激・闘
時は戻って、教室内
「来い! マイスウィートブライド!! ブレイズちゃぁぁぁん!!!!!!!!!」
渦巻く紅焔、光り輝く一ページ!!!
精霊の如く神秘的な光を散らせながら、魔導書を掲げた俺の頭上に、赤髪ツインテールの女神が舞い降りる!!!
眠たげな瞼にルビーの瞳、桜色の唇が艶やかに煌めく炎の巫女!
森のエルフみたいな神秘的な薄絹衣装を、白を基調としたセーラー服に着替えて登場だぁ!!!
今日も可愛いよ、ブレイズちゃん!!!!!
「って!? どったのブレイズちゃん! 制服属性も持っちゃうなんて!!」
「そこはTPOよ。できる召喚精霊は、時と場所で身につける衣服くらい選べるわ。そこにいる…」
チラッと…
いつのまにか康太の肩にしなだれかかる、紫瞳切れ目の黒髪ロングお姉さまを横目に見ながら、クスクス笑うブレイズちゃん
「乳がデカいだけの下品な縦セタ女とは違ってね…」
ヤダー! ブレイズちゃんってば生意気〜!
でも、俺には分かるよブレイズちゃん……無理して気合い入れてるんだよね…
証拠に、その綺麗な御御足が震えているよ…
「あらぁ! ブレイズちゃんじゃない!」
なんとビックリ、黒髪お姉さまはブレイズちゃんを確認すると、今までのキリッとした蠱惑的な表情を一瞬にして反転させ、ゆるゆるふわふわのだらけ顔を見せてきた!
「くっ…!」
お知り合いかな?
あぁ! ブレイズちゃんが目をキラキラさせた年上お姉さんにベタベタされてウザがっている!! そんな所も可愛い!!!
「フッ、どうだ三継。この人が俺の召喚精霊、ベルクお姉さまだ!!」
そうか、この黒髪美人がヤツの召喚精霊
というか、当然のように手に入れてるな『信仰の書』。この学校は奇人変人、魑魅魍魎の類が多い。多分、他にも持っている奴は居るだろう
面白くなってきたな
「ちょっ、助けてっ、三継ぃぃぃ!!!」
「ブレイズちゃん、どうして嫌がるの? お姉さん何か嫌われることしちゃった?」
ブレイズちゃんは、いまだにベルクさんに身体中をさわさわされて悶えている。というか、震えている
「いやぁ、女の子同士でイチャイチャしているのも、良いですなぁ」
「そうですねぇ……」
俺と康太がしみじみとした視線を二人に送っていると、次第に二人の空気に変化が訪れ始める
具体的には、二人の息が荒々しく、艶っぽく。そして、周りの空気感が徐々に甘く桃色に……って!?
「ベ、ベルク…私は…」
「ブレイズちゃん…安心して、お姉さんに任せて…」
「「ストーップ!!! それ以上はダメだぁぁぁ!!」」
引き剥がせ!!
というか召喚戦争だって言ってたでしょブレイズちゃん!どうして一応敵方のお姉さまと百合百合しているのさ!
ブレイズちゃんは俺の嫁なのに!!!
「待って、ベルク! 俺を見捨てないでくれ!」
「違うわよ、康太くん。ブレイズちゃんは別腹というか……きっと、君にも分かるわ…この子の“良さ”が……」
「んっ、はぁんっ…いや…私には、三継が…っ、あんっ…!」
ベルクさんの艶かしい腕がブレイズちゃんの制服の中を弄る。彼女の細指がブレイズちゃんのお腹を摩る度、幼い嬌声が俺の鼓膜を震わせ、赤い二本の尾がばさりと舞う
ブレイズちゃんの熱い吐息、流れる汗、少女を構成する全てから漏れ出す甘い柑橘系の香りが、教室内に溢れ出した
というか、やめろ! 俺に百合の実況なんてさせるな!!
