第3目標 共同生活を目指す
「おはよう!」
「おはよぉごじゃいましゅ」
僕が挨拶すると、眠そうな声で返事が返ってきた。キャサリーちゃんは朝に弱いんだろうね。
僕が起きて朝食を作ったんだけど、それでも起きてこないから起こしたの。キャサリーちゃんは沢山余ってる部屋の1つを使ってもらったよ。1人増えても、部屋には困らないね。生活費には困るけど。
「……で?これからどうするの?」
朝食後、僕は本題に入った。キャサリーちゃんも表情を変える。
キャサリーちゃんのこれからって、かなり重要な話だからね。
「私は…………」
《キャサリー視点》
元の世界で色々あって、私は異世界であるこの世界に飛ばされました。やり残したことは沢山合ったけど、前の世界に戻りたいとは思いません。私は後のことを残してきた人たちに託しましたから。
私、いや、私たちは少し邪魔だったようです。
「おっ?お前、変な格好してんな」
「ん~。格好は変だけど、上玉だぜ?」
「ちょっとお前、俺たちの相手してくれよ」
転移直後、私がいたのは狭い場所。そんな私の周りを数人の人が囲みました。
しかも、男の人!
「やめて下さい!!」
直後のことはあまり覚えていません。でも、いつの間にか私の周りには血だまりが出来ていて、肉片が飛び散っていました。
私、これでも前の世界では聖女とまで言われた聖職者だったので、男の人との接触は少なかったんです。聖女は男の人とつながってはいけないという決まりがありましたから。そのため異性と会話をする経験も少なく、男の人に囲まれると怖かったんです。恐怖で色んな事を忘れちゃったんでしょうね。
「ねぇ君。僕とお茶しない?」
私が血だまりを見て呆然としていると、また誰かに話しかけられました。見てみると、中性的な顔をされた方が。
一目見た段階で男性だと気付かなかった私は恐怖も湧かず、
「はい!行きます!!」
お腹も空いてましたから、即答しました。
すると暫く私のことを見つめられました。私もよく分からず見つめ返します。
くぅ~~~~、
「あぅ!?……っ///」
そうしていると、お腹が鳴っていました。恥ずかしさで顔が赤くなるのを感じます。
するとすぐにその方は昼食の提案をしてくれて、私はありがたく感じながら頷きます。すぐに歩き出そうとしたのですが、
「……その格好は目立つだろうから、これ来ておいて」
上着を脱がれて、私に渡されました。
よく分かりませんでしたが、
「え?……あっ、ありがとうございます」
受け取ります。そして、自分の服を見てお礼を言いました。私の服にも少し血が付いてしまっていたんです。上着でそれを隠せと言いたかった見たですね。お優しい方に誘われて良かったです。
レストランに入るとお互い自己紹介して、
「僕は前川遙人。君は?」
「あっ。遙人さんですね。宜しくお願いします。私はキャサリーです」
話を進めて、男性の方だと気付きました。ただ気付いたときにはかなり慣れていて、自然に話を出来ます。遙人さんに事情を説明して、この世界のことなど色々と教えてもらいました。家にまで泊めてもらえることになったんですけど、入ったところで、
「男の人に家に来ない買って誘われて、ついて行った場合はそういうことを指定行って言う意味になるからね」
「え?…………あっ」
そういえばそんな話を聞いたことがあります。貴族のどなたかがおっしゃってました。
異世界は文化が違うだろうと、今回は何もしないという話に。ただ、考えてみると私はすでに聖女ではありません。私もそういうことにちょっと興味はありますし、体験したいと思ったりとか。
ですから、
「私は、暫く遙人さんに頼らせて頂けないかと思っています」
《遙人視点》
「私は、暫く遙人さんに頼らせて頂けないかと思っています」
キャサリーちゃんの答えは少し意外だった。まさか僕の所に泊まるなんて。確かに他に頼れる人はいないかもしれないけど、ここまで早く答えが出るとは思ってなかった。
僕がそんな驚きを抱いているのを感じ取ったのか、
「お金は稼げないということでしたが、家事など出来ることはやります。勿論、おつとめも務めます。ですので、どうか泊めて頂けないでしょうか」
そう言って頭まで下げてきた。そこまで言われたら僕が拒否する理由はない。
魔法なんかも使えるわけだし、出来ることは何かあるはずだよ。
「うん。構わないよ。一緒に頑張ろう!」
「はい!」
こうして僕たちの共同生活が始まった。目先の目標は今月分のお金を払うことだね。
でも、その前にまず最初にやることと言えば、
「それじゃあ、一緒にお風呂入ろうか」
「分かりまし…………ふぇ!?お、お風呂ですか!?」
「ふふっ。昨日は何もしなかったけど、今日からは沢山手を出していくらかねぇ~」
「ひゃ、ひゃい。……お手柔らかにお願いしますぅ」
真っ赤になったキャサリーちゃんを引きずって、お風呂まで連れて行く。それから色んなところでお楽しみをした。
家が広いから、色々と楽しめるね。