0:プロローグ
ちょっと修正しました
8月17日_0830時
日本国_南アルプス上空 防衛省_陸上自衛隊___
メインローターがバタバタと叩きつけるような音を轟かせてUH-60JAが1機だけ飛んでいた。
自衛隊独特のカラーリングに日本を表す日の丸が施されたUH-60JAの機内には航空科隊員のパイロット2名と武装をした普通科隊員が5名搭乗している。
『こちらサクラ、貴機は間も無く目標空域に到達する。警戒を厳とせよ』
『マルヒト、了解』
彼らの任務は三日前、基地と基地を夜間移動していた陸自のヘリが突如南アルプス上空で消息を断ったため、それの捜索任務である。
この年、太陽活動が活発になっており異常に増えた黒点から発生した太陽フレアによって強烈な電磁場や放射線が地球に降り注ぎ、日本でも各地で異常が報告されていた。
捜索に態々武装した普通科が搭乗しているのも、レーダーやPCなどの電子機器にトラブルが頻繁に発生し、この機に乗じて某北国のミサイル及びテロ攻撃が加えられるとの未確認情報が飛び交って防衛省が臨戦態勢に入ったのが原因だ。
その矢先に夜間移動中の陸上ヘリが交信途絶、しかも笑えないことに1機だけではなく国内の各地で同じ事例がこの一週間に幾つか報告されていた。
自衛隊では、今回の多発している行方不明事件で色々な噂が存在する。
最もよく聞くのは「異世界、ファンタジー世界に飛ばされた」である。
その為、機内の隊員は殆どが緊張した面持ちをしていた。全員が少し前の噂を聞いて笑っていた己を殴りたい衝動に刈られる。
だが、いまさらどうこう言ったところで現実は変わらないので周囲の捜索を始める。そこで上を見ていた隊員が呟いた。
『妙に空が赤くないか?』
『ああ、気味が悪いな……ん?』
『どうした?』
『いや、気のせいだ。何でもない、捜索を続けよう』
晴天の青空がはっきりとわかるくらいに赤くなった事にパイロットが不思議に思っていると突然無線にノイズが混じりる。しかし一瞬だったので気に止めなかった。
もし、この時点で"予兆"に気がついて引き返していたなら彼らの未来は変わっていたかもしれない。
『目標空域に到達、これより状況開始する。オクレ』
『了解、随時報告は行うように。オワリ』
こうしてヘリがロストした空域を捜索すること数分、いきなり大きな異変が発生する。
ザザァ!ガキィィーー!
『うぐっ!?なんだこのノイズは!?』
『おいおい!?モニターもイカれ、うあっ!?今度はなんだ!?』
あわただしくパイロットが叫ぶなか、次々と異常を知らせるランプとアラームが鳴る。仕舞いにはエンジンのパワーまで低下しはじめた。
隊員達はすぐそばにまで迫った死に全員が顔面蒼白とさせた。
『パワーダウン、パワーダウン!!』
『クソッタレが!上がれ上がれッ!こんな所で墜ちてたまるか!?』
ビィービィーと煩い計器に叫ぶパイロット。普通科隊員は祈る者も居れば家族の写真を大切に抱き締める者も居た。その中の一人がドアの窓から見える更なる異変に気付く。
『オ、オーロラだ!』隊員がそう言った直ぐに強い光が発生する。マグネシウムを燃やした時のような直視出来ない光に隊員達が咄嗟に目をつむる。そのまま隊員達の意識はそこでプツリと途切れた。
光が収まった後、その空域はさっきまで煩い音をたてながら飛んでいたヘリなど無かったかの様に静けさだけが残っていた。
これによって陸上自衛隊隊員7名を乗せたUH-60JAが、新たな行方不明として捜索対象になるのだった。
この自衛隊員の連続消失は、極秘ながらも自衛隊や一部の民間人達に知られる不思議な事件となって語り継がれていくのだった………
夢に見たので新しく衝動書きしてしまいました、長く書くのは難しいですね………
感想随時募集中