王女、永遠を誓う
「総評はー今回もリーナは未来を変えすぎなのー。未来を変えてほしい旅だけどーやりすぎなのー」
「そんなわけないわよ。というか未来は何通りもあるんでしょ?私のせいじゃないじゃない」
ブッブー
「リーナの言動はねーこう、ぎゅわんって感じなのよー」
ぎゅわんって……。
「未来は何通りもあるって言ってもねちょっと道順が違うだけのことがほとんどなのよー。ベルちゃんがお転婆な幼少期を過ごして色んな経験をしたとしても最終的には王弟妃として社交界の華になるはずだったのにーリーナとジェイズのせいで最終的には王弟妃で社交界には年に1回くらいしかでない冒険者になるのよー」
「冒険者に!!すごいわねー!!」
「王弟も一緒に夫婦で冒険者よー」
「まあ、私と一緒ね」
ベルが冒険者かぁ。いつか他の国で会えたりするかしら。
「ティティも夫婦で冒険者を始めて今後何度も貴女たちと再会することになるわ」
「まあ。あの変態王子が冒険者に?」
「商業ギルドにも入ってアイテムを売りながらね」
「ま、まさか変態アイテムを?」
「そうよー」
「ヤバい」
変態が変態アイテムを売り歩いてる?良いの?良いのかしら?
「というわけでリーナは今回大陸中に変態アイテムを流通させたという大きく未来に変化させましたー」
「なんか嫌ー!!もっと違うのあるでしょ」
「ベルちゃん?」
「そうそう!!」
「でも変態アイテムの方が強いわよ?大陸中よ」
「う……なんてこと。あの変態王子……」
「王子様凄く商売の才能があったのねー」
「はわわぁ……メアリーナー見てー時間よー」
トラコが泣き虫女神が持っている時計を見てあわあわする。
「はわわぁ……たいへーん。というわけで次は獣人の国よ」
「でしょうね。獣人の国に向かってるんだから」
「指令はこうなのー。獣人の国でヒロインのバッドエンドを防ぐことー」
「バッドエンド……」
獣人の国を舞台にした乙女ゲームのシナリオはこうだ。直前に国王が呪いで亡くなり安定しない国が舞台。国王亡き後国王の弟と息子が争っているという状況だ。ゲームの途中で王弟が国王を殺したことが判明して王弟の首を討ち取り王子が王座に就く。メインストーリーはヒロインが王子と恋人になって王子を支えるルート。他には王子と一緒に王弟を討ち取るために戦う騎士団のメンバーが攻略対象者だ。王子は騎士団の団長でもあるからこのゲームは騎士団が中心。ヒロインも女性騎士だ。
ヒロインは責任感はあるけどドジで失敗ばかり。でも持ち前の明るさで攻略対象者たちを鼓舞して神聖力も使えるからゲームの中で神聖力と剣の技を鍛え騎士団の中でも主力としてなって戦っていく。ハッピーエンドと友情エンドでは起きないバッドエンドだけで起きるのは騎士団の全滅だ。
「何もしないとバッドエンドの未来が待ってるのよー。バッドエンドは古に封印された邪蛇王の復活ー。大陸が大変なことになっちゃうわー……」
「それは大変だわ!!ジェイズがぶった切れるけど!!」
「王弟が復活させるんだけど王弟はすぐ邪蛇王に食べられちゃうのよー。というわけでバッドエンドでヒロインも騎士団も全滅になることを防いでちょうだいー」
泣き虫女神がそう言うと私の頭に未来視が見える。
大きな蛇が倒れていてその前で獣人の王子とヒロインがキスをしている。
なるほどなるほど。ヒロインと王子をくっつけて邪蛇王を倒せば良いのね。
「オッケーよ!!任せてちょうだい!!」
「はわわぁ……大丈夫かしらー。あ、そうだわーちなみに邪蛇王を復活させてから倒さないと国王は目覚めないしリーナの呪いも解けないからー。あ、大変だわ!!もう時間だわー!!遊ぶ時間がなくなっちゃう!!じゃあねー!!」
「え、私の呪いがなんで邪蛇王と関係が?」
って、聞いてる間に神界から戻ってきた。もう、どう言うことかしら。
「ん……リーナ様……?」
「ジェイズ!!起こしてしまったわね」
大変。一緒に寝ていたジェイズが起きちゃったわ。
「いえ。新しい指令はどうでしたか?」
「それがね、獣人の国でヒロインがバッドエンドにならないようにするのが次の指令なのよ」
「バッドエンドですか?」
私は獣人の国の乙女ゲームのシナリオと邪蛇王を復活させてから倒さないと国王と私の呪いが解けないらしいことを話した。
「邪蛇王ですか」
「ええ。何でかしらね」
「それは悪い魔女の薬、呪いを解く薬の材料だからですね」
「ええ⁉そんなこの世に1体しかいない存在がないと解けない呪いなわけ⁉」
「正確には邪な存在が材料の1つなので。邪蛇王でも邪竜でも邪魔神でも良いのでどれかが必要だそうです。だから獣人の国に封印されている邪蛇王は元々倒すつもりでしたよ」
ええ⁉そんなさらっと?というか王弟が復活させなくてもジェイズが復活させようとしていたのね。
「封印は獣人国の王族の血が必要らしいです。でもご安心ください。すぐに倒すので問題ありません」
「そう……。あら?ちょっと待って?なんで邪な存在が必要だなんてジェイズが知ってるの?まさかあの悪い魔女がジェイズと2人きりで話したんじゃ」
「いえ、リーナ様もいましたしみんな側にいましたよ」
「え?」
そこで今日悪い魔女と合流したときのことを思い出す。
「そういえば悪い魔女が古代語だとかで話してたわね」
「ええ、その時です」
「聞き取れない言葉で話さないでって言った時ね!!」
「ええ。その後お互いしかわからない言葉で愛を伝えることになった」
「そうだったわね!!月が綺麗ですねにしましょうって話したんだったわ!!まだ月は出てるかしら」
「出ていますね、ほら」
「本当ね!!」
「月が綺麗ですね」
「ずっと一緒に月を見てくれますか?……死んでもいいわって返しもあるけど「ぐはっ」駄目ね駄目!!死なないわ!!」
「ええ、ずっと一緒に月を見ましょう」
「そうねそうね!!」
そう綺麗な三日月を見ながら永遠を誓った。頭に満月をバックに雄叫びを上げる狼に乗ったジェイズの格好いい姿が浮かんだ。




