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王女、愛を語る


「黄金の熊男……ですか?」

「えあ、ジェイズ、知ってるかしら」

「黄金の熊男……」

「ジェイズ?」

「リーナ様……そんな男より私の方がリーナ様の役に立ちます!!」

「へ?」


 放課後に早速協力者になりそうなグラシアの兄について話をしようとしたらジェイズに当たり前のことを叫ばれた。


「うわぁ、今日も茶番が始まりやがった……」

「もしかしてジェイズったら嫉妬かしら。嫌ね、私のジェイズが誰かに劣るわけないじゃない。でもジェイズは役に立つ立たないで側にいさせてるんじゃないわ。愛してるからよ」

「リーナ様!!」

「……アリエント嬢、この先生こいつの護衛かなんかですよね」

「わ、私もそのような気がしていますわ」

「護衛なのに役に立たなかったら意味なくね?……です」

「聞こえてるわよ。ジェイズは存在してるだけて尊いのよ。存在しているだけで人生がキラキラ輝くの。毎日ジェイズのことを考えて笑っている顔を見て嬉しくてもっと幸せにしたいって思うのよ」

「リーナ様!!私が間違っていました!!私もリーナ様がただ笑っていてくれるだけで十分です!!」

「あら、駄目よ。もっとあんなことやこんなことがしたいわ。むふふ」

「リーナ様」

「ジェイズ」

「ごほんごほん!!おい!!おーい!!それで、黄金の熊男って何なんだよ!!」


 横に並んで座った状態で見つめ合う私たちの間にデルフィンが腕を振り回す。


「あらデルフィン、私とジェイズの間に割り込むなんて切り殺されたいのかしら、ジェイズに」

「殺されたくねえよ!!怖いわ!!話が進まねぇんだよいつもいつも!!」

「まあ割って入ったくらいじゃジェイズだって切り殺さないけど」

「時と場合によります」

「ひぃ!!」

「それでジェイズ、黄金の熊男って冒険者がグラシアの兄なのだそうよ。勘当されたのですって。グラシアがそのお兄様を協力者に引き込みたいそうなの。どう思う?」

「え、そうでしたか。……はぁ、良かった。私も聞いたことしかありませんが近頃頭角を現していると聞きます。大柄な体格ながら隠密が得意だそうなので良いと思います」


 ジェイズはほっとしたように息を吐くと笑顔で答えた。


「そうなのね。ではグラシア、早速依頼をしましょう。任せてちょうだい。私もギルドに依頼したこと「リーナ様!!」あらなぁにジェイズ」

「昔遊びでギルドごっこをしたのですよね」

「へ?」

『はわわわー、リーナーあなた素性隠す気がないのー?普通の令嬢はギルドに依頼をするなんてしないわー』


 あらまあ、私ったら潜入してここにいるのだったわ。素性がバレるような行動はしないって決めてたんだった。


「そうだったわね」

「アリエント嬢、こちらに記入してください」

「まあ、こんなところにギルドへの依頼書が。偶然ね」

「ええ、偶然ですね」

「偶然か……?」

「えっと、ありがとう存じますわ先生」


 そういうわけでグラシアが書いた依頼書をジェイズが預かって後で出してくれることになった。


「ところでデルフィンの文鳥様の名前は考えたの?」

「ん?ああ」

「まあ、なんて言うの?」


 デルフィンの肩に乗って嬉しそうにデルフィンにすり寄る白文鳥。可愛いわ。


「あーえっと……」

「あら、言えないの?」

「……シア」

「まあ、グラシア?」

「違う!!フェリシアだ!!」

「ピッ!!」


 白文鳥様改めフェリシア様が可愛らしく鳴く。


「あら、可愛い名前ね。何故言い淀んだのよ」

「だ、だってグラシア様……じゃなくてアリエント嬢のこと考えて……だー!!なんでもねえ!!」

「まあ、そうなのね」

「ピピッ」


 フェリシア様が飛んで隣のグラシアの肩に乗る。


「可愛いですわ。フェリシア様、まあ、触れてよろしいのでしょうか」

「ピッ!!」


 肯定するように鳴くフェリシア様をグラシアにそっと頭を撫でる。フェリシア様は嬉しそうに再び鳴くとデルフィンの肩に戻って胸を張る。


「ピピッ!!」

「お前……自慢してんのか?」

「ピッ!!」

「お前昨日のことは秘密だからな」

「ピピピピッ」

「頼むからな」

「ピーピッ!!」


 何を話してるのかわわからないけどとても打ち解けているみたいだわ。



 

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