではわし自らが手を下して差し上げよう」


 杖を構えた大臣を見て、私はじりっと一歩後退した。

 部屋の扉は大臣の後ろにある。逃げ場がない。


「王女、お覚悟を」

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