表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

415/481

415話 久しぶりの石田村です

ども、坊丸です。

最近は奇妙丸様の小姓衆としてお仕事しつつ、岐阜城下柴田屋敷に住んでいる坊丸です。

そうそう、なんと最近、奇妙丸様の小姓衆に新メンバーが入ってローテーションが楽になりました。

といっても、うちの弟こと竹丸と佐々政次さんの遺児である清丸、坂井政尚さんところの次男こと松千代くん、稲葉良通さんところのお孫さんの吉祥丸くん。の四名。

稲葉良通さんところの吉祥丸くんは、以前に稲葉山城攻めの時、人質として尾張に来ていた子ですな。


うちの弟こと竹丸、佐々政次さんの遺児清丸くんは柴田家保育園から抜擢。佐々成政殿が家督を継いでるけど、佐々政次殿と孫介殿の功績も鑑みて、いずれ別家を興させる布石でしょうか。

坂井政尚さんは城主を拝命してますからね、家老格だけじゃなくて部将格のお子さんから抜擢。

稲葉良通さんは最近麾下に入った外様なのに奇妙丸様の小姓を出すってことはそれなりに厚遇されてるってことでしょうか?


ちなみに信長伯父さんのところにも美濃攻略後に小姓衆増員したみたいだし。美濃の堀家からは堀久太郎さんとか、長谷川橋介殿の甥っ子の長谷川竹さんとか。

美濃からも側近候補の信長伯父さん付き小姓衆取るなら、奇妙丸様付き小姓衆に美濃出身者が入っても、おかしくはないわけで。


まぁ、そんなかんじなわけなんですが、人が増えたおかげで、前よりすこしばかりお休みをいただけるようになりました!やった!休暇バンザイ!


って、なると思っていたんですが、そういうわけにも行かず…。


お市の方様からのご依頼の婚礼調度、差し替え分の最終仕上げを確認しに行ったりしております。

なんだか知らんけど、奉行衆の村井貞勝殿や島田秀満殿が時々小谷城にも行ってるらしく、奉行衆経由でお市の方様から差し替え分はどうなっているのか?という問い合わせが来たりするもんだから、進捗の確認なんぞをする羽目に。


さらには、柴田の親父殿から石田村の様子見てこいとか言われるし。知ってます?自分、元服前なんすよ?いわば未成年なんすよ。ほんと勘弁してくださいよ〜。

元服前なのにこんな量の仕事してるのは信長伯父さんのお気に入りで超有能な小姓衆か自分くらいっすよ。全く。


まぁ、預かり親の柴田の親父殿からの命ですから、行きますけどね、石田村。あ、せっかくだから加藤さんも一緒に行ってもらおうっと。水車とか養蜂の器具とかのチェックやメンテも兼ねてね。

自分は農業改革した田畑が問題なく運営できてるか確認するのがお仕事だし。って、それは柴田家の代官職がやることなんでは?っとか思ったら負けなんです。きっと。


そんなわけで、『農業改革が間断なく成就されているか確認するため!石田村よ!私は帰ってきた!』

って、思いを胸に石田村の入口に到着。

え?「思いを胸に」って、口にしてないのかって?嫌だなぁ、このセリフを口にできるほど、度胸無いし。だからこその『』ですよ、モノローグですよ。ウンウン。


村の入口で下馬して、名主屋敷に向けて加藤さんと村や田畑を見ながら、ゆっくりと歩いていきます。

「時は今 稲穂伸びゆく 皐月かな」ってね。ウンウン、稲の生育は良さそうですな。まぁ、皐月っていってもあと数日で水無月ですが。


そんな感じで歩いていると、仁左衛門さんが慌ててこちらにやってきます。


「坊丸様、加藤殿。お出迎えせず申し訳ありません。今日明日にお越しになるのは伝え聞いていたのですが…」


と、平謝りの仁左衛門さん。


「いえいえ、稲の様子なども見たかったので、大丈夫です」


「この村の恩人の坊丸様をお出迎えするのに、お代官様よりも準備できていないのが申し訳なく…」


「ハッハッハ。先触れを出さない自分も悪いのですから、致し方ありません」


「坊丸様、ですから半刻ほど前、自分が先触れをして来ると言ったではありませんか」


「と、まぁ、加藤さんが先触れをしてくれる話もあったのですが、加藤さんと轡を並べて石田村までゆったり向かうのも、乙なものですから」


「ハッハッハ。坊丸様と加藤殿の主従は本当に仲が良いことでございまするな。さて、当家の屋敷も見えてまいりした。一休みしていただいたら、村を見て回りましょう。皆も坊丸様が来たと聞けば喜びましょう」


そんな話をしながら、仁左衛門さんの名主屋敷に到着です。長屋門の脇には柴田家よりも一回り小さい馬屋があるので、そこに馬を繋いでっと。そうそう、仁左衛門さんの馬屋には馬だけじゃなくて牛も数頭居るんだよね〜。だからこそ、牛乳を手に入れられるんじゃないかと画策したわけですが…。まぁ、現状手に入ってないんですがね。クッ。信長伯父さんからの御免状が活かされていないんですよ…。


「べぇ~〜」


馬を繋いで母屋に向かおうとしたら、馬屋から聞いたことない鳴き声が。

チラッと見に行くと、子牛が牛達が繋がれるエリアにおりました。


「あぁ、子牛でございますよ。年明け少ししたころに産まれた子でございます。石田村も少し余裕がでてまいりましたので、馬や牛を以前よりも殖やしていこうかと思いまして。祖父や親父の代はどうにか手に入れた牛馬の血を絶やさぬ様にするのに精一杯でしたが、これからは村の中で徐々に殖やせればと思っておりまする。これも、坊丸さまのおかげでございまするな」


いや、それは、とても良いことなんですがね。子牛が産まれたんですよね。と、言うことは、母牛は乳を出しているはずですよね!

そう、美味しくて栄養価が高くて色んな美味しいものの原料にもなる魔法の白い液体!牛乳をね!

最近、なかなか手に入らないからね!ここで、ゲットしたいよね!

少しでも「面白い!」「続きが気になる」と思った方は、下の★でご評価いただけると、作品継続のモチベーションになります。

宜しくお願いします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