何故?
オリジナルです。
よければ、読んで下さい。
僕は誰なんだろうか。
背中を丸め、折り曲げた膝に頭を乗せて考える。
答えは目の前にあるのに、どういう訳か掴めずにいる。
いや、正確に言うのであれば、手を伸ばせば届く距離にあるはずなのに、体がそれを拒もうとする。
「…何故?」
誰かに問うわけでもないのに口から溢れた言葉は、この狭い部屋に響く。そして、自らの耳にも音として入る。
何故と思ったのは、何故?
自ら発した疑問符は、いつしかこの言葉を理解しようと、ゆっくりと止まっていたはずの思考が動きだす。
考える、という行為から1つの答えが導きだせた。
いや、導かれた。
さっきまで阻害していた何かが今度は逆に、僕の手を引っ張る。
ジャミングがかかった姿の君は、僕の先を歩く。
まるで、あの時の僕のように。
あぁ、そうか。僕は…
一歩踏み出す毎に、記憶が戻ってくる。
「こっちだよ。おいで」
君が笑いながら僕に言う。
笑っているかなんてわからない。でも、僕には君が笑顔を向けて言っているように思える。
君が歩くスピードを上げるから、僕の思考も速まる。
「ここだよ!」
振り返り、満面の笑みを浮かべて僕に終わりを告げる。
君が導いて、僕も導き出せた答え、それは
僕は×××だ。
これが今の僕という存在の答えであり、これが僕だ。