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天然男爵令息は癒し要員です。  作者: いぶさんた
12/28

学園



今日は学園の入学式。

学園の入り口でソルティーに会ったので一緒に講堂へ行く。入学式の行われる講堂の前には上級生の方々が新入生の案内をしていた。


「ソルティー・サナタカヤワです」

ソルティーが名前を言うと受付の先輩が紙を見ながら説明した。

「三組ね。これを持って中に入って三組の席についてね」




「クロード・スロイサーナです」

「えっ」

ソルティーの次に名前を言ったら聞き返された。

「えーと、クロード・スロイサーナです」

受付の先輩が僕をじっと見る。

「あの、クロード「クラリッサ様を呼んで」」

受付の先輩が立ち上がり後ろを向いて指示を出す。

「おい、クロード、どうしたんだ」

ソルティーが聞いてくるけれど僕にもわからない。

「どうしたんだろうね」


「いらっしゃったわ」

受付の先輩が頬を染めて後ろを見ていた。


受付の先輩の目線の先には女性徒が五人。先頭はすごい美人の先輩。どんどんこちらに来る。


「クラリッサ様、クロード・スロイサーナ君です」

受付の先輩が僕を指して美人の先輩に教えた。 


すごい見てる。緊張するよ。何か言ったほうがいいのかなぁ。

「あのぉ、クロード・スロイサーナです」


「あ、く、クラリッサ・ハイダミオよ。クロード君、貴方の事は義お兄様から頼まれているの」


「義お兄様ですか?」


「マーカス・ハイダミオ次期公爵よ」

ハイダミオ次期公爵?知らないよ。

「すみません。人違いではないでしょうか。僕はハイダミオ公爵家の方とはお会いした事が無いと思います」


「あぁ、そうね。言葉が足りなかったわ。ジルベール殿下、あ、違うわね。ジルベール・タイライナ公爵から義お兄様に連絡があったと聞いたわ」


「ジル義兄上ですか」


がやがや

「あの子誰?」

「クロード・スロイサーナって言ってた」

「ジルベール様を義兄上と呼んだわよ」

「クラリッサ様直々に話をしているわ」

「どういう子なの」

周りにいる人達が騒めく。


「静かに。クロード君、そういう事だからよろしくね。さあ、席まで案内するわ。何組なの?」


「さ、三組です。クラリッサ様が案内されるのですか」

受付の先輩が驚いて僕とクラリッサ様を交互に見る。


「そうよ。私はクロード君のお世話を頼まれてるのですもの」


「僕、友達と一緒に行くので大丈夫です」

ソルティーを見て言う。ソルティーは何だか呆けた顔をしていたけれど僕の言葉に何度も首を縦に振った。


「ダメよ。さあ行くわよ」

クラリッサ様が僕の腕を掴んで引っ張る。恥ずかしい。皆んなが見ているよ。

「あ、あの、手を離して欲しい、です」

クラリッサ様は自分の手と僕の腕を見てパッと離してくれた。顔がほんのり赤くなっていてちょっと可愛い。

僕とソルティーはクラリッサ様の後ろをついて席まで行く。席に着くまで周りからもの凄い視線を感じた。

「クラリッサ様だ」

「クラリッサ様よ。誰、あの子達」

いろいろな声が聞こえてきた。

クラリッサ様は有名な人なんだな。



僕とソルティーは席に着いた。

「クラリッサ様は有名な人なの?皆んなが僕達を見ていて僕、少し恥ずかしかったよ。ソルティー知ってる?」

「お前、知らないのか?」

「知らないよ。美人で優しい人だったよね」

「クロード、お前なぁ。領地に居たから仕方ないのか。でも、知らなすぎだろう」


「クラリッサ様はね生徒会長なんだよ」

「うぉっ」

後ろの女子生徒が話しかけてくる。ソルティー驚きすぎ。

「なんだ、サリカか」

「知り合い?」

「サリカ・ムニカナフだよ。男爵家でソルティーの幼馴染み。よろしくね」

「お前も三組かよ」

「クロード・スロイサーナ。スロイサーナ男爵嫡男。よろしく」

「おお、スロイサーナってあの湯治場の?」

「うん、そう」

「これは…仲良くしようね」

「サリカ、湯治場狙いって分かり易すぎだ」

ソルティーが呆れたようにサリカを見る。

「仲が良いんだね」

「「違う」」

ほら、仲良しじゃないか。

「クスクス」

笑い声がする方を見るとサリカの隣の女子だった。

「ついさっきサリカと友達になったアンドレア・タニニソートです。伯爵家次女です。よろしくお願いします」

大人しそうな子だった。


「クロード」

ソルティーが僕の脇を膝で突く。

「なに?」

「あそこを見てみろ」

言われた方を見ると一人の女子が僕の方を見ている。睨んでいる?

「誰?」

「シャーリン・マキアリア侯爵令嬢」

「あぁ、あの」


クラリッサ様と居た事で目立っちゃったからな。


「どうしたの」

サリカが聞いてくるけれど今は説明出来ない。

「後で説明する」

ソルティーがサリカに小さな声で言っていた。



入学式は滞りなく進んだ。

来賓は陛下だった。初めて拝観した。

在校生挨拶はクラリッサ様だ。生徒会長だし今の学園内での最高位の貴族令嬢だ。

新入生挨拶はシャーリン・マキアリア侯爵令嬢だ。一組だった。組が違うのは助かった。僕達はハズレの年と言われている(ソルティーに聞いた)同年に王族どころか公爵家もいないからだ。


僕は気が楽で良いと思うけれどね。


三組の教室に入り、先生の話、自己紹介をした。

三組の最高位貴族はアンドレアを入れた三人の伯爵家だった。


楽しい学園生活になると良いな




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