王女、断固阻止する
「悪い魔女はこの国の貴族なのかしら」
「いえ、悪い魔女はいくつもの国を渡り歩き今はこの国にいるようです。その悪い魔女は数十年もあらゆる国で暗躍しているようです。しかしどのような容姿をしているかはわかりません。姿を変えられるといわれていてある時は老婆、またある時は幼子だったとも。それに動物になったりという噂もありますね」
うーん、そんな存在乙女ゲームに出てなかったと思うけど。あら?でも変化って。
『トラコちゃん、神獣の固有の力って人間に使わせることができるのよね?』
『はわわぁ……そうねー。でも私の変化は難しいわよー』
『そうよね。変化ができるならボンキュッボンの美女に変身するもの。でもただの人間……じゃなくて悪い魔女だからって変化ができるかしら』
『どうかしらー。でもとにかく神獣は関係ないと思うのー』
神獣じゃなければやっぱり悪い魔女なら変化する薬でも作れるのかしらね。どんな姿にも変化できるならやっぱり美魔女……とそこで私は乙女ゲームの裏話を思い出す。この年代よりずっと昔の時代を舞台にした乙女ゲームの中のモブに年齢不詳の美女がいた。ヒロインたちが買い物デートをする際のお店で店員をしていたモブ。
何故かモブを思い出した私の頭にそのモブがどこかの街でジェイズに言い寄ろうとしている姿が頭に浮かぶ。
「ぎゃー!!駄目!!絶対!!」
「リーナ様!?」
私のジェイズに言い寄るなんて断固阻止しなければ!!
「悪い魔女、覚悟しなさい!!ジェイズは渡さないんだから!!あんたの顔はばっちり見えたから絶対捕まえてみせる!!」
「凄い!!悪い魔女がわかったのですね!!さすが王女殿下」
「ふふん。私に任せなさい!!」
そう私が意気込んでいるとティティとカヤがやって来て同時にヘンリとベルも合流した。
ヘンリたちにガレンの正体を話すと当然みんな驚く。その中でもカヤが呆然とする。
「ガレンさんが獣人……」
「ベル、獣人初めて見るー!!」
「こらベル、近寄らない。それにしても密偵だなんて。あっさり正体を明かすってことはうちの国に攻めてくるわけではないんだよね?」
ガレンに突進しようとする勢いのベルを捕まえてヘンリが尋ねる。
「もちろんです。内密にこの国の国王へ許可を得て潜入しています。詳しくは明かせませんがとある悪い魔女を捕らえるためにこの国を調べています」
国王が倒れているなどと他国の普通の人間にペラペラ話すわけにはいかないからガレンはそう話す。
「私たちが捕まえようとしていたマリアローゼはガレンが追っている悪い魔女が利用している駒だそうよ。で、簡単には駒を手放さないだろうから先にそっちを捕まえないといけないの。というわけで、海の近くにある市場がどこにあるか教えてちょうだい」
私は先程見た未来視の背景を思い返す。
「海か。海沿いの街は3ヶ所あるよ」
ここは乙女ゲームの世界。ヒロインにゆかりのある場所で何か起きそうな気がする。というわけでカヤに関係する場所を聞いてみる。
「そういうことならうちの辺境伯領の隣にある街だね。カヤの家族は商人としてこの辺りで商売をしているんだ」
「あ、それなら私案内しますよ!!任せてください!!」
「あらそう?じゃあ「ちょっと待ってください」まあジェイズ、どうしたの?」
「まさかリーナ様、行かれるのですか?」
「そうよ。捕まえなくちゃ」
「私が行ってきますのでリーナ様は」
「駄目!!絶対!!」
ジェイズと接触するのを阻止しないといけないんだから!!ということだからお色気美女を捕まえに行くわよ。レッツゴー!!




