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王女、甘々を期待する


「すみませんでした!!」

「あ、あのヘンリ様……そこまでなさらなくても……」

「いや、どう見てもそんなわけにはいかないからっ」


 あれから3日後、ヘンリが目を覚ました。色々混ざった媚薬は毒になっていて悪い魔女に解析させようやく今日目を覚ました。


 悪い魔女は薬を作るとまた後でねと言って姿を消した。悪い魔女はこの国で討伐対象だから王族関係者に姿を見られるわけにはいかないのだと。


 ヘンリは最初王宮の部屋に運ばれたけどその後公爵邸の自室へ移った。


 3日間リオナはヘンリを心配して食事もあまり取らず寝ずの看病をしていた。目の下には濃いクマがあり目は充血して腫れていた。自分が目を覚まし号泣するリオナに驚いてあわてふためくヘンリ。完璧メイドリーナの私がパッとその場を取り持ってリオナの身仕度を整えさせ、そして今だ。


 王宮から国王と王妃こと良い魔女のお色気お姉さん、ライアンとティティ、フレディとベルが公爵邸に集まってヘンリがリオナに向かって土下座をしている状況。未来視で見た光景ね。でも足りないわ。その足りないライアンを見ると――――。


「ねえティティ!!兄上と母上がホールでの僕を見て僕がしっかりした王族だといろんな人が思っている間に辺境へ行っておけだなんて言うんだよ!!あの場で騎士団に指示している姿を見てもうすっかり元気だから公務ができるって大臣たちがさ。でもすっかり元気に公務をすると変態がバレるからバレないうちに王都から離れた方が良いって」

「ライアン様……今その話している状況ですか?」


 どこでもいつでもゴーイングマイウェイねこの王子。呆れているティティと今もなお土下座をしているヘンリを交互に見たライアンは何を思ったのかティティに向かって土下座をした。そう、これよ。これが未来視で見た光景ね。


「そうだティティ!!母上が言ってたよ。ティティがちゃんと危険なホールから離れて王族としての役割を自覚している僕を褒めてくれてたって」

「それ嬉しいですか……?失礼では?」

「ゴホン、ティティ。君のこの変態愚弟に対する全ての言動は全て肯定されるとライアン取り扱い法に定められている」


 なにかしらその法律。私もジェイズに関する法律とか作っちゃおうかしら。


「ティティ!!ご褒美にこのまま僕を踏みつけて罵ってくれ!!」

「嫌です」

「お願い!!誕生日のお祝いってことで!!」

「嫌ですよそんなお祝い。ちゃんとプレゼントは用意しているんですから」

「え!!プレゼント⁉いや、でも受け取っちゃうとな……」

「このライアンのティティが好きなのにお祝いされたくないって心情はなんなのかしらね。変態だから自分を追いこんでるのかしら、ねえジェイズ」


 私はジェイズに問いかける。3日前に見たドSジェイズはとても良かった。


「リーナ様は知らなくて良いのですよ」

「まあ、ジェイズにはわかるの?」

「だいたいは」


 さすがスーパーハイスペックイケメンね。エスパーかしら。スーパーハイスペックエスパーイケメンね。


「はあ……ライアン様が私のためにそうしてくれているのだとは薄々気付いていましたが。ライアン様は私の幼い時に伝えた言葉を守ってくださっているのですよね?貴方の騎士になりますと。私が貴方は私の護衛対象だと言ったから婚約者になりたくないと仰っていたのですよね」

「な、なりたくないとは言ってないよ!!ただかっこいいティティに守られてぬくぬくしてたいというかなんというか……」

「守られたいのに踏まれたいとかどうなっているのかしら」

『はわわぁ……リーナと似たようなものよー』


 ブローチになって私の胸元にいるトラコが言う。ふんだ。私のジェイズに色目を使いまくりなトラコのことなんて無視よ無視。


「そうですか。変態な貴方が嫌がるかと思ってなってきましたよ婚約者」

「へ?」

「婚約者です」

「そうそう。言ってなかったけど婚約してるよ。私と母上がちゃんと書類にサインして教会に届けておいた」

「あ、兄上⁉え、え!!婚約者⁉僕が?ティティの?」

「そうですよ。ライアン様はこれからは私の婚約者、そして私の夫。それがライアン様の役割です。私のことを好いてくださるのでしたらこの役割も全うしてくれますよね?そして婚約指輪も用意してきました。これが誕生日プレゼントです」

「えー!!かっこいい!!どうしよう!!兄上⁉あ、どうしようディ!!」


 立ち上がってフレディに駆け寄ろうとしたライアンだったけどフレディが引き止める。


「ベルがいるんだ。こっちに来るな変態クズ兄」

「ライアンお兄様!!ご婚約おめでとうなの!!嬉しくないなの?」

「う、嬉しいけど……!!」


 変態心は複雑なのね。と、完全に変態の勢いに呑まれていたけれどヘンリとリオナはと思って目を向ける。ヘンリは土下座を止めていて頬を赤く染めたリオナの髪を優しく撫でているところだった。甘いわ。甘い雰囲気。


 私だって、私だってジェイズと甘々になる!!だってこの後ついに私の本当の姿がわかるんだもの!!惚れてくれるに違いない!!そうよねトラコちゃん!!


『はわわぁ……無視は止めたのぉ?』

『そうよ!!私は心が広いもの!!』

『もぉー……。あら?』

『何よトラコちゃん』

『はわわぁ……ふふふー何でもないわぁ』

『何よ隠し事?私はトラコちゃんに隠し事できないのにずるいわ!!』


 硬いブローチだから曲げようとしても曲がらないけどブローチを胸元から外してぐいぐいっとしてみる。


『はわわぁ!!くすぐったいから止めてー』

『じゃあ何があら?だったのか教えなさい』

『もぉ仕方ないわねぇー……メアリーナが未来視を教えてくれたのよー』

『泣き虫女神が?どんな未来視?』

『秘密よー』

『なんでよ』

『秘密ー。でもとっても良いことよぉリーナにとってねー』

『私にとって良いこと?』

『そうよー。この後すぐにわかるからー』

『んん?まあそれなら良いけど』



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