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王女、犯人を知る


もじもじおろおろもじもじ……。エレナが喋るまで再び1分近く待った。


「あの……見ていたのはグラシア様がとても素敵で……私……絵を描くのが好きなので……じっと見て描いて」

「ふふふん。そりゃそうよ。私がイメチェンさせたおかげでグラシアは色気ある美女に変身したんだから」


 グラシアは恥ずかしそうにもじもじする。まったく、そういうところは見た目と違うんだから。


「あの、私が見ていたのはそういう理由で……声をかけたのは絵を見てほしいのともう1つあって……」


 エレナは何度か口を開いては閉じてを繰り返し、そしてよし、と意気込む。


「ユリアーナ様を助けてほしくて……!!」

「ユリアーナって?」

「リーナ様……クラスメイトのお名前を覚えていらっしゃらないのですね」


 グラシアによるとユリアーナというのはエレナが取り巻きをしている令嬢でグラシアの家の政敵の家出身なのだそうだ。


「ふむ。それで助けてというのはどういうことなの?」

「ユリアーナ様は私のおさ、幼馴染みなのですが……元々父親と義母と異母妹とは不仲で……妹からはわざと嫌な人を演じろと命じられていて……」

「まあ、そんなことが?ジャネット様が?」


 話を聞くとユリアーナの1つ年下の異母妹ジャネットはあらゆる場所で妖精のように愛らしく優しい淑女だと有名なのだそうだ。


 ジャネットは性格の悪いユリアーナに虐められているとされジャネットは毎日泣いて苦しんでいるのだというが実際には自分を悲劇のヒロインにするためにジャネットがユリアーナにそう命じていると。


 うーむ、そういえば私が死ぬ前にシリーズの中でこの国でまたゲームが作成されるって発表されてたけどユリアーナって子そこのヒロインじゃないかって感じの境遇だわ。


「リーナ様、ジャネット様はアルダエル侯爵家の後妻が侯爵の妾だった際に生まれた方でユリアーナ様のお母様が亡くなった後に侯爵家に来たそうです」

「妾ねえ」

「はい。ユリアーナ様は平民だった現侯爵夫人とジャネット様を疎んで虐めていると言われていたのですが」

「本当のユリアーナ様は……私の絵をたくさん褒めてくれるんです。絵なんか下らないものを描いてる時間があったら高位貴族の方と親しくなりに行け……とかだ、男性に媚を売ってこいとかお父様に怒られて捨てられそうになる絵をご自分の部屋には侍女も誰も入ってこないから隠して持っていてあげると言ってくれる優しい方なんです」

「この国の貴族は大人も子供も腐ってるわね」

「……下位貴族にはそういった考えの方は多いです。私の周りにも親からそう言い含められている方もいるでしょう」

「ふーん。それで、ユリアーナを助けてっていうのは家族から助けてほしいの?」

「助けてもらえるんですか!?」

「ここまで聞いたらね」

「あの、ユリアーナ様が断罪されそうなんです!!」

「「断罪……?」」

「私聞いてしまったのです!!リリア様とジャネット様が話してるのを!!」


 それは今朝のこと、エレナが校舎裏でこそこそと絵を描いていたらリリアとジャネットがやって来たのだそうだ。


――――――――――――――――

『ちょっとどうなってるのよ!!呪いが解けてきてるじゃない!!このままじゃあの方に殺されちゃうわ!!』

『落ち着いてちょうだい』

『落ち着いてられないわよ!!』

『うるさいわね。本来ならあの方に選ばれて王子様と結婚するのは私だったんだから』

『それは違う!!私が相応しいっておっしゃってくださった!!』

『とにかくさっさとグラシアを断罪するの』

『でもあのちっちゃいのが邪魔して』

『あのちびは無視よ。姉様がグラシアに命じられてやったって自供するんだから問題なし。これで目障りなグラシアも役立たずで愚図な姉様も終わりよ』

――――――――――――――――


「ちょっと!!ちっちゃいのだとかちびとかなんなのよ!!好きでちっちゃいんじゃないわ!!」

「リ、リーナ様落ち着いてください」

『はわわぁそうよーリーナー。もっと考えることがあるわよー。ジェイズも言ってるわぁ』


 え?ジェイズ?


 私は声に出さずトラコと話す。


『今のお話そのままジェイズに伝えてたのー』

『まあ。トラコちゃんったらいつの間にジェイズとそんなに気軽に話すようになったのかしら』

『えへへージェイズがねー私と話すの楽しいって言ってくれてねー』

『むー』


 嫉妬するわ。ジェイズは私の夫なのに。


『それでねージェイズが、あの方って魔女のことじゃないかって』

『あらまあ、そうなの?』

『リリアがはっきり呪いって言ったんだから魔女の呪いだってー。それでーリリアが主張していたグラシアからの虐めはユリアーナがしているのかって聞いてってー』


「エレナ、グラシアのせいになってるリリアへの虐めは誰がやってるの?ユリアーナ?」

「そ、それはリリア様の自作自演とジャネット様がやっています。ユリアーナ様はお優しい方で……やれと命じられたもののそのようなことができず……。ジャネット様はそれを愚図だと……うう……」


 エレナが泣き出してしまいグラシアが慰める。


「リーナ様、ユリアーナ様を守りましょう」

「そうね。とりあえずジャネットがリリアへの虐めをやってる現場を押さえましょう。1年ってことだしデルフィンに見張らせようかしらね」

「わ、私もお手伝いします!!」


 そしてエレナ、デルフィンに加えユリアーナ本人と何故か乙女ゲームの攻略対象者マークとスレイブが行動を共にしてジャネットを尾行することになったのだった。


『はわわぁ。ところでリーナー、ジェイズがねぇ、女の子の友達以外にはリーナの本当の髪も瞳も見せちゃダメですよってー』

『あらまあ。ジェイズったら嫉妬ね。ふふふ、わかってるわよ。2人にも口止めしたし完璧だわ』




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