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サクラハイム物語   作者: さき太
3/17

第二章 風間祐二の事情

 「バイトとの兼ね合い考えると、前期の講義はここら辺とっとくっすかね。真田(さなだ)、一緒の講義とって協力しないっすか?」

 「別に良いが。代返はしないし、課題写させたりとかはしないぞ。」

 「単位取れるぎりぎりの出席日数でどうにかする予定だから、休んだときのノート写させてもらえると助かるっす。」

 「それくらいならお安いご用だ。」

 「ありがとう。マジ、助かるっす。」

 片岡(かたおか)湊人(みなと)真田(さなだ)一臣(かずおみ)の晴大生組がそんな話をしている横で、三島(みしま)健人(けんと)香坂光(こうさかひかる)の市ヶ谷学園組も今年度の話をしていた。

 「俺たちの代が部員数少ないからな。今後の公演のこと考えると今年はそれなりの部員数を確保したいとこだが。」

 「去年の大道演劇での勧誘、ネタ失敗して本当の喧嘩と勘違いされて大騒ぎになってだいぶ怒られたしね。まぁ、それで話題になって人数確保できたけど。まさかそれと同じ事はできないし。」

 「そう考えるとやっぱり勧誘会の短劇でのインパクトが大事だよな。春休み中にだいぶ詰めたが、まだ印象が薄い気がするんだが。」

 「そうだね。僕が思うに短いからこそもっとハッキリと緩急を付けて、一番印象づけたいここの演出をもっと派手に、他をもう少し抑えた方がいいと思うんだけど。」

 「今もけっこうぎりぎりまで差付けてると思うが。これ以上差を付けるとそこのインパクトだけが残ってストーリーが死ぬんじゃないか?」

 「この際物語性は捨てて、勧誘っていう所に焦点を置いた方がいいんじゃないかなって僕は思うよ。」

 「それも一理あるが、でもな。まぁ、次の集まりの時に皆にもきいてみるか。」

 三島がそう言って少し考えるような素振りをしてからまた口を開いた。

 「なあ光。この部分のこの役はお前がやってくれないか?お前の表現力なら今より抑えても充分ストーリーを殺さずにいけると思う。なんなら台詞数をほぼなくして動作での表現を主にすれば、短い中で演技の幅の広さも紹介できるし、派手な部分との差もかなり付けられる。」

 「いや、僕は。それにもう配役は決まってるし。春休み中だって皆練習してきたのに、勧誘会まであとちょっとしかない今更、役を変更してそこまでの改変加えるのはちょっとどうかと思うよ。」

 「またお前はそう言って。そうやって今年もまた端役やって終わりにするつもりか?俺たちもう三回生だぞ。実力があるくせに、良い役をみんな実力の劣る後輩にとられて悔しくないのか。」

 「悔しいも何も、これが僕の実力なんだからしょうがないじゃない。健人は過大評価しすぎなんだよ。」

 「またそうやって。いつまであの女に言われたこと気にしてんだ。」

 「別にあの人は関係ないよ。ただ本当に、僕が役者としてどうしようもないだけなんだ。」

 そんな香坂の言葉を聞いて、三島が舌打ちをして勝手にしろと吐き捨てた。

 そんな大学生組の様子を見て、風間祐二(かざまゆうじ)が大学生って新学期始まってそうそうから忙しいんですねと呟いた。

 「部活の勧誘なんかは高校もあるんじゃないの?」

 「俺の学校、俺の代で最後だからそういうのもなくて。」

 「へー。そういえば祐二、今年受験でしょ?何処受けるの?」

 「俺は就職組だから。」

 「じゃあ、就職活動だね。どういう業種受けるの?」

 「うちの学校、銀行とか流通業にコネがあるからそこら辺かな。一応、公務員試験も受けようとは思ってるけど。」

 歯切れ悪くそういう風間を見て、柏木(かしわぎ)(はるか)が、祐二はなりたいモノとかないのと訊いた。

 「とくにはないかな。とりあえず働き口が見つかればいいって感じかも。」

 そう言って笑う風間に遙が冷たい視線を向けて、祐二ってつまらないねと呟いた。

 「そんなんじゃ就活も上手くいかない気がするけど。まぁ、せいぜい頑張れば。」

 「俺もとくになりたいモノとかないけど、ちゃんと働きたいとは思ってるから似たようなもんだよ。皆が皆これになりたいってモノもって働きに出るわけじゃないよね。就職先決まるといいね。頑張って。」

 険のある調子で吐き捨てた遙の言葉に続き、明るい調子そう言う楠城浩太(くすのきこうた)を見て、遙が今年就活生の奴と今年新入生の自分を同じにするなよと呆れたように溜め息を吐いた。そんな二人を眺め、風間は心の中で溜め息を吐いた。そして大学生組を眺め、いいなと思う。本当は俺だって・・・。そう考えて、それ以上を考えないようにして、風間はその場を去った。

