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いなくなったサンタクロース

作者: 水尺 燐

 小さい頃も今も私はサンタクロースを信じています。


 私は小さい頃から泣き虫でよく泣いていました。

 保育園で転んで擦りむいて傷を作ったり、頭にコブなんてしょっちゅうでした。


 ある時、私の父からサンタクロースは泣く人のところには来ないんだよって言われ、次の日から私は少しの事じゃ泣かないように心に決めました。


 それから1週間後、父はいきなり倒れました。


 私はまだ小さく母からその事を聞いて急いで病院に行きました。それから母は私を父のところに置いて少し待っててと言われました。

 母が先生から聞かされたのは、父は肺のガンだそうでもう手遅れの状態でした。

 余命も1ヶ月持つかと重い選択を突き付けられ病院室に戻ってきた母は泣いていました。


 母は私には笑顔でいましたが本当は悲しかったと思います。

 それからは私は親せきの家に預けられ母は父の世話をする毎日でした。


 ある時、父のお見舞いに行くと重い体を起こして私にクリスマスプレゼント何がいいかと訪ねて来ました。

 私も小さかったからなのか、熊の人形と言いました。父は笑顔で、なら、俺からサンタに頼んであげると言いました。

 私はその時の事をよく覚えています。


 時は流れ、余命の1ヶ月は過ぎクリスマスまで生きました。

 外出許可も出て家に帰ることも許されました。母も私も喜びケーキを買って帰りました。


 1日しか居れない父に私は甘えました。

 一緒に色んな事をしていると父はいなくなり、いきなり電気が消えました。

 すると、そこにはサンタクロースに扮した父が居ました。

 私にメリークリスマスっと言ってプレゼントをあげました。

 母は父に私が前々から熊の人形が欲しいと教えてあったらしく、それをつい最近教えてもらいました。

 その時は嬉しく今でもその人形はあります。


 それから2日後に父の容態が急変してその日の夜に亡くなりました。


 それを聞いた私は母に抱きつき泣きました。母も泣いきました。

 その日は暗い食事でいつもと同じはずなのに何かが違いました。

 その日の夜に母と私は寝れずクリスマスの事をお互いに思い出しました。

 そして、お互いに同じことを思っていました。


 父とクリスマスを過ごせたことは、私たちにくれたサンタクロースからのクリスマスプレゼントだと…

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