王女、戦姫として挑む
立ち直った私は咳払いして本題に入ることにした。ちなみに女神との約束の未来視やトラコのことをはっきり告げて良いのは救う対象本人と救うために鍵となる人物だけだったが前回アドルフたちに神獣のことを話したのはギリギリセーフだったとあの後女神に言われた。というわけで今回は謀反のことだけを話す。
「さて皆、何で連れてきたのかを話すわね。ズバリそれは謀反の協力者にするためよ」
「「「謀反!?」」」
「そうよ」
「まあ実際には謀反をするそこの元宰相の裏で学園で起きる事件から生徒を避難させたり守る役を頼みたいの」
案の定ユリアーナとエレナが青ざめるけどマークは平然と言う。
「へえ。謀反ってことはフィンが王様になるんだな」
「あら、知っていたの?」
「あーこいつ勘が鋭いんだ」
「いや、フィンがわかりやすいんだよ」
何かしら。商人の勘ってやつかしらね。動揺するユリアーナとエレナにデルフィンの話をした後学園で起きる出来事を説明する。
「私たちが調べたところ今度のダンスパーティーで狂暴化した動物たちが学園を襲う計画なのよ」
乙女ゲームでは卒業パーティーでグラシアが断罪された直後魔物が学園を襲いに来るシナリオなのだけど時期が早まっていることと魔物が狂暴化した動物に変わっていること踏まえて調査したらこういう風に変わっていた。
「まあ!!ダンスパーティでそんなことが?」
「さ、再来週です!!」
「それわかっているなら先に防げば良いのでは?」
マークの言葉は正論だけど私が未来を変えようと思って動くとどう未来が変わるかわからないのだから仕方ない。とは言えないから別の話をする。
「王子が知っているのかわからないのよ」
「まさか殿下がそのようなことを?」
「それがわからないのよ。前に街で襲われたと言ってた時は本当に知らなかったようなの。そうよねスレイブ」
私がスレイブに話を振る。スレイブはこの洞窟に着いてから先にいたリオネルと剣を交えていたのだけど剣を収めてこちらに来る。
「あの時殿下は本当にグラシアが犯人だと思っていた。だが最近の殿下は俺が側にいた時より少し様子がおかしい」
「頭がおかしいのは前からだけどね」
「リーナ様……でも最近の殿下はやはり何か違うような気はします。焦っているというか」
「何を焦ってるのか知らないけどもしそれに王子が関わっているかは結構重要なことよ」
「それはそうですわ。狂暴化した動物たちの被害は大きいです。殿下がそれに関わっているかもしれないなんて」
「国民を危険に晒す王族なんてありえないわ。馬鹿王子ではなく愚かな王子ね。その時はこの私が直々に捕らえてや「リーナ様お待ちくださいっ」あらジェイズ」
ジェイズが慌てて割り込んできて私をみんなから少し離れた場所に誘導する。
「リーナ様は私と王宮ではないのですか?」
「ああ、それ」
当日同時にジェイズがアドルフたちと一緒に王宮を制圧することになっている。
「そのつもりだったけど馬鹿王子が愚か王子か見定めないといけないし。まあ9割黒だけど。グラシアが心配だしなにより狂暴化した動物を神聖力で正常に戻さないとね。戦姫として颯爽と弓矢で射るの」
「戦姫……」
「自分で名付けておいて戦姫らしいことしてないじゃない?トラコちゃんに乗って戦うの。かっこいいでしょう」
「では私も側に」
「駄目よ。ジェイズは王宮を真っ二つにしないと」
「では王宮を斬ってすぐにリーナの元に駆けつけます」
「ふふ。ええ、待ってるわね」
そしてついにダンスパーティー当日になった。