 学校に着くと着いたで、嫌でも聞きたくない話題が耳に入ってきて風間は気分が塞いだ。

 「ついに俺たちも受験生か。」

 「俺、こないだの模試、志望大学B判定だったからちょっと頑張んないとかも。」

 「俺も。だから春休み中に塾増やしたよ。」

 「俺は指定校推薦狙いで、成績維持してきたから安泰だぜ。」

 「って、俺たちの代でこの学校終わりなのに、指定校推薦枠って存在してたの?」

 そんな話しをする学友達の声を聞きたくなくて耳を塞ぎたくなった。元々進学率の高い学校だから、全体の九割以上が進学希望だし、三年生になった今皆が受験の話しをするのは当たり前で・・・。

 「風間は確か就職希望だったよな。今時大学出ても就職厳しいって言うし、高卒じゃきついかもしれないけど、頑張れよ。」

 そう声を掛けられて、風間は笑って、ありがとう君も受験頑張ってと返事した。

 あぁ、何で自分は笑ってるんだろう。笑いたくなんかないのに。どうして何もないような顔をして、皆と普通な顔して話してるんだろう。自分の意思と関係なく、表面の自分は今日も普段の自分を普段通りに過ごして、そして。いつまでこれが続けられるんだろう。時間が止まってしまえば良いのに。今のまま、ずっと卒業なんてしないで、このままずっと今の生活を・・・。

 ふと気が付くと、風間は帰路を歩いていた。サクラハイムへの帰り道を歩きながら、今日なにしてたっけと思う。学校で何をしてたのか、何を話したのかよく覚えていない。なんか先生と進路のことで話しをした気もするけど、どんな話をしたんだっけ。就活しなきゃいけないんだよな。就活ってなにすればいいんだっけ。去年高校生向けの就活セミナーに行った気がするけど全然覚えてないや。どうしよう。こんなんで本当に俺大丈夫なのかな。そんなことを考えて、風間は真っ直ぐサクラハイムに戻らず、河原によってそこに座り込んだ。

 「俺、何のために下村学園高校に入ったんだっけ。親と喧嘩して、勘当されてまで入ったのに。全然したかった勉強もできなかったし。こんなことなら反発なんかしないでずっと家にいれば良かった。」

 そんなことを口に出して涙が溢れてきた。皆が羨ましい。学校の皆が、サクラハイムの皆が。俺のできないことを普通にできる皆が羨ましい。俺だって、本当は進学して、もっと勉強して、それで・・・。そう思って、また、それ以上を考えないように蓋をした。

 「どうかしたの?どっか痛いの?」

 そう女の子の声が聞こえて風間は顔を上げた。

 「どっか怪我した?具合悪い?」

 そこにいた、綺麗な着物を着たそれに負けないくらい綺麗な女の子が、心配そうに顔を覗き込んできて風間は大丈夫ですと笑顔を向けた。

 「じゃあ、なんで泣いてたの?」

 そう訊かれて、風間は目を伏せて小さく笑った。

 「ちょっと、帰りたくなくて。」

 「帰りたくなかったら帰らなくてもいいって、夏樹(なつき)が言ってたよ。居たくない場所には居なくていいんだって。」

 「別にその場所に居たくないわけじゃないんですが。」

 「じゃあ、なんで帰りたくないの?」

 そう訊かれて、風間は胸が苦しくなった。皆が羨ましいから。あそこにいると自分が惨めになるから。(はら)さんと二人だったときは大丈夫だったのに、今はあそこは俺には眩しすぎて。

 「居場所がないんです。俺には、どこにも。」

 そう口に出して、苦しくなる。

 そう。自分には居場所がない。実家に居たときも、今も。この世界のどこにも俺の居場所なんてない。ただ誰かの世界の片隅に居座らせてもらっていただけで、自分がいていい場所なんて本当はどこにもない。だから、今居座っているこの場所を取り上げられたら、俺は・・・。

 「じゃあ、自由なんだね。」

 そう明るい女の子の声が聞こえて、風間は顔を上げた。

 「何処にも居場所がないってことは、何処にでも行けるし、何処でも居場所をつくれるって事だよね。つまりそれって自由ってことなんでしょ?わたしにはよく解らないけど、夏樹が自由すぎるのは大変だって言ってた。自分でなんでも好きにできる分、全部自分で決めなきゃいけないからって。それに自由すぎるのは寂しいんだって。でも、自由なうちは自分の好きなように何でもできるから、なんでもやって、やりまくって、自分がのめり込める何かを見付けてやるんだって言ってた。そう言う夏樹は楽しそうだったよ。でも、あなたは辛そうだね。なんで同じように自由なのに、夏樹は楽しそうであなたは辛そうなの?あなたには自由の大変なところしかないの?自由の楽しいところがないの?やりたいことはないの?してみたいことは?行ってみたい場所とか・・・。」

