第31話
皆様お久しぶりです
待っていてくださる方がいらっしゃったら嬉しいです!
本日から投稿を再開するとともに徐々にすべての話を加筆修正していく予定です
また、今回から誠に申し訳ございませんが投稿を不定期とさせていただきます
ストーリーは完結させたいと思っておりますので気長にお待ちいただけたら幸いです
いきなりだけど前回までの壁こと安藤美那が置かれている状況を説明するよ!!
ヒロインのリゼ・ホワイトが私が大好きなリディア・ブランチェットを害そうと計画した!私はそれを止めべく(ついでにリゼを断罪すべく)
そして皆の頼れるグレースに相談したよ!
そしてなんと! ヴァンとの協力も得れました!
ただ条件があって、まさかのアルベルトとリディアをくっつけるの手伝ってって内容だった。
私は内心リディアはまだアルベルトのこと好きみたいだし私の協力不要なんじゃないかなと思っている。
ただ、リディアはアルベルトがいきなり距離を詰めてきて困惑。困ったリディアはグレースに相談し、グレースからの提案はアルベルトを避けることだった。そして私もそれに協力することになったんだけど──
現在、私はリゼを監視するためにリディア達の教室の天井にいるのだが、リゼが若干引いたような顔色で見ている方向を私も見る。
「……なにあれ」
リゼがポソッとつぶやいた。
いや本当、傍から見たら何あれと思うだろう。だって……
アルベルトとグレースが笑顔で睨み合っているのだ。グレースの後ろには居心地悪そうにリディアが隠れている。
「ねぇ、グレース嬢。悪いんだけどそこをどいてくれないかな?リディアと話がしたいんだけど」
「あら殿下、話なら私を挟んでして頂いて構いませんよ?」
「そんな失礼なことはできないよ、だから少し外してほしい」
「私は気にしません。殿下もお気遣いなく」
バチバチとアルベルトとグレースの間に火花がちっているように見える……。
リディアは申し訳無さやらなんやらで気まずそうにしている。
周りの生徒も二人の異様な空気を感じ取っているのか誰も近寄ろうとしない。
「二人で話したいんだ、ここまで言えばわかるよね」
「そんな重要な話ありましたか?いま学校でする必要があるのかしら……ねぇリディア、あなたもそう思わない?」
「……」
「あら?リディア、顔色が優れないわね?朝から調子があまりよくなさそうだったし保健室に行きましょうか」
気まず過ぎて微妙な顔色になっていたリディアにグレースはすかさずそう言って二人で席を立ち、足早に教室を出ていこうとする。
「! そうなのかい?気づかずにすまなかった。僕が連れて行くよ」
アルベルトはそう言ってリディアの肩に手を伸ばそうとするが、これもまたグレースがさらっと避ける
「いえいえ、お構いなく。小さい頃からずっと一緒だった私の方がリディアのことをよく知っていますし、リディアも私のほうが同性なのもあり頼りやすいでしょう。それではごきげんよう」
グレースは「ずっと一緒」の部分を強調して戸惑うリディアを連れてささっと教室を出ていく。その言葉に後ろめたさがあるのか、アルベルトは手を伸ばしたまま固まっていた。
「はぁ……」
アルベルトは顔に手をやり、やれやれというように首を振る。
先程までのやり取りを静かに見守っていたクラスメイト達はコソコソと話しだした。
「グレース様、アルベルト殿下にあのような態度を取って大丈夫なのかしら……」
「グレース様だもの、ある程度は殿下も許していらっしゃるんでなくて?」
「最近殿下がリディア様に猛アピールしているように見えますわよね」
「そうね、以前はリディア様が殿下に張り付いていたのに……」
「じゃあリゼさんは殿下に振られたってこと?」
周りがリゼを見ながらコソコソと話し出す。中には嘲笑している人たちもいて、リゼは顔を歪める。
私もリゼの味方をするわけではないけれど、こういう空気は嫌いだ。
「……コホン」
その咳払いでピタッと周りの声が止む。アルベルトがさっとあたりを見回してにこやかに告げる。
「騒がせてすまないね、君たちが言う通り今は僕がリディアを追いかけているんだ」
その言葉に一気に教室がざわめいた。かく言う私も思わず「はっ?」と声が出たほどだ。リゼは固まっている。
「事情があって距離をおいていたんだけど、その事情も落ち着く目処がたってきたんだ。だからリディアに振り向いてもらおうと頑張っている。皆も静かに見守っててくれると嬉しい」
そう言ってふわりと笑うアルベルト。教室の生徒たちはその笑顔に暫し見惚れ、うんうんと慌てて首を縦に振る。
以前の私でもモブのみんなと同じような反応をしていたかもしれない。……だがしかし、今の私の心境は──
(周りから囲っていくタイプか!!それはそれで萌えるけどリディアの気持ち考えるとめちゃめちゃ複雑なんですけど!?)
