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これは成長系です。
ドサッ
……
ここが迷宮か。
やけに髪の毛が長い気がする。
それに白色だ。近くに水場があるが、ここは迷宮だ。
水場からも魔物は出る。
とりあえず亜空間から双剣となった鋏を取り出す。
そして足音を消し、気配を消し俺の存在を限りなく薄くする。
暗殺を行う上では基本の技である。
名前をつけるなら
「忍び足、気配遮断」
であろう。
とりあえずここがどこであるか確認する。
ここは1階層か。
1階層ではDかCランクの魔物が多い。そのまま10階層まで同じだ。
とりあえず、魔物を探してみる。
カタカタカタ
目の前からそのような音が聞こえる。
目の前といっても16mほど離れているが、神経を研ぎ澄ませば楽に聞こえる。
この音は骨が擦れる音であろう。
そうなれば、この階層最弱モンスターのスケルトンである。
いまの俺なら余裕だ。
そう思い、スケルトンの目の前まで鋏を構えたまま地を蹴り、駆け抜ける。
「鋏術第一位階『断チ』」
ザシュッ
ザザッ
スケルトンを切ったが、威力と切れ味が良すぎて地面まで抉れる。
「切れ味が良すぎる…これからは手加減をしよう。そういえば、鑑定があったはずだ。鋏を鑑定して切れ味を見てみよう。」
「鑑定」
銘:夜霧
切れ味:最高
長さ:220
重さ:片方13kg
夜霧か、いい銘だ。
これからについては、スケルトンの魔石をとって10階層にある街で魔石を売ろう。
そして、今のでレベルが上がったみたいだ。
名前:???
種族:キメラ
職業:アサシン
年齢:13
Lv:3
体力:1000
力:300
魔力:???
俊敏:1400
固有技術ユニークスキル:鋏術Lv- 亜空間(無限)門Lv- 鑑定Lv- 隠蔽Lv-
派出技術リペアスキル:暗殺術Lv- 体術Lv4-
称号:転移者
俊敏が上がりやすいのは職業の恩恵だろう。
戦士なら力が、騎士なら体力が、アサシンなら俊敏があがりやすい。
ステータスを確認すると、俺はどんどん進んで行く。
そういえば、血の効果で不老不死があったはずだ。
一旦止まって確認する。
腕切ってみるか。
ザシュッ
痛いが、我慢できないほどではない。
3秒後、腕に痛いより熱い感覚が生まれて、腕がメキメキと音を立てて再生して行く。やはり不死か。失った血も取り戻している。
今気づいたが肌が白い。まるで雪を見ているようだ。きっと、顔も別人のように変わっているだろう。
気にしないでおこう。
それより、名前をつけよう。
だいたい決まっているが、これでいいだろう。
カゲロウ
俺はアサシンだ。アサシンに基づく名前がいいだろう。
そういえば、服だが目が覚めたら着ていた。
黒い綿パンに丈が太ももぐらいまであるTシャツそして黒い、丈の先のあたりがボロボロのスネぐらいまでの長さのローブ。まさに暗殺者という格好である。
そう考えながらどんどん進んで行く。
いまは6階層の出口のあたりだ。
ゴブリンの群だ。
数は13、いや木の陰に一匹いる14だ。
ここは、範囲攻撃がいいだろう。
群の弱点は、固まっていることだ。範囲攻撃を受けたら人は崩れる。
そして、俺は地を蹴って駆け出し、鋏を元ある姿へと変えて両手で目一杯広げる。
「『一閃』」
そう言い放つとゴブリンの首は全て胴体から離れる。
これは鋏術第三位階のスキルで、対集団用の自身で編み出したスキルである。
「ステータス」
名前:カゲロウ
種族:キメラ
職業:アサシン
年齢:13
Lv:7
体力:1250
力:700
魔力:???
俊敏:2200
固有技術ユニークスキル:鋏術Lv- 亜空間(無限)門Lv- 鑑定Lv- 隠蔽Lv-
派出技術リペアスキル:暗殺術Lv- 体術Lv4-
称号:転移者
俊敏の上がりが早いな…
10階層で短刀を買ってみよう。
暗殺術では短刀を使った特殊スキルもある。
短刀術では使うことができない、暗殺術ならではのスキルだ。
早く10階層まで行こう。
そうこう考えているうちに10階層までついた。
道中、ゴブリン、スケルトン、レアモンスターのメルガスに出会った。
メルガスの肉はとても美味しく、皮は胃袋と合わせることでアイテムポーチとなる。異空間のスキルブックは黒金貨一枚で買うことができるが、アイテムポーチは金貨50枚で買うことができる。アイテムポーチは時空間魔法も必要となるので、錬金術ギルドへと渡される。報酬は金貨3枚だ。ひどいぼったくりだな。まぁ、売るがな。
そして、俺は街へと近づいて行く。
そこで、門番に呼び止められてこう言われる。
「ギルドカードを見せろ。」
「戦っている最中に紛失してしまった。」
「そうか、ではこの水晶に手をかざせ。」
「わかった。」
そして水晶は青色に輝く。
「通って良いぞ。」
「ああ。」
今のは称号水晶だ。
そして上を見上げると看板に大きくこう書いてあった
「ロストの街へようこそ…か。」
とりあえず冒険者ギルドへと行くか。
ギルドへと入ると以外にも綺麗で迷宮の中だというのを忘れてしまいそうだ。
俺は受付嬢の元へと歩いて行くと
「ここのギルドへと登録したい。」
「わかりました。」
そう答えたのは、金髪のポニーテールの女だ。耳が少し長いことからハーフエルフなのがわかる。
