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王女、味方を増やす


 ユリアーナの異母妹、ジャネットの犯行現場を押さえた後。


 フェリシア様の力でリリアの次の作戦、ヒロインが悪役令嬢に階段から突き落とされるイベントをしようとしていることがわかった私たち。その階段近くでエレナが描いた女神メアリーナの画集を売るというイベントを開催しリリアがグラシアに押されるという主張を大勢の生徒が否定した。


「おほほほほ!!お馬鹿たち、聞いたかしら?ここにいる大勢のモブ……じゃなくて生徒がリリア様が勝手に自分から階段を転がり落ちたことを見ていたのです。転がり損でしたわね」

「もうもう!!なんでこうなるのよ!!いたーい!!」

「なあ、リーナ様の方が悪役っぽいが大丈夫か?」


 デルフィンが階段の下で胸を張って高笑いする私にドン引きする。


「あ、あの、リリア様を治療しませんか?痛みはあるそうですし」

「あらまあ、グラシアは優しいわね。じゃあデルフィン」


 あなたが神聖力で治してあげたら、と言おうとしたら怒りでプルプルしていた王子が怒鳴る。


「煩いぞお前ら!!この俺を侮辱したこと後悔させてやる!!覚えてろよ!!」

「あっ!!待ってください置いてかないでー!!」


 捨て台詞を吐いた王子とそれを追いかけるリリア。


「たいした怪我じゃなかったみたいね」

「えっと、そうですわね」

「つーか階段2段だけ転がるってどうなんだ?」

「怪我するのが嫌だったからじゃないかしら」


 その後の週末、私は再びデルフィンの故郷を訪れた。今回はエレナとユリアーナとマークとスレイブを連れていった。


 大所帯になってしまったけどグラシアの味方が増えたと思えば良いことだと思う。


「なあフィン、これ何の集まりなわけ?俺親父の仕事手伝う予定だったんだけど」


 そう、スレイブ以外には何も説明せず呼び出して連れ出したのだった。何故かというと面倒くさかったから。というわけで前回と同じ洞窟まで訳もわからず連れてこられた3人にようやく説明しようと思う。


「ふふふ、よくここまでよくわからないまま着いてきたわね」

「いや、教えてくれねーんだもんよ。つーかこの幼女誰なの?」

「マーク、それ言うとこの人に殺されるから止めた方が良い」


 デルフィンが指差す方に剣を鞘から抜こうとするジェイズがいる。


「ひぃ!!って、この前いきなり現れたかと思ったらジャネット嬢を紐でぐるぐる巻きにして連行した人じゃん」


 ジェイズは私以外対して少し強引で雑なところがあるのだけどちょっとくらい私にも強引に攻めて欲しかったりする。


「グフフ。やだ、縛られたいとかじゃないんだから!!変態じゃないわよ!!」


 思わず隣にいたデルフィンの背中を叩く。


「痛ッ!!何!?縛られたい!?こ、この、変態め!!」

「あらデルフィンったら赤くなって変態だわ」

「変態じゃねえ!!」

「あの、グランディア様……」


 ユリアーナが私を見ながら呼び掛ける。首をかしげる私にジェイズが言う。


「リーナ様、リーナ様はリーナ・グランディア様です」

「ああ、私の偽名ね。すっかり忘れてたわ」

「偽名って言っちゃってるよ……」

「リーナ様……」


 グラシアとデルフィンが呆れ顔で言うけど仕方ないじゃない。名乗る機会がないんだもの。


「ふふん。私訳ありのリーナと申します。訳あって身分を明かせません」

「訳ありですの……?」

「ええ、だからリーナって呼んでちょうだい。偽名は忘れちゃうから」

「隠す気なさすぎだろ……。マーク、この人2年だけど12才で天才過ぎて飛び級した天才……どうせ設定だろうけど……のリーナ様だ」

「へぇ、リーナ様、本当はおいくつなんです?」

「20才よ」

「まあ、リーナ様、年上だったのですね」

「ふふ、グラシア驚いたかしら?」

「はい、あ、いえ、大人びていらしたのでそうかなとは思いましたが」


 どっち?グラシアが困った顔で言うから追求しないけど。


「なあリーナ様よ。ペラペラ喋ってるけど先生が呆れてるぜ?」


 デルフィンに言われてジェイズを見ると頭を抱えていた。


「あらジェイズ、喋っちゃ駄目だったかしら」

「いえ、リーナ様のお心のままに」

「今度から気を付けるわね」

「20才でその身長とは何か低身長になる薬でもあるのですか?」


 マークに詰め寄られる。


「す、好きでちっちゃいんじゃないわ!!」

「なるほど。ではご病気ですか?」

「病気……ではないと思うけど」

「そういえば大爺さんの手記に身長が止まった人の話が載ってた気が」

「なんですって!?」

「うち、代々商人で曾祖父はいろんな場所、別の大陸も渡り歩いてた人なんですよ。行った先で見聞きしたことを残してたんで」

「身長伸ばせるの!?」

「どうでしょう。小さい時に見たきり覚えてなくて」

「今すぐ持ってきなさい!!」

「いや、それがその手記失くしちゃったんですよ」

「……希望の光が見えたかと思ったのに。ぐすん」

「リーナ様、元気出してくださいませ!!」


 ジェイズがマークに何か聞いている間グラシアが声をかけてくれる。


「そ、そうですよ!!私もちっちゃいですから大丈夫ですよ!!」

「リーナ様、きっといつか伸びますわ。私も昔はこの子より背が低かったですけど逆転しましたし」

「はい!!いつの間にかユリアーナ様に逆転されました!!明日伸びるかもしれないですし明後日……明明後日とかには伸びますよ!!」

「ぐすん、そうかしら。身長が伸びて大人のボンキュッボンのナイスバディになれるかしら」

「「ボ、ボン?」」

「大丈夫ですよ!!そうだ、私がボンキュッボンのリーナ様を描きます!!そしたらきっと本当になりますよ!!多分!!」


 グラシアとユリアーナがポカンと首をかしげる中エレナが提案をする。


「それは良いかもしれないわ」

「ですよね!!」



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