 そんな女の子のなんでどうして攻撃にあって、風間は言葉を詰まらした。してみたいことがないわけじゃない。行ってみたい場所がないわけじゃない。やりたいことがないわけが・・・。

 「ムリなんです。どんなに望んだってもう。俺には夢を叶えるチャンスがない。」

 風間は思わずそう吐き出していた。

 「俺には勉強のチャンスはこの高校三年間だけだった。なのに、廃校が決まって、それまでの教師陣が居なくなったせいで、うちの高校の特色が消えた普通の高校の授業しか受けることができなくて、語学研修にも行けなかった。本当はもっと外国語を勉強して、実際に外国の文化に触れて、それで・・・。」

 「どうしてもうチャンスがないの?」

 「高校卒業までの学費生活費しかないからです。卒業したら嫌でも働かないと生きていけない。」

 「働かなきゃいけないとチャンスがなくなるの?どうして働くことと勉強は一緒にできないの?どうしてやりたいことを諦めないと絶対に生きていけないの?なんで?わたしには良く解らない。」

 心底不思議そうに女の子がまたなんでどうして攻撃をしてきて、風間は言葉をつまらせ考え込んだ。言われてみれば、これだけあれば高校三年間の学費生活費、語学研修などに必要な諸費用を充分に賄えるだろうと手切れ金を渡されて追い出されたから、高校三年間しか自分にはないと思い込んでいた。でも、そうじゃなかったのかもしれない。片岡さんなんて、奨学金をもらいつつバイトして、実家の生計も支えながら独り立ちして大学生をしてるじゃないか。なのに俺は、親に勘当されたと自分を悲観しながら親からもらったお金で普通に生活し、廃校が決まったせいで勉強ができないと嘆くだけで、自分でできることを何も、探すことさえしてこなかった。全部、環境が悪い、状況が悪いで。自分がこんな風になっているのは、全部自分以外の誰かや何かのせいにして。本当は、今自分がこうなってるのは全部自分自身のせいなのかもしれない。お金がないならバイトすれば良かった。進学したいなら奨学金を借りて行く方法だってある。サクラハイムがこれからも続くなら生活費だってそんなにかからないし。今からだって本当は諦めなくても・・・。そう考えて、でも、三年生が始まってしまった今更もう遅いのではなんてまた考えそうになって。風間は立ち上がった。

 「俺、夢を諦めないで済む方法がないか、今からでも探してみます。もう遅いかもしれないけど。それでも。諦める前にちゃんと足掻いてみようと思います。」

 そう言って、風間は笑った。その笑顔を見て女の子も笑う。

 「よく解らないけど、諦めないですむと良いね。わたし応援する。頑張って。」

 その言葉に背中を押され、風間は女の子にお礼を言うとサクラハイムへの帰路についた。

 サクラハイムの玄関を抜け、自室によらず真っ直ぐ食堂に向かう。

 「ただいま帰りました。」

 食堂に続く扉を開けて、大きな声でそう言う。

 「お、祐二。お帰り。荷物持ったまま食堂来るなんて珍しいっすね。なんか帰り遅かったけど、お腹でもすいたっすか?なんにせよ、ちゃんと着替えて手洗ってこないとダメっすよ。」

 キッチンに立ち、そう言いながら笑いかけてくる片岡を見て、風間は、あの、と口に出して、そして、笑ってのどが渇いちゃってと言った。

 「でも、先に手洗ってこないとですよね。」

 そう言って、背中を向け食堂を出て行こうとして、風間は片岡に呼び止められた。

 「祐二。今、なんて言おうとしたっすか?」

 そう訊かれ、胸が詰まる。

 「言いたいことがあるならちゃんと言わないと。ただでさえ祐二は普段から本音話さないから、言いたくなった時にちゃんと吐き出さないとダメっす。飲み込んでばかりいたら息が詰まって死んじゃうっすよ。」

 優しい声でそう言われて、風間は何かがこみ上げて来そうになった。

 「片岡さんに俺の何が解るんですか。」

 「詳しいことはなんも知らないっすけど、同室っすから。一ヶ月も共同生活してたら祐二がどういう奴かってことはそれなりに解るっすよ。祐二は俺がどんな奴か全く解らないっすか?何を怖がってるのか解んないけど、祐二から見た俺はそんな怖い奴に見えるっすか?」