「ステータスを見してください。」
「ああ、ステータス」
名前:カゲロウ
種族:ハーフエルフ
職業:剣士
年齢:13
Lv:7
体力:1250
力:700
魔力:200
俊敏:500
固有技術ユニークスキル:剣術Lv4
派出技術リペアスキル:
称号:
一応不老不死だから、ハーフエルフにしておいた。
事前に隠蔽をしておいて、キメラで少し耳を長くしておいたのだがローブを深くかぶっているからあまり関係がない。
「確認できました。では、これを。」
「ああ。」
そう言い渡されたのは冒険者プレートだ。冒険者プレートからはステータスを見ることができる、それに加えて魔物の討伐数や種類なども履歴として残る。
ただ、このプレートにはある秘密が隠されており、このプレートでステータスを見ると冒険者ギルド本部へとステータスが送られるのだ。俺の場合隠蔽したステータスが送られる。非常にありがた迷惑だ。
「このギルドについて説明は必要ですか?」
「結構だ。それよりも魔石と素材の買取をお願いしたい。」
「わかりました。では提示してください。」
「ああ。」
そういい俺はポケットから魔石を出すと見せかけて、亜空間から魔石とメルガスの素材を取り出す。
「こ、こんなにもたくさんの魔石を…いったいどれほどの時間潜っていたのですか?」
「1時間弱だ。」
「パーティを組んでいるのですか?」
そう受付嬢が言った瞬間騒音が少し落ち着いた気がする。
この冒険者たち、俺を狙っているのか。パーティに誘う気だな。
「もちろん。」
「そうでしたか。それにメルガスの素材まで…とても頑張ったんですね。」
「ああ、運が良かっただけだ。」
「そうでしたか、運も実力のうちですよ…買取額は金貨3枚と銀貨90枚と銅貨10枚ですね。」
「ありがとう。」
「また来てください!」
「ああ。」
そういい俺はギルドを出ようとする。
だが、それは阻まれた。
「おい、お前。今本当にポケットから魔石を出したのか?異空間持ちか?異空間持ちなら俺様のパーティに入れてやる。」
「冒険者にそれを聞くのはご法度だ。消え失せろ。殺すぞ。」
「ああ!!??誰に向かって指図してんだ。」
「消え失せろといったのだ。邪魔で通れん。」
「このクソガキが!」
そう言い目の前にいる人は近くにあったこの者の武器であろう棍棒をもって振り上げた。
ドンッ
そう音がなって俺の頭に振り落とされた。
俺はあえて、受け止めた。
グチャッ
「はははっ俺様のゆうことが聞けないからこんな…こ…とに…」
「カゲロウさん!!!!」
っとこれは受付嬢。
「お、お、お、お、おまえ、なんで生きてやがる!いま頭潰れたよな!?」
「いいか?これから俺がすることは正当防衛だ。俺はいまお前に殺された。だから俺はお前を殺す。文句はないな?」
「ま、待て!金ならやる!!いくらでもやるからやめろ!」
俺はそう言い放ち、ポケットの中から、亜空間の中から、2mを越える鋏を取り出す、ただ、片方だけだ。
「じゃあな、おっさん」
「ま、ま…」
俺は振り下ろす。
が、おっさんが死ぬことはなかった。
俺が直前で止めたのだ。
さすがに人殺しの称号は嫌だ。
「ふっ」
そう笑い飛ばし、俺はギルドを後にして、鍛冶屋に行く。
なにか騒いでいたが気にしない。
古びれた鍛冶屋を見つけた。
ガチャッ
「らっしゃい!」
「短刀はあるか?予算は銀貨80枚だ。」
「待ってな!銀貨80枚ならいい短刀があるぞ、あんた見た感じ前線でスピード特化のもんだろ?」
「ああ、そうだ。」
「っと、ああ、これだこれだ。」
そう言い渡されたのは真っ黒な刀身の30cmほどの短刀だった。
「これはな魔道具だ。とりあえず適当な場所に投げてみろ。」
「わかった。」
そう言い俺は近くにあったマネキンに投げる。
「それでな、戻ってこいと念じてみな。」
戻ってこい。
そう念じると、いつのまにか手元には短刀が握られていた。
「おお、これはすごい。」
素直に驚く。
「ふっ、だろう?」
「買った。」
「まいど〜ご贔屓してくれよ〜〜」
「ああ。」
そういい俺は腰に短刀をつける。
早く次の階層に行きたい。
が、今日は流石に疲れた。
不老不死とはいえ、疲れるものは疲れるのだ。
「宿、探すか」
そう思うと俺は宿を探す。
探し歩くとある看板を見つけた。
『亜人宿』
お、これは自称ハーフエルフの俺にとっては嬉しい。
この世界では亜人は差別されていないがこのように亜人のためだけの宿や人族だけの宿がある。
ガチャッ
「いらっしゃいませ。」
そう獣人の猫の女の子が頭を下げて来た。
耳がぴこぴこしてて可愛い…
俺は可愛いものが好きだ。妹が好きだったから俺も好きになった。
「二日泊まりたい。」
「朝食はどうなされますか?」
「もらおう。」
「では銀貨4枚と銅貨10枚です。」
そう言われたので、渡す。
「ちょうどお預かりしました。お部屋は2階の一番奥の部屋です。鍵はこれです。」
「わかった。」
ガチャッ
部屋は綺麗だった。
清潔感あふれる、素晴らしい部屋だ。
俺はローブを脱ぐとベッドに入って眠りにつく。
今日は長い1日だった。
いろんなことがあったから、疲れた。
『派出技術、『並列思考』を手に入れました。』
まだまだ書きます。