王女、幸せに浸る
ホールに向かっている最中逃げてくる人の波に流されそうになった私は全然進めないことに苛立ってトラコを召喚した。
ブローチになっていたトラコは嫌がったけどブローチを床に叩きつけるわよって言ったら変化を解いた。カヤに驚かれたけどガレンに犬だと言われて不思議そうにしながら納得したカヤ。
とにかく虎に驚いて人の波がざわめく中ガレンが外に出る出口を案内したりしていた。私はトラコに乗りながら文句たらたらなトラコの話を話半分に聞いていたのだけど煩いのなんの。
あんなに大勢の前で変化を解いちゃったじゃないとかみんな騒ぎでブローチが虎に変化なんて気付いてないわよとか。人の波に沿って逃げたいと騒ぐからペシペシ叩きながら進ませたりしているとホールにたどり着いた。
ホールで倒れていたヘンリを運ぶついでにトラコを厄介払いした私は神聖力で創った矢を放ち狂暴化した獣の狂暴化を解いていく。
レイジア国では生徒たちも狂暴化してしまったと聞いていたけど今回はそれはなさそう。よしよし、この調子で制圧できそうだわ。と思っていたけれどあら?
「ティティ、マリアローゼは?」
「ライアン様が指示した騎士団が取り押さえてるはず……」
そう言いながらホールを見渡していたティティと私は誰かの叫び声を聞く。
「な、なんだ⁉」
「あれは……」
植物が徐々に大きくなって口が現れた。
「食虫植物⁉」
「ふふ、ふふふふふ!!私は魔女マリアローゼ!!こんな可愛い植物も作れる天才魔女なのよ!!ティティ!!」
マリアローゼは自分で食虫植物を生み出す悪い魔女の薬を作ったみたいね。全然可愛くないわ。左右で青と赤の色をした顔に鋭い歯を持つ口がとてもグロテスク。
マリアローゼはグロテスク食虫植物をティティに差し向けたけどさすがティティ。一瞬でグロテスク食虫植物、略してグロ植を斬り倒した。
「なッ⁉」
「まあ」
なんとグロ植が増殖した。ミニグロ植が10、20、とどんどん増えていく。
「あらまあ。あっという間に数えられないくらいに……」
あっという間に数えられないくらい増えていくミニグロ植にどうしようかしらと思っていると目の前に光の線が走りミニグロ植が光って次々と消滅していく。こんなことができるのは――――。
「リーナ様!!」
「ジェイズ!!」
そう、スーパーハイスペックイケメンの私のジェイズだけ!!
ジェイズに抱き上げられた私はお子様抱っこの体勢でジェイズの首に腕を回して抱き締める。
「ミニグロ植が瞬殺だったわ!!凄いわジェイズ!!さすがね!!かっこいい!!好き!!」
「私もお慕いしています。ですがリーナ様」
「はにゃ?」
ジェイズに今度はトラコに乗せられた。
「あっトラコちゃん!!ジェイズに抱きついたりしてないでしょうね!!」
私はトラコの首にしがみつく。
『はわわぁ!!したわよー!!したに決まってるわよ!!』
「なんですってー⁉ジェイズに色目使わないでって言ってるのにー!!」
「リーナ様。なぜトラコ様から離れてしまったのですか」
「う⁉ジェイズに責められてる⁉ドキドキ!!」
「はあ……」
ジェイズに責められてドキドキするなんて変態ライアンが移ってしまったのかしら。
『はわわぁ……元からよー』
「なんですって!!トラコちゃん、私は変態じゃ……いや、でもドSのジェイズって良いわね」
『リーナったらー……』
ドSジェイズに思いっきり責められてるところを想像している間にホールではフレディとラルフがマリアローゼを捕らえていて私が妄想に身を捩らせている間にトラコに運ばれていつの間にかベッドの中で夢でジェイズに手錠をかけられて罵られるという幸せな夢を見ていた。




