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護衛騎士は再び嘆く(sideジェイズ)


 ああ、なんで俺はこんな所にいるんだ。俺はリーナ様のお側にいないといけないのに。


「おい、その不機嫌オーラをしまえ」

「僕はわかるよ!!僕もティティと離れた作戦なんて嫌だったよ!!今頃僕はティティに守ってもらいながらティティに誕生日をお祝いしてもらっていたはずなのになー」

「何を言っているんでしょう。今まさにそのティティ嬢に守られているのが変態であなたは影武者なのに。裏切りです、裏切り。あの変態王子は裏切り者です」

「全くだ。俺だっておっさん捕まえるよりベルを守っていたかったわ。あのクズ変態卑怯者。……お前普通にしてて良いぞあの変態じゃないんだから」

「……承知いたしました殿下」


 はあ……リーナ様とまたしても別行動になった俺はセイガン侯爵を捕らえるために侯爵が根城にしている酒場の前にいる。ここにいるのは俺とフレディとライアンのはずだったけどライアンの影武者をしているラルフの3人だけ。


 ラルフはさっきまでのポヤポヤした変態顔から無表情になる。


「フレディ殿下。ライアン様から言付けが」

「はあ……。聞かなくてもわかるがまあ聞こう」

「では申し上げます」


 次の瞬間ラルフはライアンの表情に切り替えて喋り出す。


「ごめんよ!!だってあのティティが僕のお祝いをしてくれるんだよ!!今まではなんだかんだ理由があって直接目と目を合わせてお祝いを言ってもらったことがなかったのに!!しかも学生服だって。学ラン!!絶対自分の目でお祝いを聞いてティティに守ってもらいたいんだ!!……だそうです」

「なんだかんだ理由ってあの変態が変な理由をつけて断ってただけだろうに。アホなのか?いや、アホだった。……アホらし。さっさと捕まえて次のベルのとこに急ごうぜ」

「ここが終わったら会場に向かってもよろしいでしょうか?」

「良いのか世界一のスーパーハイスペック君が仕事を途中で放り投げて。可愛いお姫様に軽蔑されるんじゃないか?」

「……」

「良いのかねー。少数精鋭でアジトを落としたいって話した時お姫様が言ってたよな。それなら世界一スーパーハイスペックなジェイズが適任だわって」

「……」


 セイガン侯爵が他国と共謀してマールスに攻め入るためこの国の機密情報を漏洩した。そもそもがマールスを支援するこの国の方針に納得がいかず支配するべきと謀反を起こしマールスを侵略しようとしていたそうだ。


 謀反の鍵を握っていたのがセイガン侯爵の娘マリアローゼだった。既に亡くなっているマリアローゼの母親の実家に隠れ悪い魔女がいてマリアローゼも悪い魔女だった。悪い魔女は欲望に忠実。マリアローゼもライアンのことしか見えていない。セイガン侯爵はマリアローゼを利用して王族を陥れ王位を手に入れようという愚かな考えを持っていた。


 事前にそれを知った国王たちはセイガン侯爵を泳がせるためライアンの誕生パーティを開催することにした。そこで起きるシナリオはこうだ。


 マリアローゼは媚薬をライアンに飲ませ自分に惚れさせるが媚薬は不完全。失敗した時の次点の作戦として用意した薬で自分はティティと入れ替わる。そして狂暴化した獣をホールに呼び込み混乱に乗じてライアンと国外に逃亡する。そんな馬鹿馬鹿しい作戦らしい。一方セイガン侯爵は王族を全員殺そうとしていて王族の血を引くアランデア公爵家のヘンリとベルも狙われていたためアランデア公爵家には良い魔女が待機している。


 いくらうまく行くとは思えない拙い作戦でも悪い魔女の薬は失敗しても厄介。いや、意図していない効果の薬の方が厄介。そこでライアンではなく影武者がその場にいてマリアローゼがどこで薬を飲み物に入れるかわからなかったため給仕係にガレンを配置し事前に混入していた場合は事前にすり替える、ということになった。


 しかし狂暴化した獣がいるなら戦いたいとリーナ様がガレンと給仕係に扮することになった。……自由か。俺はリーナ様に振り回されるのは嫌いではない。だがしかし、リーナ様のお側にいられることが前提だ。前回も今回もリーナ様は俺と離れて行動したがる。いや、わかる。俺がいたらリーナ様に戦わせないからだろう。リーナ様は自称戦姫として戦いたいらしい。勇ましいリーナ様も大変可愛らしい。


 あれはリーナ様がまだ10代前半の頃、弓矢を使い始めたばかりで――――。


 そうリーナ様の小さい頃の可愛らしい姿を思い返していたら酒場にいた者たちを全員捕らえアランデア公爵家に着き、襲撃されていると思われた公爵家では良い魔女がベルとかくれんぼをして遊んでいた。何故。



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