現実
あれからどれくらいキスをしていたんだろう。
キスに夢中になっていて、周りが見えていなかった。
《ピルルルル……》
突然、俺の携帯がなった。
「あっ……これ……」
時間を見ると日付が変わっていた。
「俺……18歳に……」
国からのメールが届いていた。
『南雲翼様、18歳おめでとうございます。
早速ですが翼様のお相手の情報を載せさせていただきます。
西野有紗 1998年 4月13日生れ AB型』
とかいてあった。
「西野……有紗……?」
これはもしかして、運命なのか?
あの、西野さんなのか?
「西野さん通知……きた?」
「私……携帯の充電なくて……電源切ってるからわからないの……ごめんね。」
「あ、いや、大丈夫!ねぇ、これってさ、もしかして……」
携帯の画面を西野さんに見せる。
「これって、運命だよね!?」
「……………」
「西野さん……?」
「南雲翼様、お誕生日おめでとうございます。」
真っ黒いスーツを着た2人組がきた。
「あなた達は……?!」
「翼様の婚約届をお持ちしました。」
渡された婚約届を見てみる。やはり、"西野有紗"と書いてある。
「南雲くん……惜しいね」
「え、?」
「確かに私は西野有紗で1998年4月13日生まれだけど……血液型はA型なの。」
「え……………」
「南雲くん18歳おめでとう。お幸せにねっ……」
西野さんは涙を溜めながら、走っていってしまった。
「西野さん!!」
「翼様、明日またお会いしましょう」
黒スーツを着た人達は帰っていった。
同姓同名……こんなこと、あるんだ。
俺の好きな……西野さんじゃないんだ……