表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
巣食うモノ。  作者: 木馬
2/2

第一の夜

ぺた、ぺた、ぺた……

モノクロの廊下に自身の足音だけが響く。

もうどの位こうして歩いていただろうか。数分のようにも数時間のようにも感じる。

どこまで歩いても果てがなく、人の気配すら感じる事が出来なかった。


現実味の無い世界。

自分がどこに向かっているのか、この廊下に終わりがあるのかも解らないままただ歩き続けるのは苦痛以外の何物でも無い。

しかし歩みを止めることは出来なかった。

それが何故なのか?と問われればきっと明確な答えがある訳でも無かったが、とにかく歩くことをやめてしまったらいけないのだと強迫観念のような思いで歩き続けるしかなかった。



「…………」

不意に人の声が聞こえた気がした。

その途端に今まで聞こえていなかった秒針の音も聞こえてきた。

「誰かいるのか?」

藁にもすがる思いで呼び掛けてみる。

「………な…」

誰かが何かを喋っている。

そう確信はしたものの秒針の音が邪魔をして何を言っているのかはわからなかった。

こちらが聞こえないのなら相手にも自分の声は届いていないのではないか?

そう思って今度は叫ぶように呼びかけてみた。

「誰かいるのか!」

「……で………し……」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