西野有紗の対面
家に着くと、俺は早く車を降りた。
「有紗さん、ありがとう……」
「いえいえ。ゆっくり休むのよ。」
「あ、う、うん。」
車のドアを閉めようとした時声をかけられた。
「翼!?」
後ろを振り向くと、母さんが立っていた。
「母さん!?」
「この人は!?」
「はじめまして…。私、西野有紗といいます。
国で決められた、翼さんの婚約者です」
「あらまぁ~……(*´ω`*)」
「母さん!?なに微笑んでんの!?」
「そうね、もう翼も18歳だものねぇ〜」
「西野さん、今日ご飯食べてって!」
「は、はぁ……?」
こうして、有紗さんはうちでご飯を食べることになった。
母さんが何をそこまで喜んだのか、気合を入れて作っていることが伝わってきた。
「母さん……こんなに作らなくても……」
テーブルいっぱいにお皿が並んだ。
俺の大好きな肉料理、母さんが好きな野菜系、父さんが好きな魚料理がずらっと並んだ。
「さぁ!どんどん食べて!」
有紗さんは遠慮しながらも食べ始めていた。
俺も、ひどく空腹だったから、食べた。
有紗さんのお迎えは22時に来るそう。
それまでの間、俺ん家にいるそうだ。
「ねぇ、あのさ。」
「ん?」
「……あなたの好きな……西野有紗さんを教えて欲しい……です。」
「え!?西野さんのこと!?」
「えぇ……ちょっと、気になって」
俺は小学校、中学校の卒アルを持ってきた。
「え、これが貴方の好きな西野有紗さん!?」
同姓同名の彼女を見た西野さんの反応は、少し驚いてた……そんな気がする。
「有紗さん……?」
「……………」
「有紗さん!」
「えっ!?あ……私……ぼーっとしてた」
「大丈夫?」
「えぇ、大丈夫よ。」
西野さんを見てから、有紗さんの表情が暗く感じた。
気のせいなら……いいんだけど。