 「俺には解らないですよ。片岡さんの事なんて全然解らないです。どうして片岡さんがいつもそんなに呑気に笑ってられるのかとか、どうしてそんなに・・・。」

 あぁ、俺はダメだな。あの子と話をして、変わろうって、そう思えたのに。言い訳しないで、ちゃんとやれることやって、ダメ元でももがこうって決心したはずなのに。最初の一歩の言葉が出てこない。言葉にして、ムリだって言われるのが怖い。なんでそんなこと言ってくるんだって、突き放されるのが怖い。見下されるのが、バカにされるのが、嘲られるのが、怖くて怖くてしかたがない。片岡さんはそんな人じゃないって解ってるのに、でも・・・。そう思う。怖い。でも、変わりたい。逃げたくない。これ以上、逃げ続けたくない。自分からも、他の事からも、もう逃げたくない。もう俺は。俺が今居るのはあの家じゃないんだから。捨てられた俺は、自分の足で生きていくしかないんだから。だから、もう誰かに怯えて、下を向いていたくない。俺だって、ちゃんと前を向いて、開き直って、自分の手で、自分の夢を・・・。

 「お腹すいた。ねぇ、おかん、今日の夕飯何?って、祐二、なに泣いてんの?」

 階段を降りてやって来た遙が、食堂の扉の所で立ちすくんでいる風間を見て眉根を寄せた。

 「ごめん。邪魔だよね。」

 「じゃなくて、なに泣いてんのって訊いてんの。何かあったの?ほら、そんなとこ突っ立てないで中入る。それで、そこ座って。」

 そう言う遙に押されて、強制的に椅子に座らされる。

 「湊人。お茶。二人分ね。」

 「俺は小間使いか。」

 「キッチンにいるんだからついでみたいなもんでしょ。」

 「別に良いけど、人にもの頼むときはもう少し言葉に気を使った方がいいっすよ。トラブルの種になるから。」

 「面倒くさい。敬語とかそう言う文化はなくなれば良いんだよ。」

 「全く。そんなこと言ってて何かあっても知らないっすよ。本当、遙の方がしっかりしてそうに見えて、そういう所は浩太の方がまだちゃんとしてるよな。」

 「ちゃんとしなきゃいけないところではちゃんとしてるから大丈夫。浩太と違って俺はそういうとこ使い分けができるだけだから。最初は眉根寄せてた健人だって今じゃ気にしてないんだし、別に良いでしょ。居住空間でまで猫被ってなきゃいけないとか、ムリ。そんなことしなきゃいけないなら俺ここ出てくから。」

 ハッキリそう言い切る遙を見て、風間は力なく笑った。こうやってハッキリ言い切って、自分を通すことができたらどんなに良いだろう。俺には怖くてこんなこととてもできない。そう思って下を向くと、目の前に紅茶の入ったカップを置かれて、風間は顔を上げた。

 「俺もちょっと休憩。一緒に座っても良いっすか?」

 「今日はアルバイトじゃないんですか?」

 「夕食の時間は基本バイト入れてないの知ってるっしょ。実家よりここの方がバイト先に近いから余裕っすよ。」

 「で?祐二は何で泣いてたの?」

 そう問われて、風間はそれは、と言葉を詰まらせた。そして暫くの間沈黙が継続して、痺れを切らした遙が口を開いた。

 「うっざ。そこでまた言葉詰まらせるんだ。ここまでお膳立てされて何も話せないとか、本当うざい。何も言えないなら人目に付くとこで泣いてないで一人で勝手にうじうじしてなよ。」

 そう風間を突き放す遙に、お前なと片岡が抗議しようとして、遙に睨まれた。

 「湊人はお人好し過ぎ。こんな奴に貴重なあんたの時間割いてやる必要ないから。ヒマならともかく、あんたはやること沢山あるでしょ。そんな時間あったらさっさと夕飯の支度して、空いた時間で他のことやれば?その方がよっぽど生産的。」

