【番外編2】女神、その後を覗く
私は女神メアリーナ。たくさんの世界と国を見守る女神なの。とっても忙しくて大変なのだけどここ数十年はあの子を見て楽しくてあっという間。あ、もちろん私は女神だから1人の人間に肩入れしたりしないのよ。前にやらかした時にビオナ様に叱られてしまったもの。
というわけで今日はメアリーと一緒にリーナじゃなくてリーナが関わった人たちのことを見に来たの。さあ、リーナがつい最近までいた国の様子はどうかしらね。
『あらぁ……?あの子たち』
『まあ、レイジア国の方ですわねメアリーナ様』
『本当だわーあー見てフェリシアだわー!!フェリシアー聞こえるかしらー』
『メアリーナ、聞こえるわよ』
白文鳥神獣のフェリシアは私に遣えてくれてる子。つい最近まで人間と念話することができるほど成長していなかったけど急成長した。
神獣は滅多なことじゃ人間の側にいないけど気に入った子がいたら自由に側にいて良いと決められているの。そして人間と一緒にいれば成長も早まるのよね。
『フェリシア、どうしてその国に?その国にはつい最近までリーナ様がいらしていたのですよ』
『ええ、トラコから聞いて知っているわ。今日は会談というもののために来たのよ』
会談のために来たデルフィンとマークはレゼブレア王国の王宮で国王とライアンと難しい話をした後部屋を移動してグラシアやフェリシア、レゼブレアの方は王妃が合流した。
「ところでつい最近までヤバい女とヤバい男がこの国に滞在していたようですね」
「ヤバい女とヤバい男?」
「デルフィン様っ!!」
リーナとジェイズのことね。デルフィンの言葉にグラシアが慌てて声をあげる。
「それはどういったヤバい女と男なのかな?」
「ヤバい男が好きすぎるチビなのに態度はでかい変態女とヤバい女が好きすぎるイケメンなのに残念な危険な男」
「デルフィン様ったら……」
「プッ……ははは!!」
あーあ。グラシアがため息をついてマークは笑いが止まらなくなってしまったわ。
「ああ、その2人なら知ってるよ。何故か元々両思いだったはずなのについ最近両思いになったといって騒ぎながら国を出立していった」
「まあ!!リーナお姉様良かったですわ!!」
「2人のお陰で不穏分子を捉えることができた。他にも目的があったらしいけど。ライアンは聞いてる?」
「詳しくは聞いてないよ。ヘンリを助けるために来たらしいけど」
「あら、私は良い魔女に会いたかったって言ってもらったわよ?私に会えて感激してたもの。好きな彼をメロメロにするためにこの国の良い魔女に会いに来たのかと思ったくらい」
「あいつらしいな」
「ふふ、リーナお姉様らしいですわね」
「あの2人の知り合いなのかな?」
「ええ、まあ……はい」
「恩人ですわ!!私を助けに来てくださった可愛くてかっこいいヒーローです!!ね、デルフィン様!!」
「あ、はい」
「そっか。2人は次は獣人の国、ベリナーデに向かったよ。国王を救うんだって」
「まあ!!まあ素敵!!リーナお姉様!!」
グラシアが両手を握りしめて感動しているわ。ふふ、グラシアはすっかりリーナの虜ね。
「ところであなたたちは彼らの正体を知っているのかい?」
「……あいつらがいる時はわからなかったけど。ヤメルトの王女ですよね」
「そうだね」
「やっぱり。国王になって他の国のこととか色々勉強するうちにそうかなって。あいつ隠す気なかったし。でもヤメルトは王女が消えても騒ぎになってないんだよな」
「ほう……。ヤメルトは外部に情報を漏らさないのにわかるの?」
「あ、はい。こいつが他の神獣に聞いたんです」
「こいつ?」
「ピピッ」
グラシアの肩に乗っていたフェリシアが鳴く。
「こいつ神獣なんです」
「へえ……話には聞いたことがあるけど神獣が側にいる人に会ったのは初めてだよ」
「俺も未だになんでこいつに気に入られてるのかわからないっす……痛っ!!いたた!!止めろよ!!」
「ピピッ!!ピーピッ」
あらあらーふふふ。フェリシアったら拗ねちゃって撫でてくれるグラシアの手にスリスリしてるわ。仲良しね。
「ったく……。とにかくこいつがヤメルトにいる神獣に聞いたんですけどヤメルトは大きな動きはないしあいつを探そうとかもしてないそうです。でもやっぱあいつがふらふらしてるのは秘密にしないといけないことなんですよね?」
「そうだね。だけど本当にあの2人隠す気なくない?」
「ですよね」
「ジェイズは正体を知った俺を殺そうとしてきたけど本気ではなかったし」
「殺そうとって!!やっぱ相変わらず物騒だな!!」
「でも彼、殺ろうと思ったら相手が気付く前に殺っちゃうでしょ。本気ではないんだよね。危険だけど」
「危険っすよね」
「むやみやたらに言いふらすつもりはないけど口封じしないんだよね。彼女の本来の姿を知られたくないっていう嫉妬だけで殺そうとしていると言っても良いくらい」
「うんうん」
「ということは彼女の正体は別に知られても良いけど私たちは神の末裔を陰ながら人知れず守れってことなのかな」
「守るっていっても何をしたら良いのか。ヤメルトとしては外の介入は望んでないみたいだし」
「あの……デルフィン様」
「え、なんですかグラシア様」
「私とても良いことを思い付いたのですが……」
「良いこと?」
「はい!!リーナお姉様の信者を集めるというのはいかがでしょうか⁉」
「しん……じゃ?」
「はい!!リーナお姉様は神の末裔ですよね?ということは崇める存在です。リーナお姉様を崇めてリーナお姉様の旅のご無事を祈れば祈りがリーナお姉様の力になるのでは?神の末裔ですし!!信仰心が!!」
「んー?そんなこと……あります?」
『ねえメアリーナ、そんなことあるのかしら?』
『んーないけれどー面白そうだから良いと思うわー。もしかするとその信仰心で高まってきている神力がもっと上がるかもー』
フェリシアに尋ねられた私はそう答えた。
「ピピッ」
「……へぇ。……えっと、もしかしたらあいつの力になる……かも?」
「ですよね!!私たくさん祈りますわ!!」
「それならこの国で彼女の信者になりそうな人がいるよ。従妹のベルという子とか」
「まあ!!そうなのですか⁉ぜひお会いしたいですわ!!」
そんなこんなでグラシアはベルやティティ、リオナとリーナを崇め奉る倶楽部を設立したみたい。デルフィンやヘンリがちょっと引いているけれどそれをきっかけに両国が頻繁に交流するようになったわ。ふふふ、崇められるのが苦手なリーナは驚いちゃうわね。
「シアちゃん!!お国に戻ってもベルと仲良くしてほしいの!!」
「もちろんですわベル様!!」
「お手紙書くの!!お元気なのって!!」




