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恋と愛  作者: 明樂
8/11

本当のこと。

あれから2週間後……

学校に行くと色んな人にチラチラ見られた。

「翼っち、昨日のやつみんなに広まったみたい。」

大志がボソッと教えてくれた。


「有紗さんのこと?」


「あぁ、婚約者の方のな。」


「……………でも……」

俺は俯いた。俺が好きなのは……………




「あっ……………」

目の前で聴きなれた声が聞こえた。

慌てて顔をあげると西野さんがいた。


「にし……………」

西野さんは下を向いて通り過ぎてった。


「西野さん……」

嫌われたのだろうか。そりゃそうだよな。

好きだって言ったのに……………。



結局、その日の授業は頭の中に入ってこなかった。

「……………南雲くん。」

放課後、帰ろうとした時に後ろから聴きなれた声が聞こえた。


「……西野さん……!?」

声をかけてきたのは俺の好きな、西野さんだった。


「……私……ね、」

西野さんは顔を赤くしながら話し出した。


「う、うん。」


「来たんだ……………通知……」

そういってポケットから携帯をとりだした。


『18歳おめでとうございます。

早速ですが貴方の婚約者の情報を載せさせていただきます。


南雲翼(なぐもつばさ)1998年8月25日生まれ B型』


と、書かれていた。

「これって……………俺?」

そのに書かれていたのは俺の名前、誕生日、血液型がそのまま書かれていた。


「え、ちょ、待って……」

慌てて自分の方の通知を見返す。


西野有紗(にしのありさ)1998年4月13日生まれ A型』

と書いてあった。


「最初……AB型だったのに……婚約届にも……そうやって……」


「……………これを見た時に、すぐに南雲くんに伝えようと思った。ねぇ、南雲くん。好き。」

西野さんはするりと俺の首に手を伸ばした。

そして優しく抱きしめた。


「……ん……」

西野さんとの2回目のキス。

西野さん……………大好き……、








*****


───西野家


「有紗お嬢様」


「……なに。」


「西野有紗様の方へ、政府から通知が届いたそうです。 」


「あの西野有紗に!?」


「はい。」


「……くそっ……なんで止めなかったのよ! 」


「国での決まりなので。」


「これじゃ……私との結婚がなくなっちゃうじゃない……………やっと見つけたのに……」


「お嬢様、」


「……私は、西野有紗、なの。」


「……………かしこまりました。」

執事は部屋から出ていった。



「私は西野有紗、私は西野有紗、私は西野有紗!!!」




「私は、西野有紗なの……」

翼が大好きな、西野有紗よ……………

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