 「遙はドライすぎっしょ。俺の時間の使い方は俺が決めることだし、お前にどうこう言われたくないっす。」

 「バカじゃない。そうやって人のこと優先させてばっかいてさ。あんたのそういうとこちょっとうざい。見てると苛々する。」

 「見てると苛々すんなら、見なきゃいいっしょ。夕飯できたら呼ぶから、遙は部屋戻ってろよ。」

 「あんたこそさっさとキッチン戻って夕飯の支度に集中したら?」

 そうやって遙と片岡の言い合いが過熱していき、その喧噪を聞きつけた他の住人達も食堂に集まってくる。

 「柏木。片岡をこんな怒らせるとかお前何したんだよ。」

 「なんで俺が何かしたこと前提なの。別になにもしてないし。」

 三島の問いに遙が不機嫌そうに答える。

 「でも、片岡君がこんな風になるなんて余程な事な気がするんだけど。」

 「いや、俺そこまで温厚じゃないっすよ。ちょっと売り言葉に買い言葉というか。お騒がせしてすみません。」

 香坂の言葉に、申し訳なさそうに片岡がそう言って、

 「なんであんたが謝るの。別にあんたも悪いことしてないでしょ。」

 「でかい声で言い合いしてたのは事実っしょ。」

 「そもそも、俺たちが言い合いになったのは・・・。」

 「遙。俺たちがでかい声で言い合いしてたから、皆を驚かせてこうなったんだ。人のせいにしたらダメっす。」

 「うざっ。そうやって話逸らして元凶庇ってさ。」

 「遙!」

 また言い合いが過熱してきそうになって、

 「すみません。俺が悪いんです。」

 そう大きな声で風間が割って入って、皆の注目を集めて小さくなった。そして、また黙り込む風間を見て遙があからさまな溜め息を吐き、そんな彼を片岡が睨む。

 「はい。そこまで。二人とも少し落ち着こうか。」

 そう言って和実(かずみ)がご飯にしようと言った。

 「もうご飯の時間だよ。お腹すいてると余計苛々するし、喧嘩はいったん終わりにして、皆でご飯食べるよ。片岡君ご飯の準備は?」

 「すみません。だいたいはできてるんっすけど・・・。」

 「じゃあ、手伝うからちゃっちゃと作っちゃおう。皆も手伝えるところは手伝って。風間君は荷物置いて着替えてくる。」

 和実のその号令で、それぞれが動き出す。そんな皆の様子を見て、風間も言われたとおり荷物を置きに自室に戻った。

 遙君の言うとおりだと思う。遙君は間違った事は一つも言ってない。それに遙君だって俺の話しを聞こうとしてくれてた。でも、自分が何も言い出せなかったから、それで二人が喧嘩になって。まるで遙君が悪いみたいになって。片岡さんも普段ならできてることができなくなって、それで。全部俺のせい。なのに、そのことさえまともに言えない俺なんて・・・。制服から私服に着替えながらそんなことを考えていると、ノックの音が聞こえて、風間は慌てて着替えをお終えてドアを開けた。

 「大丈夫?」

 そこに立っていた浩太にそう訊かれ、風間は曖昧に笑った。

 「俺、一緒に謝りに行こうか?」

 そう続けられ、風間は疑問符を浮かべた。

 「風間君が遙ちゃんのこと怒らせて、片岡さんが風間君庇って、それで片岡さん遙ちゃんと喧嘩になったんでしょ?なら、風間君がちゃんと謝れば問題解決じゃない?遙ちゃん優しいから、ちゃんと謝れば許してくれるよ。だから一緒に謝りに行こう。」

 真面目な顔をした浩太にそう言われて風間は思わずどうして?と口に出していた。

 「だって、遙ちゃん謝らないと許してくれないし。許さないとずっとあの態度のままだよ。」

 「浩太君は、俺の方が悪いって思うんですか?」

 「だって、風間君が自分が悪いんだって言ってたんじゃん。」

 そう言われてそれもそうだと思う。

 「風間君、自分が悪いって言っておきながら何も話してないじゃん。それじゃ何も伝わらないって。謝るのってすごく勇気いるし、怖いけど。でもさ、このままは良くないと思うんだ。一人で謝りに行くのが怖いなら、俺も一緒に行くから。だからさ。」

 そう言う浩太に手を差し伸べられて、風間はその手を取っていた。どうして俺は今この手をとったんだろう。この手を取って、俺はどうするんだろう。差し伸べてくれた片岡さんの手を、遙君の手を、俺は振り払ってしまった。でも、今こうして浩太君が差し伸べてくれたこの手をとったなら、今度は、今度こそは。

 「大丈夫。一人で謝りにも来れないなんてなんて文句言われたら、俺も一緒に怒られるから。俺、遙ちゃんに怒られるの慣れてるし、ちゃんとついてるからさ。」

 そう浩太に引っ張られて連れて行かれた食堂で、風間は大きな声ですみませんでしたと言って頭を下げた。皆の視線が集まって、また言葉を詰まらせそうになる。でも、もう逃げない。左手に感じる浩太の手の温もりを感じて、風間は俯きそうになる顔をぐっと上げた。

 「実は俺、進路のことで悩んでて。それで片岡さんに相談しようと思ったんです。でも、言い出せなくて、それで。遙君も話し聞こうとしてくれたんだけど、結局言い出せなくて遙君を怒らせてしまって。二人が喧嘩になってしまって。本当に、すみませんでした。」

