表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/6

2 ヒロイン、中一時代を回想する

 よく『計画的犯行』などと言われるけれど、私に言わせれば、上手(うま)(おこな)いたければ何でも計画的にするべきだと思う。事前の準備と努力で全ては決まるのだ。


 私は中学で『勉強会』を行うつもりだったので、その準備として小学生の頃から熱心に勉強していた。勉強できない子が勉強会を主催(しゅさい)するのも滑稽(こっけい)だろう。努力の甲斐(かい)あって、私は同級生の子から「お願い! 私の成績を何とかして!」と頼られるくらいの存在となっていた。


 小学校から中学校に上がって、勉強で悩んでいる子というのは居るもので、まずはクラスメートの中から私はそういう子を勉強部屋へと招待した。週末に、マンションに泊まり込んでもらう形式である。もちろん、その子の両親からは外泊の許可を取っている。


 一人ずつ、勉強部屋に連れ込んで、()()()()()()()()。一回くらい、相手の子が怖気(おじけ)づいて拒否される事もあるのではないかと思っていたが、(さいわ)いそんな事は全く無かった。勉強が苦手で追い詰められている子からすれば、私の誘いを断るなど思いも()らなかったらしい。


 私には才能があったみたいで、私との勉強会の後で、相手の子は必ず成績が上昇した。将来は教師になろうかなぁ、いや()めた方が良いんだろうなぁ(など)と私は思ったものだ。生徒に手を出す教師というのは不味(まず)いでしょう、やっぱり。


 そんな訳で、私が勉強会で仲良くなる相手は同級生の子ばかりで、中学二年生になってからは下級生も対象となった。上級生を勉強会に呼んだ事は一度も無い。「お姉さま、私が勉強を教えてあげましょう」などと言い出すのは、やはり不自然だろう。


 順を追って中学一年生からの話をすると、まず私は、勉強ができないクラスメートを勉強部屋に招待して。その後、他のクラスメートも一人ずつ誘っていった。普通は誰でも苦手な教科(きょうか)科目(かもく)があるもので、そして私は普通じゃなく全教科、全科目に精通していたのである。


 勉強ができなくて(あせ)っていた子と違って、学力(がくりょく)が高い子は、私という『お嬢様』に興味があったようで「どのくらい、お金持ちなの?」などと質問されたものだ。「マンションの(フロア)を買い与えられるくらいだよー」と、彼女たちの好奇心を刺激して、私は部屋への誘い込みを続けたものだ。


 ほぼ週に一度のペースで、相手の子を変えていくものだから。クラスメートの子に付いては、私は味わい尽くしてしまった。まあ一度だけで終わらず、何度も勉強部屋に来るリピーターも居ましたけどね。遊園地でも何でも、人気の場所には熱心なファンが付くものなんでしょう。


 自分で言うのも何だけど、私は彼女たちを恋愛対象として()()()()()()()。そもそも私は、恋をした事が無いのだと思う。私は特定の誰かだけに、心を(とど)めた事が無い。世の分類には複数愛(ポリアモリー)という、一対一に留まらないスタイルがあるそうで、私が求めているのはそれなのかなぁとも思う。違うのかも知れない。お勉強が得意な私も、まだまだ分からない事はあるのだった。


 花で(たと)えれば、私が好きなのは百合という種類の全体なのだ。花を愛する人は、そういうものだろう。特定の百合だけを愛して、他の百合には目も向けないという人は変わり者として(あつか)われるものだ。私は花のように、女の子という種類の全体に執着していた。


 簡単に言えば、私の内面は(ちょう)肉食(にくしょく)(けい)だった。みんな私の外見(がいけん)(だま)されてしまうのだ。お嬢様の(たしな)みとして、私は家でピアノを()いている。その結果、指の力が強くなっていて、これはベッドで女の子を喜ばせる時に役立(やくだ)った。何が役に立つか分からないものですね。


 いつも相手の子は私より身体(からだ)が大きかったけれど、ベッドで寝てしまえば、すぐに視線の高さは同じになる。するすると私は女の子の(ふところ)に入り込んで、文字通り、指一本で征服できた。


 もちろん指一本だけで終わらせるつもりは無い。十本の指、舌、その他の部位を使って私は女の子たちに喜びを与えていく。ああ、大丈夫ですよ、お母さま(がた)。私は娘さんの処女を奪った事はありません。みんな綺麗(きれい)な身体のままなので安心してください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