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護衛騎士の愛はやはり重い(sideジェイズ)


 俺のリーナ様はとても愛らしい。握りこぶしを作って頑張ろうと呟くリーナ様はとてつもなく可愛い。


 だけど時々リーナ様は俺の知らないリーナ様になるようで少し寂しく思う。例えば知らない言葉を発したりこの大陸に初上陸したものもリーナ様は昔から知っているようだった。


 俺に隠し事をしないでほしい、リーナ様の全てを知りたいと思うのは重いだろうか。いや、俺は余裕のある大人だ。と思っているとデルフィンと目が合う。


「貴方は私を見習って余裕のある大人になるべきですね」

「は?あんたのどこが余裕なんだ?」

「……」

「余裕のある大人はいきなり剣突き付けてきたりしねえし」

「それは護衛として当然のことをしたまでです」

「あら、何の話かしら。私のジェイズが世界一かっこいいって?」

「そこの先生がお前のことになると余裕なくすって話ー」

「まあ!!むふふ、そう、そうなのね!!」

「なんで喜ぶんだよ。余裕のない男は嫌われるんだろ?」

「それはそれ、これはこれよ。私はどんなジェイズも大好きだもの。余裕をなくすほど私を想ってくれてるなんて嬉しいに決まってるわ!!」

「……ふーん」

「ちょっと!!興味持ちなさいよ!!」


 どんなジェイズも大好きか。俺もどんなリーナ様も大好きだ。だからいつかリーナ様から全ての話を聞ければ良いと思う。


「おーい、仲が良いのは良いが話を戻すからな。国に不満を持つやつはこの場所を拠点に各地に散らばっている。謀反を計画しつつ実態は王族、国に見捨てられた村や人の救済や高位貴族に陥れられた優秀なやつらの面倒を見てたりしてんだ。学園にも潜り込ませてる」


 なるほど、あのアドルフ殿に誓っていた門番か。


「学園にアドルフ殿の影響力があるのですか?」

「ああ。王族が学園長なんだけどな、当然王族が務めを果たすはずもなく宰相をしてた俺に丸投げだった。だから宰相を退く前に色んな決まりごとをこっちに都合良くして門番通じて学園と王都の情報を得ていたってわけだ。王族と腐った貴族の情報をな」

「それでアドルフ様、アドルフ様たちは王を討ち取って愚かな貴族を一掃したい。そういうことですわね」

「そうだ。協力してほしいわけじゃねぇが目的がわからねえとお互い邪魔になっちまうからな。リーナ嬢は何をする気なんだ?」

「私はグラシアの断罪を阻止するためにここに来ましたわ」

「ほう。断罪?そこにいるアリエント嬢は由緒ある公爵家の令嬢なんだが誰がそんなことをする?」

「もちろん馬鹿王子です」

「あ?」


 殺気立ったのはリオネルだ。


「あのボンクラ今から叩きのめす」

「お兄様っ!!まだ断罪されていませんわっ」

「まだでもあの馬鹿のアリエント嬢への態度はありえない。ぶっ潰す」


 デルフィンも同調するとアリエント嬢が慌てる。


「あらまあ。グラシアは愛されてるわね」

「リ、リーナ様っ」

「まあでも、そんな未来を曲げるために私がいるのよ」

「妹を助けてくれるのか?」

「ええ。私この国の行く末には興味ないけれど友達のグラシアは守るわ」

「そうか。……うむ、そうか!!なるほど、リーナ嬢は女神メアリーナ様の遣いなのかもしれないな!!」

「まあ!!やっぱりお兄様もそう思いますか!?私もそう思っているところなのですわ!!」

「ちょっと!!私はあれの遣いっぱしりをしてるつもりはないわよ。不本意なのよ。……ちょっと、祈らないでってば」


 祈りを捧げるアリエント嬢とリオネルをリーナ様が制止する。こうしてリーナ様が慕われることはとても嬉しい。ヤメルトでも多くの国民から慕われていたリーナ様。これまでの畏れ敬われてきたヤメルトの神の力を持つ者たちとは違う魅力のあるリーナ様がヤメルトを治めればヤメルトは大きく変わるだろう。


「もう!!私はそういうのが苦手なのよ!!……あら。あらあらあら、ふふふん」


 リーナ様の瞳が煌めき未来視をしたのだとわかる。


「リーナ様、何か嬉しいことが?」

「ええ、まあそうだと思っていたわ。王宮を崩し倒すのジェイズ、あなたよ」

「そうですか。ではそのお役目全うします」

「もう、1人で王宮斬るなんてやっぱりジェイズはスーパーハイスペックイケメンなんだから!!好き!!」

「はい、私もリーナ様をお慕いしています」


 いつか貴女の全てを俺のものにしたいほどに。


「ヤバい。いつもヤバいと思ってたけどやっぱこいつらヤバいやつらだ」

「王宮を斬る!!なるほど、それはすげえ。頼もしいなデルフィン」

「頼もしいっていうより怖いんだよ。どこの世界に王宮を斬るやつがいるんだよ。謎だろ」 


 

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