 そう言って、また頭を下げる。

 「俺と湊人の喧嘩は祐二が悪いわけじゃないし。俺もちょとカッとなって、元凶とか言っちゃったのは悪かったって思ってる。そこはごめん。他の部分は謝らないけど。」

 そう言う遙の声が聞こえる。

 「俺も、遙の言い方にちょっとカッとなっちゃって、大人げなかったなって反省してるっす。祐二の話し聞いてやるつもりだったのに、そっちに意識いっちゃって置き去りにしてごめんな。遙も、悪かったっす。ごめん。」

 そんな片岡の声も聞こえて、別にあんたが悪いわけじゃないしとふて腐れたような遙の声が続いて、

 「とりあえず、皆揃ったしご飯たべよ。二人とも席について。」

 そんな和実の声が聞こえて、風間は笑顔ではいと応えた。

 「ね。大丈夫だったでしょ。」

 そう言って笑う浩太にありがとうと伝える。

 席に着きいつも通り談笑をしながらご飯を食べ、その中に普通に自分も入っている現実に風間は胸が苦しくなった。そっか、俺もちゃんとこの中にいたんだ。ただ居座ってるんじゃなくて、ちゃんと皆と話ししてた。こうやって笑い合ってた。ちゃんと、ここに俺の居場所はあった。

 「祐二、また何泣いてんの?」

 遙の声がする。

 「幸せだなって思って。」

 そう口に出して、本当にそう思う。

 「何それ。」

 「俺、実家にいたときはこうやって団欒とかなかったから。俺の居場所なんかなかったから。こうやって普通に皆の中に入れてもらえて、俺、本当に・・・。」

 そう言葉にして、ボロボロ涙が溢れてくる。

 「ずっと、皆が羨ましかったんです。自分は皆の輪には入れないって思い込んでた。でも、本当はちゃんとここに居場所があったんだって。ごめん。俺、怖かったんだ。皆に拒絶されるのが。何か言って、否定されるのが。怖くて。自分は皆と違うって、皆を羨ましがっていじけてる方が楽だったから。だから、俺。ずっと見ないふりして。自分の本音にも気付かないふりして。でも、皆が羨ましくて。俺も本当はって思ったけど、でも。変わりたいって思ったけど。でも。怖くて。怖くて。それで・・・。」

 「大丈夫だから。落ち着けって。」

 優しい片岡の声が聞こえる。

 「ほら、甘い物飲むと少し落ち着くぞ。」

 優しい笑顔で真田がココアを差し出してきて、風間はそれを受け取った。

 「あ、俺も飲みたい。」

 そんな浩太の声が聞こえて、

 「少しは空気読めよ、バカ。」

 呆れたような遙の突っ込みが入る。

 「今、皆にもいれてくるから。」

 そう言って、真田がキッチンに消えていく。その姿を見送って、受け取ったココアを一口飲んで、風間は胸がいっぱいになった。本当、ここの人達はみんな優しい。ここの人達はあの人達とは違う。

 「片岡さん。今からでも大学進学ってできますか?本当は俺、大学に行って勉強がしたいんです。でも、お金もないし、諦めるしかないって思って、就職するつもりでずっといて・・・。」

