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ヘタレヒーロー、神獣の力に驚愕する(sideデルフィン)


「なあフィン」

「なんだよマーク」

「これどういうメンツなん?」

「俺にもわかんねえよ」


 俺は今使われていない空き教室にいる。リーナ様に特別任務だと呼び出された俺はグラシア様に罪をなすりつける犯人がわかったから捕まえてこいと言われた。


 クラスメイトで友人のマークは犯人が俺のクラスメイトだと言うからカモフラージュとして巻き込んだ。


 そしてリーナ様から送り込まれたのが2年の女生徒2人と少し前まで悪女リリアの取り巻きをしていたグラシア様の幼馴染みだという男。


「ねえエレナ……本当に上手くいくかしら」

「だ、大丈夫ですユリアーナ様。び、尾行は初めてですけど目撃することは何故か多い私にお、おまかしぇを!!」

「大丈夫かしら……」

「本当大丈夫かね。なあフィン」

「……この人がいるから大丈夫らしいぜ」


 そう言ってグラシア様を裏切った男を指差した。その男、スレイブは神妙な顔をして頷く。


「リリア嬢を警戒していたつもりが呪いにかかり結果グラシアを裏切ったのは確かだ。リオネル様に鍛え直していただいたからにはしっかりアルダエル侯爵令嬢の護衛を勤める」

「あっ……皆様ジャネットが教室を出ましたわ」


 よし、じゃあ行くか。


 ジャネット嬢は教室を出ると周囲を気にしながら廊下を歩き階段を上がり2年の教室に入った。


 俺たちはドアを少し開けてそこから教室の中を覗く。


「ふふふ、もうすぐだわ。もうすぐあの馬鹿な姉様も邪魔なグラシアも地獄に落とせる。あとはあの平民女を蹴落として私が王太子妃!!ふふふ、平民女」


 ジャネットが笑いながらリリアの教科書を破いたりナイフで切り刻む様子を見てマークが呟く。


「平民女ってあいつも元々平民だろ」

「……ええ、5年前までそうなのですが」


 そこにジャネットが小瓶を取り出した。


「ふふ、この特別な惚れ薬があれば王子は私のもの。それにあのイケメン側近だって私のものになるわ。騎士も欲しかったけど呪いが解けちゃったらこの惚れ薬にも耐性がついてて無理って話だし。残念だけど仕方ないわね」


 惚れ薬って前に先生が言ってたやつか?それにしてもペラペラ喋るやつだな。これいつ捕まえるんだ。そろそろ捕まえた方が良いんじゃないかと思ってスレイブを見るとユリアーナ嬢に合図していた。


 ユリアーナ嬢は頷くと教室に入る。


「ジャネット」

「きゃっ!!なーんだ姉様。良いところに。これあんたがやったことにするわね」

「いいえジャネット、私はもうあなたの言うことは聞かないわ」

「なにそれ。姉様のくせに生意気よ」


 ジャネット嬢はボロボロになった教科書をユリアーナ嬢に投げつけそれをスレイブが叩き落とす。


「なっ!!」

「彼女に危害は加えさせない」

「あ、あなたは!!強面でがっしりした体格!!無口なクール系イケメン!!」


 は?


「オラオラ系イケメン王子も良いけどクールなイケメンも好きなのよねー!!あーほんともったいない!!呪いが解けでなければ私のものになったのに」


 なんだ?何を言ってるんだ?


「わっどうしたんだ小鳥」

「ピッピッピピー!!ピッピッ」

「おいフィン。お前の小鳥が騒いでるぞ」

「は?」


 マークに言われてフェリシアが廊下で鳴きながら踊っていることに気付く。


「フェリシア、どうしたんだ?」

「ピー!!」


 フェリシアが嬉しそうに教室を指すように羽を動かす。


「なんだ?」

「ピー!!ピッピピピー!!」

「あ、お前馬鹿にしたか?」


 フェリシアはよく俺を小馬鹿にしたように鳴く。もーばっかだなー、とでも言うように。


「ピピッ!!」


 フェリシアが羽を動かし自分を指すようにしてから教室を指す。


「ピピーッ」


 そういえばリーナ様が言ってたな。神獣は個々に特別な力を持つって。フェリシアの能力はわからないけど、と思いながら再び教室に目を向ける。


「誰がお前みたいに姉を侮辱するようなやつを好きになるか。俺の好みはユリアーナ嬢のような聖母のように優しい女性だ」

「えっ!?わ、私も正義感の強い貴方のことが好きで……」

「良かったですねユリアーナ様!!幼い時に優しくしてもらったってずっと好きだって仰ってましたもんね!!」

「も、もうエレナ!!秘密だって言ったのに!!」

「お、おい、フィン。なんか皆口が軽くなってないか?それにしてもエレナ嬢ぴょんぴょん飛び跳ねてウサギみたいで可愛いな。ぴょん、ぴょん」


 マークがドン引きな可愛い発言をするようになったとドン引きしているとフェリシアが俺の手のひらに乗って胸を張る。


「まさかこれお前のせいか?」

「ピピッ!!」

「口が軽くなる力?」

「ピーピッ」

「違う?じゃあ頭のおかしい発言をするようになる力?」

「ピーピッ」

「違うのか」


 じゃあなんだ?


 とにかくこのおかしな状況をどうにかしたいと思っていると先生がやって来てあっという間に場を収めた。


 その後リーナ様にフェリシアの能力を通訳してもらった。


「思ってることを誇張して口にさせる能力が開花したそうよ。やったわね。ヘタレデルフィン卒業できるわね」


 いや!!絶対嫌なんだけど!!誇張って怖いんだけど!!


「ピーピッピッピッピッ!!」





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