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護衛騎士は知りたい(sideジェイズ)


 リーナ様の全てを知りたい。リーナ様の口からリーナ様のことを知りたい。ああ、なのになぜ俺はリーナ様の秘密を暴くようなことをしてしまうのか。


『先生、いつかウザがられるんじゃね?』


 以前デルフィンに言われたことがある。リーナ様にウザいと言われたら……死ぬ。生きていけない。だからリーナ様には知られないようにリーナ様のことを知らなければ。


 トラコ様が協力してくださるおかげで俺はレイジア国にいるデルフィンとマークと頻繁にやり取りをしている。厳密にいえばマークに情報提供を依頼しデルフィンがフェリシアを通じて連絡をくれるついでに嫌みを一言二言言ってくる。


 マークには大祖父の手記に記されていたという身長が止まった人とワショク、テンセイというものの調査をさせている。残念ながら止まった身長を伸ばす方法は見つかっていないがテンセイというのはわかった。


 なんでもこの世界では数百年に一度テンセイシャが現れるのだそうだ。それは世界の危機であったり神様の気まぐれだったり理由は様々だと云われていて異世界で亡くなった者が記憶を保持したままこの世界で新たに生まれ変わる。マークが調べたところテンセイシャの多くは何らかの使命を果たそうとしていたりワショクが恋しいワショクが食べたいと言っていたらしい。


 リーナ様も女神メアリーナ様からの指令を受けていてワショクを望んでいる。リーナ様もテンセイシャなのだろうか。リーナ様の前世の名前は何だろう。姿は?顔は今と同じなのだろうか。前世でも王女様だったのだろうか。恋人は?結婚なんてしてないよな?


 ……ああ、知りたい。リーナ様のことは何でも知りたい。前世のことも全て知りたい。リーナ様はなぜ俺に教えてくださらないのだろう。


「それじゃあジェイズ、次はこれについて」

「……」

「ジェイズ?」

「ああ、はい。次はこちらの報告ですね」

「うん、お願いね」


 俺はアランデア公爵家で嫡男ヘンリの側付きをしている。アランデア公爵家は歴史ある由緒正しい名門だがそれだけではない。悪しき貴族を法の元に裁く表向きの役割と法で裁けない悪者を秘密裏に消す役割をしている。俺は公爵から仕事の一部を任されているヘンリの仕事を手伝っている。


「彼を闇オークション会場で見つけました。ただ、いるだけなのでこのままでは捕らえられません。関与している証拠を掴むまではまだ泳がせましょう」

「そう、わかった。それで、何か悩み事なの?」

「……ええ、まあ」

「リーナのこと?」

「はい」


 仕方ないこととはいえヘンリたちがリーナ様を呼び捨てすることにはモヤモヤする。だけど俺もリーナ様を呼び捨てしている。義兄妹という設定だからだ。とても畏れ多い。


「君たちは何も問題なさそうだけど何を悩むことがあるの?義兄妹でも障害はないんだろう?」

「ええ、まあ。……ヘンリ様は婚約者のことを全て知りたいと思いますか?」

「え?うーん……思わないかな」

「なぜですか?好きなら全部知りたくないですか?」

「いや、僕たちは政略結婚だし。といってもお互いリスペクトしていて大切に思ってるけどね。いや、リオナは僕よりベルのことの方が大切かな。本当の姉妹みたいに昔から仲良いから。僕に文句がある時なんか2人でがーっと責め立ててくるんだ。怖いよ」


 ヘンリは書類を纏めながら呆れたように言う。


「好きだとか愛だとかそういうのはわからないから相手のことを全て知りたいって気持ちも僕にはわからない。それを重いとかヤバイやつだって思ったりするらしいけど……君たちはお互い様でしょ。リーナもだいぶ思考が駄々漏れで変態だ。とてもベルの教育に悪い……」

「愛らしいです」

「はいはい。だから君がどんなに重いやつでもリーナは普通に受け入れるよ。素直に教えてって言ったら良いんじゃない?」

「変態だと思われて嫌われたらと……」

「リーナがド変態なのに嫌うわけないじゃない」

「……そうでしょうか」

「うん」


 そうか。リーナ様は嫌わないか。それなら聞いてみよう。


 

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