 そう話し始め、風間は自分の今までの人生を語り始めた。

 「俺、できが悪くて。兄さんはとても優秀な人なので、余計、俺のできの悪さは目立っちゃうみたいで。実家に居た頃はずっと、本当に小さい頃からずっと怒られてばっかでした。笑うとなにがおかしいんだって怒られて。泣くとうるさいって怒られて。黙ってると愛想がないって怒られて。話すとよけいな話ししてるヒマがあるなら勉強しろって怒られて。どうして良いか解らなくなって。それで家でも外でも何も話さないでいたら、お前が暗い顔してるから学校から呼び出されただろ、なんで迷惑かけるような事しかしないんだって怒られました。だから外では笑って、バカ丸出しの顔しやがってって怒られて。でも笑ってれば外では普通に過ごせたから。その方が楽だったから。笑うことが癖になって。何しても怒られるから、家では言われたとおりずっと勉強だけしてました。でも、兄さんにはとても追いつけなくて。結局、怒られて。俺みたいなダメな奴は一人じゃ何もできないから、どこにもいけないから、一生親の言うことを聞いて、ただ言われた通りに生きていくしかないって思っていました。中学生の頃、勉強用に洋書をもらったんです。自分で翻訳してみろって。最初はまともな文章にならなくて、こんなのもまともに翻訳できないのかって怒られてたんですけど。最初の一ページをちゃんと翻訳できたとき凄く感動しました。ここにはこんなお話が書いてあったんだって。それで、どんどん続きが読みたくなって、解らないところがあったら学校の先生に聞きに行ったりして、本当に夢中で翻訳しました。一冊全部翻訳し終えたとき、先生がおめでとうって言ってくれたんです。それで、答え合わせにって、その物語の和訳本を貸してくれました。内容は自分で翻訳したものと同じなのに、そこに広がる世界が全然違って見えて。そんな訳をした人に凄く憧れました。翻訳ってただ文章をそのまま直訳すればいいんじゃないんだなって。そこにある文章の意味を考えて、それに適した言葉を選んで、工夫して、その物語がちゃんと読んだ人の心に届くようにするのが翻訳なんだって思いました。それで俺は翻訳家になりたいって思ったんです。俺もこんな風に違う国の物語をこの国の人達に届ける仕事がしたいって思ったんです。俺は始めて自分がしたいことを見付けて、それで、始めて親に反発しました。兄と同じ進学校に進学しろという親に、翻訳家になりたいから語学に強い高校に行きたいって言ったんです。そしたらそれまで以上に酷く怒られて。それまで殴られたことはなかったんですけど、罵倒されて殴られて、家に閉じ込められて毎日説教されました。でも、何言われても、何されても、これだけは何もする前から諦めたくないって思って、それでずっと反発し続けてたら親が折れたんです。もう俺はあの人達の子供じゃないって。言うことが聞けないから出てけって。ただ、中学生の息子を追い出したんじゃ外聞が悪いから高校卒業までの資金は出してやる、でも進学と同時に家を出ろって言われて。下村学園高校なら寮もあるし、外国語コースもあって本格的な語学研修制度もあるからって先生に薦められて、そこなら高卒でも夢が叶えられるんじゃないかって夢を見て、下村学園高校に進路を決めました。家を追い出されることに不安がない訳じゃありませんでした。怖かった。でも、それ以上に楽しみでした。でも、中学卒業間近にして下村学園高校の廃校の決定とそれに伴い今期生の寮の受け入れを中止するというお知らせが届いて。でも一度交わした親との取り決めは反故にはできず、最初の取り決め通りの額の手切れ金を渡されて追い出されて。途方に暮れました。どうにか寮に入らせてもらって始まった高校生活も、教師陣の一掃で特色のなくなった普通科の授業のみになってしまいましたし、語学研修も廃止になり行けなくなって、絶望しました。でも、だからといって俺に戻る場所はないし、卒業したら寮は出て行かなくちゃいけないし、なら何処でも良いから働きに出ないとって、そう思って。それしか道がないと思い込んで。何のために俺、親と喧嘩して勘当されてまでここにいるんだろうって。どうして俺ばっかこんな目に遭わなきゃいけないんだって。他の人は何もしなくたって普通に好きなことできるのにって、いじけて。何もしないままずっと来ちゃって。今更だって解ってるんです。もっと早く気付いてれば、立ち上がってたら、バイトしてお金稼いで、資金貯めて、片岡さんみたいに奨学金借りながら大学行く手だってあたって。三年生になった今更そんなこと言ったって遅いって解ってるんです。でも、今からでもなんとかできないかなって。俺、諦め切れなくて。それで・・・。」

 「なら、東外国語大学(あずまがいこくごだいがく)だな。ここから通えて学費も安い。講義内容も充実してるし、確か現地で働きながら夜間に語学学校に通う自己負担なしの特殊な留学制度があったはずだ。」

 「って、三島さん。何さらっと偏差値七十越えの大学薦めてるんすか。」

 「確かに東外国語大学なら、もし奨学金の申し込みが間に合わなかったり給付型受けられなくても、大学独自の奨学金制度があるから入れればなんとかなるかも。偏差値七十越えは国際社会学部の一部の学科だけで、後はうちの大学とそんなに変わらないよ。」

 「だから、香坂さん達が通ってる大学自体頭良いとこっすから。受験勉強してこなかった奴が三年から頑張ってぽんって入れるようなとこじゃないっす。薦めるならもっと現実的なとこにしないと・・・。」

 「いや、風間の話しを聞いた限り東外国語大学一択だろ。翻訳家になりたくて勉強したいのに、適当なところに入ってどうする。」

 「実際に入学してから勉強についていけるかの問題もあるけど、AO入試って手もあるし。風間君の熱意と努力で入れる可能性だってあるよ。」

 「俺も高三になってから勉強始めて一般入試で大学入った身だし、三年生からやる気出しても遅くないと思うぞ。死にもの狂いで頑張ればなんとかなるんじゃないか?」

 「真田まで。ってか、俺たちの行ってる大学と東外国語大学を一緒にしたらだめっすよ。あー。でも確かに条件だけ見るとそれ以上条件良いとこないかも。決めるのは祐二だしな。祐二はどうしたいっすか?」

