序・章
頭を空っぽにして読もう!!
時は遡り、一週間前
俺は、何とは言わないが、自室で勤しんでいた
それはそう、お祈りの様な、懺悔の様な、あるいは……
「レッドたんハスハス…レッドたんハスハス…!!」
そう、俺と言う人間であるための、必要行動
レッドたん。今、俺の中で爆ブーム中の美少女ヒーロー『色彩戦隊 オーロラ☆ブレイヴ』のリーダーで、小ちゃな身体に熱い勇気と正義感を持つ、スーパーぺたん娘
全メンバーを含めたスーツのセクシーさでは一番露出が少ないが、むっちりとした太ももから続く身体のラインが非常に美しく、もはや官能的を超えて女神の領域だ
幼さゆえの無自覚な危うさが、そのハツラツとした性格と合わさり、パーフェクトな『幼女』に見える。
言っている意味が分からないなら、今はそれで良いのだ。コレは一種の真理であり、答えである
そして何より、この究極完全絶対少女の最大の魅力は、腰までさらさらと流れる、燃え盛る炎の如き赤髪ツインテール!!!!!
やはりぺったんはツインテールに限る…!
あんなに男勝りで熱血に溢れているレッドたんが、朝起きて眠気眼を擦り、口にヘアゴムを咥えて髪を纏めている姿を想像するともう!!!!!!!!
うおぉぉぉぉぉ!!!!! 神に感謝!!!!!!!
レッドたん、レッドたん、素晴らしい響きだぁ…
センターの赤、リーダーの赤、その真っ赤なツインテールの裏には、一体どんな思いが隠されているのかな?
嗚呼〜、スク水型アンダースーツでピッチリ締められたぺったんボディに未知が宿る〜っ
無いんじゃないんだよ
ぺったんと言うのはね、無じゃないんだよ、ぺったんなんだよ。
成長途中という未知に思いを馳せるも良し、その未成熟を心から愛するも良し。楽しみ方は人それぞれ
だが俺は!!!! その両方を愛そうではないか!!!!
「幼児体型じゃねぇんだよ!! ロリなんだよコレは!!!ロリと幼児体型は違ぇんだよ!!!!」
今の俺は、言うならば無敵。誰にも俺は止められない故、覚悟せよ
「ケヒャヒャヒャヒャ!!! 嫌なこと全部忘れてやるぜぇぇ!!!!」
力が漲る! 魂が燃える!!
「俺のマグマがっ、ほとばし熱っ!?あっつ!?あっちゃっちゃっちゃ!!?」
嘘!?
俺のマグマ迸った!?
熱い熱い!! なんだこの熱さは!?
燃えているのか!? 服は!? 布団はどうなっている!?
……幸い無事か。じゃあ今の熱さは一体……
──ストン
布団の上に何か落ちたか…?
正確には俺の服の中から……
「……なんだこれは」
本? 辞書か…?
表紙はおどろおどろしい感じで古めかしい。どっちかって言うと、辞書というより魔導書か
突然降ってくる魔導書とは面白い。今の俺をどうにかできると思っているなら、やってみると良い。レッドたんへの愛を貯め込んだ今の俺に隙はない。さあ、どう出る……
───カッ!!!
うお眩しっ!!
突然の閃光、本からの攻撃! 思考回路はショート寸前! 俺の眼球も焦土寸前!!!
「うぉぉぉ!! 俺を守ってくれレッドたん! 悪霊退散、悪霊退散!! どーまん!せーまん!どーまん!せーまん!! 狂乱怒涛!!!!!!!!」
「うるさい、感嘆符が多いわよ」
──遂に俺は、イマジナリー美少女のボイスを鼓膜の振動にて再現できるようになってしまったのか
俺の所感としては、眠たげな眼をした赤髪ツインテぺったん娘だ。なぜ赤髪かというと、彼女の声から微かに炎の息吹を感じたから。なぜツインテかと言うと、彼女の言葉の端に風を切る二房の尾の如くを感じたから。なぜぺったん娘かというと、彼女の存在からスレンダーの気配を感じ取ったから!!!!
燃え上がれ!!!俺の想像力!!!!
今の子を具現化したら、俺の理想の少女を生み出せる気がする…!!!!
うごごごごごご……!
「そんなに頑張らなくても、目を見開いてみなさいな」
あら、まだ聞こえる…
そっと、開けてみようぜ、そっと
ちょっとは夢見たって良いだろうぜ
そーっと、そーっとだぜ、そーっと…
「さっさと開けなさい」
うぎゃぁ!
目がっ! 目がぁぁ!!!
突っ込むじゃなくて開くか! オープン・ジ・アイズ!!新世代だぜ! かっわいぃぃぃ!!!
オイオイ、なんで俺が苦しんでるのかって?
決まってんだろ! 目の前に理想の赤髪ツインテールぺったん娘がいるからだよ言わせんなよ!!
身長は目測120cm程度、触れれば折れてしまいそうな細い身体を純白の薄絹で包み、眠たげに開かれた瞼から覗くルビーの瞳が俺を反射している
そして何より、色白で小さな身体とのコントラストで彩られ、一際の存在感を放つその燃えるような赤髪!!!
コレが理想なのか…っ!?
コレが俺の追い求めた、少女の完成系…っ!!
「私はブレイズ。アナタの、『ツインテール』の召喚魔よ」
実は一回身長訂正した