超複雑。
そも、リディアがアルベルトのそばを離れたのはアルベルトがリゼが近寄ってくることに何も苦言せず、リディアにフォローも入れてなかったからじゃん!?じゃなきゃリディアがあそこまで落ち込む?リゼのこと好きだったんじゃないの?
いや、言っている通りに事情があるかもしれないけどそうだとしも……
(まずリディアに弁明してくれよ〜!!!)
アルベルトが推しだったくせに今自分はどうしてこうも推しに心の中で怒鳴っているのか?
私にとって一番大事なリディアを軽んじられているようで許せない、という気持ちが湧き出て来る。
しかも今の話でリゼについて一切触れていない。
これは完全にリゼに興味がないといったも同然ではなかろうか?では今までの態度は何だったのだと言われるだろう。まぁ顔面で今その状況を消し去ったのだが……この顔面整いすぎ野郎め
今もキラキラとエフェクトかかりまくっていてそれが余計に腹立つ。
リゼを見ると、リゼは怒りなのか羞恥心なのか顔を真っ赤にして俯いていた。攻略対象が自分ではなく悪役令嬢を選んだのが信じられないのかもしれない。
リゼは勢い良く席を立つと走って教室を出ていく。私はそれを追いかけたのだった。
✽
教室でそんなやり取りがあったのも知らずにわたくしはグレースに連れられて保健室へ来ていた。
「──ふぅ」
「お疲れ様、リディア」
保健室に教員はおらず、わたくしはベッドへと腰掛ける。そこに見計らったようにグレースが声をかけてきた。
「グレース、あれはあからさま過ぎじゃないかしら……」
「ええ?私がいつさり気なく、あからさまな態度は取らないって言ったの?」
「………………」
わたくしの言葉にグレースはとぼけたように首を傾げて言い放つ。その姿に呆れて黙ってしまう。
「あんな態度を続けたら、流石に咎められるわよ」
「わかっているわよ、でも私も殿下に怒ってるからねぇ。ちょっとくらいは腹を立ててもらわないと」
その言葉にわたくしは驚く。グレースが殿下に怒っている?何かあったのだろうか?
グレースは普段怒ることがあってもそれを態度や口に出さない。そのグレースが珍しく「怒っている」と言ったのだ。余程のことがあったんだろう。
「何かあったの?」
「ええ、あったわ」
グレースは演技がかったように頬に手をやりため息をつく。
わたくしは一体何があったのかと少し緊張しつつも続く言葉を待った。
「大事な友人を長い期間蔑ろにされたわ」
「はっ?」
目の前にいる人物は今なんと言ったのか。
わたくしは暫く口を呆けたままグレースを見つめていた。そんな姿が面白かったのかグレースが吹き出す。
「ぷっ……リディア、今すごく面白い顔してるわよ?」
「ちょっと!」
グレースはわたくしの諫める声も気にしていないのか、笑い続ける。
その姿を見て、わたくしもなんだか今の状況を面白く感じてしまい吹き出してしまった。
「あはは……!わたくしはいい友人を持ったのね」
「そうよ〜?私がいたことに感謝してもらわないと」
「あはは!」
そうやってわたくしはグレースに頷き他に誰もいない保健室でしばらく笑い合うのだった。
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