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425話 いつもの無理難題と松永久秀襲来

ども、坊丸です。


日々、奇妙丸様の小姓衆業務を頑張っている坊丸です。

理助のヤツが早く戦場に立ちたいってんで元服初陣の上に奇妙丸様の小姓衆を抜けやがったので、九月から忙しくしている坊丸です。

指導役と教えを請う人間の割合が悪化しやがりました。理助こと盛政君が小姓衆を抜けたので!

武芸の訓練の時に、槍三人衆弓三人衆の方々からご指名の上、矢面に立たされる事が増えました。理助こと盛政君が小姓衆を抜けたので!


はっ。意識をしっかり保たないと自分の暗黒面、魔闘気が理助を襲ってしまいそうです。


でも、一つだけ良かった点が。お市の方様からの無理難題が終了しました。

お市の方様の婚礼調度、後出し差し替えの品が完成したんです!

職人さん達が気合い入れすぎたせいで完成まで約一年かかりましたよ。いやー、長かった。今までの品は漆塗りじゃなかったんでね、比較的短期間で制作できましたが…。下絵は何となくお市の方様のご希望を聞いてたんでね、早く決まったんですが、どこに螺鈿細工を入れるか相談したり、下塗りからの仕上げにこだわったり。主に職人さんのこだわりが炸裂しました。他国に出すのに(ひん)のない(しな)は出せねえ!って。


そんなわけで、差し替えの婚礼調度達が完成し、無事に小谷城に発送されました。

自分で持って行くつもりだったんですがね。怒られました、婆上様とお桂さんに。

婆上様からは、信長様や徳川浅井の方々が上洛戦をしているのに、なにやっているんだ!と。お桂さんからは、奇妙丸様が留守居役をしているのに、小姓衆が他国に出向くとは何事か!と。


むぅ。正論すぎでぐうの音もでねぇ有様でしたよ。仕方がないので、浅井家とやりとりしている奉行衆に頼みました。そして、差し替えの品を必ず持って帰ってくるように!と熱く伝えたおかげで、先行試作型婚礼調度遊具形態は晴れて、自分の手に入りました!やったね!


それと、文を一通忍び込ませました。「嫁ぐ時に既に多くの方々から聞いてはいるでしょうが、嫁入りした女性は実家に嫁ぎ先の情報を報せる役目もございます。浅井長政殿が織田を裏切るようなことは無いとは存じますが、人の心は移ろいやすく、魔が差すもの。万に一つ、怪しき動きがある時は、伯父上に何かしらお知らせいただけますように」との文面で。


まぁ、浅井長政殿が裏切るのは確定だと思うんですよね…。元服前でやれることが限られる自分の手は浅井長政殿までは届かないだろうし。なので、お市の方様に小さい釘を刺して置くことにしました。無駄かも知れんけど。


そんなことをしながら、上洛戦の裏の日々を過ごしたわけなんです。はい。


佐久間盛政君、万に一つ、小姓衆復帰しないかなぁ…と思っとりましたが、そんなことはなかったわけです。


そして、年末が近づいてきたわけですが、ここで困った事態が一つ。来年の新年の儀で、誰が奇妙丸の周囲に侍る小姓係やるのか問題です。


理助が小姓衆を抜けたので、一期生は三名。後から加わった二期生は四名。一期生メインだとしても、二期生から一名選抜しないといけません。そこを一期生とお桂殿で打ち合わせしておかないとね。奇妙丸様のところに相談に行くのに案がないわけにもいきませんから。


あ、ちなみに自分、一年長く新年の儀で小姓役してますからね、抜けてもいいんですが。弟竹丸も辞退させますから、二枠に三名ですな。

美濃に移ったんだから美濃衆代表として稲葉吉祥丸君、城持ちのお子さんなんで坂井政尚さんとこの松千代君が妥当かなぁって思うわけですよ、自分としては。


と、そんなふうに思っとったこともありました。え〜、結論から申しますと、奇妙丸様よりも上、即ち信長伯父さんから新年の儀は二期生にやらせろとお達しが参りました。十二月十五日過ぎに。

ハッハッハ。マジすか?期日的に見て、シンプルに地獄っすよ。今から二期生全員に立居振舞を全て叩き込めと。一期生とお桂殿で。

ハッハッハ。伯父上のご下命は絶対なので、やり遂げます。やり遂げますがね…。


そんななか、信長伯父さんからまたしても届くご下命。

『十二月二十四か五日に大和多聞山城から松永久秀久通父子が岐阜を訪問するので、奇妙丸も嫡男として顔をみせよ』というもの。


これ、二期生四人の予行演習にちょうどいいんじゃないすか!と話し合ってたら、『堀久を貸すから松永久秀殿と対面する際の奇妙丸様の小姓役は一期生でやれ』との追加のご下命が。


ええっと一期生+堀久殿で小姓衆四人のフォーメーションを公式の場で行って、二期生達の見取り稽古的な感じにしろってことですか?今更?この時期に?


信長伯父さんは良かれと思って余計なことを指示してくる現場がわかってないタイプのクライアントさんですか? はぁぁぁぁぁ、やれやれ、だぜぇ。

あ、ちなみに堀久ってのは堀久太郎秀政て名前で最近入った俊英の呼び声高い小姓衆の一人ね。少し前に、信長伯父さん所属の小姓衆詰所で長谷川橋介さんたちを待ってる時にキビキビ働く姿を見たような気がします。


普段から信長伯父さんの左右に控える小姓衆としてのお仕事をやられていますからね、堀久太郎殿は。二十三日に一、二度動きと立ち位置の確認をしたらすぐさまできるようになりやがりましたよ。やり慣れているってだけじゃなくてね、堀秀政殿本人の地頭の良さ、能力の高さが感じられましたよ、ええ。くっ、悔しくなんか無いんだからな!


そんなこんなで、十二月二十四日。

松永久秀久通父子が岐阜城を訪ねて参りました。


「信長様、ならびに嫡男の奇妙丸様にお会いできて、この松永久秀、恐悦至極にございまする」


「久秀が嫡子、久通にございまする。父ともども、お見知り置き、お引き立てのほど、宜しくお願い致しまする」


「うむ、二人とも義昭様の将軍宣下とその後の祝いの宴以来であるな。大和よりよくぞ参った。隣にいるのが、奇妙丸である。奇妙、挨拶を」


「義昭様の御為、父上とともに奮戦したと聞き及んでおります。今後とも宜しくお願い致しまする」


「「ハハッ」」


「で、久秀。岐阜には何時までおる存念だ?」


「はっ。信長様のお許しがいただければ、年末年始を岐阜で過ごし正月のご挨拶をさせていただくまで、逗留致したく存じまする」


「あい、分かった。立政寺であれば、賓客の逗留にも慣れておろう。後で差配させる。年明けまで岐阜でゆるりと過ごすが良い」


え?松永久秀さん親子はすぐに奈良には帰らないんだ。

だから、三好三人衆の方々は年明けすぐに足利義昭様仮御所の本国寺に攻め寄せたんだね!

やっと謎が解けたよ!

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宜しくお願いします。



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