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王女、ドン引きする


「ティティ!!君の方から僕に会いたいと言ってくれるなんて嬉しいよ!!ああ、今日も凛々しくてかっこ良い……踏まれたい」

「おい変態クズ兄貴、黙ってそこに這いつくばってろ」

「ティティ!!そこの床に這いつくばったら僕を踏みつけてくれるかい!?」

「しませんから椅子に座ってくださいライアン様」

「ディ様!!もうお耳から手を離して良いの?」

「はい、ベル。もう良いよ」

「ディ様、今日はライアン様はティティお姉様に何て言っていたの?」

「ベルは一生聞かなくて良いんだよ。変態発言でベルの可愛い耳が汚されるからね」


 大丈夫かしらこの国。王族って馬鹿やアホしかいないのかしら。あ、私も王女だわ。私はジェイズ馬鹿。むふふふふ。


「ライアン殿下、フレディ殿下、本日はお時間をいただきありがとうございます」

「ヘンリ、学園ではないんだ。楽にしろ。従兄弟だろ」

「ヘンリ、聞いてよ。昨日も母上が来て僕のコレクションを捨ててしまおうとしたんだ」

「……ドMグッズは捨てた方が良いと思うよライアン兄さん」

「大事なコレクションなのに!!」

「このド変態!!」


 本当大丈夫かしら。と思っていたらティティがパンパンと手を叩く。


「ああティティ!!僕を叩いてくれ!!」

「黙ってくださいライアン様」

「黙ろう!!」

「フレディ様には学園で少し話しましたがここにいる冒険者であるリーナとジェイズからこの国に悪い魔女がいると情報をもらいました」

「悪い魔女か。この国で最後に摘発したのは20年前だったな」

「その魔女は既に他の国でも事件を起こしているとのことです」


 ティティに続きヘンリが話をする。


「――――ということで情報におかしな点はあっても悪い魔女は確かにいる以上、調査をして捕らえる必要があると判断したんだ」

「ディ様!!明るくて元気いっぱいなディ様もとってもかっこいいと思うのよ!!」

「うむ、そうか?だがライ兄が冷たいとは……」

「僕の体温は低いよ!!ティティ!!温めて!!」

「私も低体温なので温めるのは無理です」

「ああ!!冷たい!!その蔑んだ目が良い!!」


 ティティがゲームと違ったからといってライアンはどうしてこうなった、という性格だ。と思っていたがライアンの纏う空気が変わった。


「だけどその情報はそうあるはずだったもの、であるとは考えられるね」

「ああ、それは俺も思った」

「ティティに出会わなければあのまま僕は隔絶されたこの塔で世の中と病を憎んでいたかもしれない」

「ライ兄が変態クズ野郎だから矯正しなければ父に顔向けできないと幼い頃思った自覚はある。そうでなければそうなった未来もあったかもしれない」


 7年前に前国王が罹った病はこの国で流行った病。同じ時期にヘンリとベルの母親、前国王の妹も同じ病で亡くなった。


 混乱する国内で奮闘する長兄、生まれつき体の弱い次兄と離れ王族の血を守るため国外の母親の生まれ故郷で王族とバレないよう平民として数年暮らしたフレディ。


 孤独を繕うように明るく元気に振る舞うフレディ。それがゲームのフレディだった。


 しかし話を聞いてみると実際にはこの国に立ち寄った冒険者リオネルから別大陸で同じ病を治療した薬の製薬知識を手に入れゲームより早く流行り病が終息。フレディはアランデア公爵家で数ヶ月暮らした後王宮に戻った。


 リオネルがこの国に授けたもう一つの薬の製薬知識はライアンの病の治療に役立ち、リオネルを王都まで連れてきた辺境伯と辺境伯令嬢ティティはしばらく王宮に留まった。


「あの頃のティティは今のように勇ましくはなかったけれど薬を無理矢理口に突っ込んでくれたおかげで俺は新たな扉が開けた!!」

「冒険者リオネルと辺境伯家はこの国の救世主だがライ兄を変態クズ野郎にはしないでほしかった」

「こんなはずでは……」

「僕は今の自分に大いに満足してるぞ!!」

「ライ兄以外はみんな頭を抱えてるんだ。母上もカル兄も俺も!!早く辺境伯領に行ってくれ!!ティティと結婚しろ!!」

「無理だよ!!恩人で僕のヒーローでかっこよくて可愛くてキラキラしすぎて結婚なんてできない!!下僕なら可!!」

「下僕はいりません」

「辺境伯もティティがいない時に来られても困ると言って引き取ってくれない。ティティ、学園の寮ではなくこの塔に泊まってくれないか」

「何度もお断りしています」

「くそ。なんで隔離されているはずの塔にいるはずなのに変態の主張が激しいんだ。邪魔すぎる」

「あ、そろそろ今日の仕事の時間だ。今日は新しい手錠と目隠しのデザインについて工房と話し合う予定でね。すまないが30分程席を外すよ」


 そう言ってスキップしながら部屋を出ていくライアン。残された部屋に沈黙が続く。


「ジェイズ、私はあれよりまともな王族よね」


 私はジェイズの耳元で囁く。


「リーナ様は世界一立派な王女殿下です」

「……目隠しプレイってどう思う?」


 あ、今のなし。ジェイズの笑顔は好きだけど冷え冷えして凍死してしまう。



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