 そう片岡に話しを振られて、

 「やりたいことがあるなら死にもの狂いでやってみなよ。」

 「俺、風間君の夢、応援するよ。」

 遙と浩太に背中を押されて、

 「まぁ、実家追い出されたってなんとかなるから気にすんな。俺がなんとかなってる。」

 「耀介(ようすけ)の場合はなんとかなってるんじゃなくて、なんとかしてもらってるっしょ。真田に拾われなかったら行き倒れだったって解ってるっすか?」

 「つまり、なんとかしてもらえるってことだ。面倒くせーことは気にすんな。」

 「お前は少しは気にするっすよ。一人何食わぬ顔で黙々と飯食ってるし、ちゃっかりおかわりしてるし、自由すぎっしょ。」

 そんな藤堂耀介(とうどうようすけ)と片岡のやりとりを見て、風間は笑った。

 「俺、その大学受けようと思います。ダメかもしれないけど、でも、可能性があるなら全力で頑張りたいです。」

 風間のその言葉を聞いて、それぞれが応えるように頷いた。

 「頑張るって決めたなら、全力で突っ走るっすよ。最悪受験失敗してもバイト先紹介してやるからフリーターで生計立てながら就活頑張るなり、浪人するって手もあるっすから。」

 「なに最初から逃げ道作ってやってんの。ここは合格一択でしょ。大学進学できなかったら祐二サクラハイム卒業ね。」

 「いや、祐二に出てかれると同室の俺が困るっす。家賃二倍はきつい。」

 「僕、家庭教師のバイトしてるから多少は勉強見てあげられると思うよ。小論文の添削とか英作文の添削ならいつでもするから、なにかあったら声かけて。こんど良さそうな参考書ないか探しておくね。」

 「面接対策なら付き合ってやる。模擬面接とかやるか?」

 「俺も。何できるか解らないけど、できることあったら言って。協力するから。」

 「浩太は勉強の邪魔にならないようにおとなしくしてたら?余計なことはしないのが一番。」

 「そうだな。俺は勉強見てやれるほどの頭はないし、夜食の提供ぐらいなら。食べたいものがあったら言ってくれ。」

 「まぁ、頑張れ。」

 そんなそれぞれの言葉を受け取って、風間は頑張りますと大きな声で応えた。なんだろう、ほんの数時間前まで憂鬱な気持ちでいっぱいだったのに。今は、暖かいもので胸がいっぱいで、世界が輝いて見える。

 「祐二にもちゃんと夢があったんじゃん。」

 遙の声が聞こえる。

 「何処でも良いから就職したいって言ってた今朝よりずっと、今の方がいい顔してる。俺も応援してあげるから、絶対大学合格しなよ。」

 そう言う遙の顔が優しくて、風間は合格してみせるよと答えた。

 「じゃあわたしも頑張って五号室の入居者見付けないとね。」

 「せっかく大学に合格しても、今年度いっぱいでここがなくなっちゃたら困りますから。よろしくお願いします。」

 元々は自分が高校を卒業するまでの約束で特別に入寮させてもらったこの場所。一時は卒業前に追い出されそうになったこともあったけど、管理人さんが来てくれて、ここをシェアハウスにして続けてくれることになって。ここが継続するためには満たさなきゃいけない条件があるけれど、ここは卒業しても出て行かなくてもいい家になった。ここが俺の居場所。ここから俺は始まるんだ。皆と一緒に、新しい一歩を。風間はそう思って、サクラハイムの仲間に笑顔を向けた。

 「皆さん、本当にありがとうございます。これからもよろしくお願いします。」

 こちらこそよろしくとそれぞれの言葉で返してくる皆の声が聞こえてきて、風間は胸がいっぱいになった。

 「ところで片岡君、バイトの時間大丈夫?」

 そんな和実の言葉に片岡の顔色が変わる。

 「今何時っすか?って、うわ。もうこんな時間。ヤバい、自転車飛ばしても間に合わないかも。」

 焦った様子の片岡に真田が声を掛ける。

 「バイクで良かったら送ってやろうか?」

 「マジで?送ってもらえると本当に助かるっす。ありがとう。本当、頼む。」

 「じゃあ、エンジンかけとくから片岡は支度して来い。」

 そんなやりとりをして慌てて食堂を後にする片岡に風間は声を掛けた。

 「自転車、俺持っていきますよ。ないと帰り大変ですよね。」

 「いいっすよ、もう暗いし危ないから。それに祐二は俺のバイト先知らないっしょ。」

 そう言いながら去って行く片岡を見て少し胸が苦しくなる。自分のせいでバイトに遅れそうになって、帰り遅くなるのに足がないなんて。そう思うと風間は苦しくなった。

 「俺が帰ってきたら一緒に自転車持っていくか。」

 そう言う真田の声が聞こえて顔を上げる。

 「男二人で行くなら、過保護なあいつも文句言わないだろ。」

 そう笑顔を向けられて、風間ははいと言って笑顔を返した。


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