王女、魅力的な話に興味津々
思わず叫んだ私に小さな令嬢たちの視線が集まる。
「あらまあ、私としたことが。おほほほほ」
不思議そうに見つめられた私は持っていたお盆で口を隠す。メイドっぽいわね。メイドリーナ。
『はわわわぁ。メイドはそんなことしないわよー』
『わからないじゃない』
そんな話をしているとベルにウィンクされた。あらまあ、可愛らしいわ。私もお返しよ。
「ユラ様、良い魔女の会合のお話、ぜひお伺いしたいですわ」
ベルがそう言うとユラ侯爵令嬢は指をもじもじさせながら喋る。
「私のお母様の妹の子供……が良い魔女なので、良い魔女の会合に参加をしているのです。私は付き添いで何度か」
「そうなのですね。魔女の会合というのはやはり具体的に何をされているかはお話できないのですよね?」
「いえ……むしろ良い魔女の皆さんは色んな人に知ってもらいたい、みたいです」
「まあ。ではどのようなことをされているのでしょうか?皆さんも気になりますよね?」
「そうですわね」
「私も、身近に良い魔女はおりませんから気になりますよわ」
「会合と言っても……普段良い魔女がそれぞれ行っているものの発表というようなものです。この前は男性が好む香りの香水、とか」
「なんですって!?」
再び思わず叫んだ私に小さな令嬢たちの視線が集まる。
「あらまあ、私としたことが。おほほほほ」
「……後は男性が思わずキスしたくなるような魅惑的なリップグロス、とか」
「魅惑的!!」
またしても思わず叫んだ私に小さな令嬢たちの視線が集まる。
「付き添いは誰でも行けるのかしら!!」
と、私が言うとベルがにこりと笑ってユラに尋ねる。
「ユラ様、付き添いはどなたでも可能なのですか?」
「えっと、血縁がある方でもそうでなくても女性でも男性でも、一応大丈夫です。でも、条件があります。テストがあります」
「テスト!?条件とは!?」
「ユラ様、条件とはどのようなものですの?」
「はい、条件は探究心……ですわ」
「探究心!!探究心をテストってどうやって!?」
「ユラ様、条件は探究心なのですわね。探究心があるかをどのようにテストするのでしょう」
「えっと、これです」
トラコがなんだか前にもこんなことがあったわぁと言っているけれどスルーしているとユラがテーブルの上に手首を乗せた。
「これは……良い魔女が作った探究心をテストするブレスレット、です」
「まあ!!面白そうね!!」
「ユラ様、どのようにしてテストするのですか?」
「えっと、ただ手首に着けるだけです。外すとこう、黒色になります。……何でも良いので探究心がある人がこうやって手首に着けると赤色のブレスレットになります」
「すごいわね!!」
私は興奮してテーブルに駆け寄る。
「えと、あの、先ほどから貴女は……?」
「私は訳ありのリーナと申します。訳あって身分を明かせません」
「はあ……?」
「この子は当家でメイドをしているリーナですの」
「私たちと同い年くらいでしょうか?」
良い魔女会合の話は聞いていた伯爵令嬢の1人がベルに聞く。私はふふんと胸を張る。
「小さな子たち、私がいくつに見えるかしら」
「「10歳」」
伯爵令嬢2人が同時に言う。
「ふふん。良いこと?レディには秘密が付きものなのよ」
「「なぜ?」」
「秘密がレディをより魅力的にするの」
「「へー」」
ふふふん。伯爵令嬢の小さな令嬢には早かったようね。
「それで、誰でもテストできるの?」
「あ、えっと、試すことはすぐできます……けど正式なテストは良い魔女が立ち合う必要があるそうです」
「試したい!!」
「は、はい、どうぞ……」
ユラが私の目の前にブレスレットを置く。今は何の変哲もない、というかシンプルな華奢な黒色のブレスレットだ。
私はそのブレスレットを左手首に着ける。すると鮮やかな赤色のブレスレットに変化した。
「まあ!!合格かしら!?」
「色が変わったので……恐らく」
「ふふ!!やったわ!!」
驚くほど有益な情報を得た私はこれでジェイズを誘惑してみせると意気込んで良い魔女立ち会いのテストにも合格した私は意気揚々と良い魔女の会合に乗り込むことになった。