「ブレイズちゃん! 大丈夫!?」
足を絡め、頬を密着し、ブレイズちゃんの園への侵入を試みていたお姉さまから、無理やり彼女をぶんどって抱きしめる
あぁぁぁ!さっきまで無造作に流出されていたブレイズちゃんの匂いが全て俺に還元されていくぅぅぅ!!!!
「み、三継〜っ!!」
解き放たれて正気に戻ったのか、涙目で俺に縋りついてくるブレイズちゃん
今回は流石に可愛いよりも可哀想が勝る。いや、可愛いのだけど。ボロボロに理解らされちゃったブレイズちゃんも可愛いけど!!!
「なぁ姫島、敷島、お前らココがどこか忘れてるだろ」
そんな声にハッとして、ブレイズちゃんを抱いたまま辺りを見回してみる
まず最初に映ったのは、ポカンとしたまま俺を見る康太と、その召喚精霊のベルクさん
あークソ、イケメンだとそんな顔も似合うな。俺にはもうブレイズちゃんがいるけど、それでもイケメンはムカつくな。一発撃つか
「ブレイズちゃん」
「『プロミネンス・ベル』」
ブレイズちゃんが俺の意図を汲み、手元に出現させたベルをチリン、と鳴らす
鐘は打ち金、鳴らし手は石、奏でた音色は炎となり、眼前に立ちはだかるイケメンを燃やし尽くすのだ…!
「フッ…ベルク!」
「ふふっ──ッ!!」
だが、ブレイズちゃんがヤツに向かって放った俺の怨念の籠る炎は、ヤツの目の前に躍り出たベルクさんによって掻き消される
なるほど、咄嗟のコレにも反応するとは、中々お強い様子
「教室だっ言ってんだよアホ!!! 」
「そんな能力バトルみたいなのは教室でやるな!」
「どんな権利で女の子召喚してんだよテメェら!!」
「羨ましいぞてめーら!!!」
「とりあえず、席座ってくれます?」
「「「「「はい」」」」」
鶴の一声…もとい、担任の一声によってゾロゾロと席につく野次馬と俺たち
因みに、俺はブレイズちゃんを抱き抱えたまま。康太の隣にはベルクさんが立っている
「えーっと……君たちは誰?」
担任はメガネを直しながら、召喚精霊たちに問う
流石だ、こう言う状況に場慣れしている。このクラスの担任はこの女性にしか務まらないだろうな
「姫島 ブレイズよ」
「敷島 ベルクで〜す」
「そう、じゃあ椅子も新しいの二つ用意しといて。教科書は夫のヤツ使えば良いよね」
夫!! 俺のこと夫って言ったよこの担任!!!!
分かってんなぁ、やっぱ担任はコイツじゃなきゃダメだな!!!!!
あっ、敷島のやつメッチャ顔赤くなってる!ベルクさんもほんのり頬を染めて微笑んでるし、さてはコイツら、あんなナリして健全にラブコメしてやがんな!?
「なんだテメェら!!!」
「チョーシこいてんじゃねぇぞ変態共が!!!!」
「夫呼ばわりされて良い顔してんじゃねぇぇ!!」
「夫…!? 姫島くんが夫…!?」
「凛花、大丈夫!? 先生ー! 凛花倒れましたぁ!」
「凛花!!まだチャンスあるよ! 生き返って!!」
「はーい。全員出席に、転入生二人ね、朝礼終了。礼なくて良いからなー」
我らがクラスの担任、いつの間にか混じっている、明らかに高校生に見えない美少女二人を、転入生で済ませてしまった
なんという適応力。いや、この場合は適当と言ったほうが正しいか
「三継……つまりどういうこと?」
「ブレイズちゃん、今日から生徒だってさ」
「……えぇぇぇぇぇぇ!!??」
召喚精霊、面目丸潰れだな。可愛いね!
読んでくれてありがとう!
感謝!!!!!!!!




