第17話
「リディアさん!生徒会のメンバーって誰ですか!」
「生徒会?どうしたのよ急に」
「とにかく教えてください!」
私の勢いに戸惑いつつ、リディアは生徒会について詳しく教えてくれた。
「会長は殿下よ。副会長はセルジオ・ヴィスコンティ様、宰相の息子で頭もいいし仕事も早いわ。会計はグレン様がしているわね」
グレンサボり魔なのに会計してたんか……!!そういやそんな話姉から聞いたような、ないような……。
セルジオ・ヴィスコンティは確か眼鏡をかけていて、忠誠心も強くお堅いキャラ。
だけど実は殿下の出来の良さに、自身とは比べてはいけないとわかっていても嫉妬心があったらしい。攻略するときはその複雑な心境を理解して慰めていって……という流れだったはずだ。
姉の話によれば惚れた人にはとことん優しいとか、ギャップが素晴らしいって言っていた気がする。
「それから書記にマリー……マリー・ガーランド令嬢がいるわ。セルジオ様の婚約者でわたくしの友人でもある。温厚な方よ」
マリー・ガーランド!姉から聞いたリディア以外の邪魔者キャラだったはずだ。といっても、殆どリディアがマリーの代弁をしていてマリーはその後ろに立っていただけだったから印象が薄いと言っていたな。立ち絵がタレ目で優しい雰囲気の令嬢って感じで私は好きだった。
「あとは殿下の補佐として生徒会の雑務をしているのがヴァン・フェルヴァークね。殿下の従者でもあるわ」
ヴァン!そうだ思い出した。ずっとアルベルトの側にいるのがヴァン・フェルヴァークだった!でもこのキャラは攻略対象じゃなかったんだよね……。
髪が長めで後ろで纏めてた。快活な性格で、八重歯がありニパッと笑うのが印象的なキャラだ。
アルベルトにも軽口を言う人なのだが、アルベルトは信頼しているのもあってそれを許していた。
アルベルトルートでアルベルトとある程度仲良くなるとアルベルトの居場所を教えてくれたりなどちょっとしたお助けキャラだった。
結構人気があって続編があるなら是非攻略対象にって希望がたくさんあったらしいし、イラストとか創作界隈でもよく描かれていた記憶がある。
「主なメンバーはそれくらいかしら。わたくしとグレースも雑務を手伝ったりするけれど……」
「……ん?リゼは役員ではないのですか?」
「あの女が生徒会なんて入れるわけないじゃない。成績全く良くないのに。」
「えっ!」
リゼが生徒会に入ってない!?ゲームでは癒やしの魔法が使えることもあったし地頭が良かったから生徒会に入れたはずだけど……それに勉強コマンドで学力を上げれたから成績も良い扱いになってたはずだ。……なのに、今リディアはリゼは成績が全く良くないと言った。
「勉強コマンドがないってこと……?」
「コマンド?」
「あ!いえいえ、こちらの話です。物語でリゼは頭良かったんですけどね……」
じゃあリゼが今攻略がうまく行っていないのはそれが原因じゃないの?生徒会でのイベントを発生させれてないってことだよね
「まぁ、あの女も特に何もできないくせによく生徒会室に顔を出すわ。息抜きも大事です、とか言ってね」
「早く仕事を片付けてお茶をしたほうが良いに決まってるのに邪魔ばかりするのよ」とリディアはこめかみを押さえて言う。
生徒会に入れなくても生徒会でのイベントを起こしたいがためにやってるんだろうな……リディアの反応を見る限り邪魔しかしてないのだろうけど。
「そういえば、殿下が一人が好きと仰ってましたが、ヴァンさん……?は平気なのですか」
少し「ヴァン様」と呼ぶべきか迷ったがリディアのことも「リディアさん」と呼んでいるので統一することにした。
「平気なんじゃないかしら?同性だし、いつもべったりそばにいるわけでもないから」
「そうなんですか」
従者だけどいつもそばにはいないのか。ストーリーと一緒でお助けキャラなのだろうか?
「それで?あなたのしってる物語とはかけ離れてた?」
「うーん、リゼが生徒会に入っていない点は相違してましたが他はまだよくわかりませんね」
リディアの設定で書かれてた性格と実際見てみたその人柄は違うかったわけだし、自分で確かめてみたい。
「私、生徒会に行ってもいいですか?観察したいです」
「だめ。仕事に集中できないわ」
「即答!?私の存在そんなに集中力削りますか!?」
了承得るも何も勝手に生徒会の壁に出てきたらいいんだろうけど、念の為確認したらまさかの拒否。しかも理由が集中できないってそんなに私怖い?
「グレースが集中できないと思うわ」
「生徒会室の壁に顔があるのが非日常的で笑うと思う」とリディアが真面目な顔をして言った。
……もしかしてグレースって出会った時から少し思ってたけど、全然クールビューティーじゃなくてただの面白いことが大好きな人なのでは……?
「グレースさんがいないときに行きますね……」
「くれぐれも誰にもバレないようにしなさいよ」
今の所私が念じず、私の姿を見れたのはリディアだけなのだがそれでも念には念をとリディアが釘を差してくる。
光魔法を霧散させてしまった時にあれだけの人が私のことを見れなかったのだからもう大丈夫だと思うのだが、私はひとまずリディアの言葉に軽い返事をしたのだった。
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