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#13 針川聖学習院と疑惑

針川聖学習院。

そのルーツは、はるか昔につくられた学習塾であるらしい。

現在、激化する異能犯罪を抑制するための人材を育成する軍事学校となっているその場所は、“忘却の日(バースデイ)”以前は小、中、高の学校が全て敷地内にあるということ以外特徴のない、ただの新学校だった。


その理事長を務め続けた一族の名を、守威(かみおどし)家という。


そして現在の理事長の名を、守威(かみおどし)礼威(れい)という。


現在、世界で最強とされる能力者である。















■□■□■□■□■□





「さて、遺書でも書くか」


「話が飛躍し過ぎだぜ兄ちゃん!」


「いやいや麻理鐘お前なにもわかっちゃないな。理事長に呼ばれた奴ぁ二度と戻ってこれないって話だぜ?」


「………それはその人たちが理事長を暗殺しようとしたからじゃない?」



そんな残念(バカ)な会話はおいといて。

実際、針川聖学習院の生徒間での理事長の存在とは、恐怖に他ならないのである。

一見、人の良さそうな美しい女性(実年齢は50を超えているという説も)に見える守威(かみおどし)礼威(れい)は、片手ひとつで大地を砕き、その歩いたあとには草も生えないという。

通り名を、「鬼神」。

何年か前にあった何百人というテロリストとによる針川聖学習院襲撃事件では、たったひとりで対処し、終結後、テロリストたちの血の一滴さえも発見されなかったという。

ぶっちゃけ逃げ出したい。

蒼音だけ連れて愛の逃避行と行きたい。


ガタガタと震える銀次。

思えば、発端もいきなりだった。








◇◆◇


「兄ちゃんの担任の坂町先生が、銀髪の女の子探してるって」


「ーーは?」


確かに。

リリアネス・フォン・アルベストールは、銀髪である。

昨夜会ったばかりだし、素性も知らない。

だから、武藤麻理鐘がそういいながら振り返った時、銀次はつい、その銀髪の女の子とは、リリィのことなのではないかと思った。

間違ってない。間違ってはいないのだが、これはタイムリー過ぎる話だと銀次は思った。

本人もきょとんとしていて、なにがなんだかわからないという様子だ。

よりによって武藤家(ウチ)に、なぜこのタイミングで?



「ーーーー坂町、太郎が?」

「うん」

「ーーそりゃまた、なんで?」

「そんなの知らないよ、そこのリリィさんのことなんじゃないの?」


ぐぅ、と銀次は呻く。

訳がわからない、状況がよめないのだが、麻理鐘の言ったことはよくわかった。

だが、坂町はなんと言った?

そこにいるなら(・・・・・・・)?

確証があるわけではないのか?

普段からはっきりとした物言いをするあの男なら、手持ちの情報を隠すような言い方はしないだろう。

念のため、リリィに話を聞いていたが、坂町という人間も守威という人間も知らないという。

ううん、これは一体どういうことだろうか。

銀次がそう思った時、ふと、頭をよぎるものがあった。

そう言えば、昨日から触ってないもの



「ーーーー携帯、」


大事な情報源。

そう言えば昨日、リリィに渡してやったブレザーの上に入れっぱなしだった。

戦闘中は預けていたのでなんとも言えないが、壊れているということもあるかもしれない。

針川聖学習院のバックの組織の系列の特別支給携帯で、情報の漏洩、回線傍受防止、そしてなんといってもその物理的耐久性は従来のものとは比較の対象にもならない。

香月の炎などの超能力、魔術、そして銃器などの科学兵器に耐え抜く超硬度を備えている。

例え銀次が本気を出して殴っても壊せるかはわからないだろう。まあ、それは今それほど大切ではない。


(ーーー何処やったっけ?)


「うーん…………?」


「どうしたの兄ちゃん?」


「いや、携帯どこやったかなって。リリィ知らない?」


「…………そう言えば、昨日バラバラになった硬いものがポケットに入ってたような」


「お前が壊したんか。いやまあいいけどさ」


それでも驚きではある。

香月の炎も、低レベル(と言っても一般的なレベルからみれば高レベルだが)くらいなら耐えることができると言うのに。

というかブレザーを破壊せずに携帯だけを破壊するなんて方が逆に気になる。


「しょうがねえな。麻理鐘、お前のケータイ貸してくれ」


「いいけど、なにするんだ兄ちゃん」


「ん、ちょっとな」


麻理鐘からスマートフォンを受け取り、ネットを開く。うむ、流石針川聖学習院特注のケータイだ。回線が速い速い。話ではWi-Fi使用時の三倍は速いとかっていう話もあったくらいだし。

それとして、しかし、違和感。


「………なあ、麻理鐘。お前もしかして、昨日この辺電波障害とかなかったか?」


「よく知ってるな兄ちゃん。昨日はどうやっても圏外でケータイほとんど使えなかったよ」


(………ビンゴ)


やはりか、と銀次はつぶやいた。

そうか、そうか

予感はあったが、これは良いところをいっているかもしれない。


メールが一通届いている。

差出人ーーー『針川聖学習院緊急連絡』。

その名の通り、最大級の事件事故でないと飛ばされない緊急メール。

原則として、針川聖学習院生徒間、戦闘能力ランク50位までの生徒と、各部隊の隊長、副隊長にしか配信されることは無い。

着信時刻は、昨夜の8:29。丁度櫂渚梁との戦闘中である。


そしてその、文面の内容は。

やはり、というか、なぜだと思うか。

次の通りである。



『針川聖学習院、成績上位者に告ぐ。

至急、現在針川人工浮島で交戦中の武藤銀次第一学年部隊長を援護し、添付した写真の人物を保護せよ』



そして画面をスクロールさせたそこには。


淡い蒼色のドレスを着た、リリアネス・フォン・アルベストールの姿を写した画像が、貼られていた。






すいません、遅くなりまして。


アイ○ルマスターのグルー○ィーチューンが欲しいです。

オススメはミキミキ。

ビバ「マリ○ネットの心」

良い歌です

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