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325話 メイキング・オブ・ドラグーン 前段

ども、坊丸です。


鉄砲騎馬隊(ドラグーン)を作れと、春に無茶振りをされてはや、数ヶ月。


柴田家の中間、若衆や柴田家家臣で鉄砲に興味がある人たちを中心に鉄砲と乗馬のスキルを上げて行く作業中の坊丸です。


柴田家には鉄砲の煙や音に慣れた馬が普通に十頭近く居ますので、馬の確保は簡単です。


なんてったって、小牧山城に来るまでは、普通に屋敷内に簡易的な鍛冶場と鉄砲の試射場がありましたからね。そりゃ、馬小屋の馬たちも慣れるってもんです。

最初は、馬が暴れる!って馬丁の方々にメチャメチャ嫌がられ&怒られましたが。


小牧山城に来てからは、流石に鉄砲の試射は不許可となりました。

まぁ、大手門から本丸御殿に向かう道の側、重臣格の屋敷が並ぶような場所で鉄砲の発射音をさせていたら、近所迷惑だしね。

それ以上に、城に襲撃でもあったと思われるから止めたほうがいいと、吉田次兵衛さんに本気で止められました。


なので、小牧山城近くの河原で信長伯父さんの鉄砲の修練にあわせて、柴田家の面々には練習してもらっております。


まぁ、柴田の親父殿にも鉄砲騎馬隊についてのご下命がありましたので、柴田家の面々も鉄砲の修練を真面目にやってくれます。

もともと、若衆、中間の皆さんは騎馬武者に憧れがあるから、乗馬の訓練は喜んでやってくれますしね。

まぁ、乗馬の訓練は、吉田次兵衛さんが以外とスパルタなかんじで行うんですが、若衆、中間の皆さんは、いつものことみたいなんで、大丈夫みたいです。


鉄砲の指導は自分と加藤清忠さんが担当。自分は装填とか火縄の管理について担当しているだけで、それ以外の大半は加藤さんが、担ってますが。


両方できるようになった人から、鉄砲を持った状態での乗馬訓練と馬を止めての射撃、走らせながらの射撃なんかも訓練してます。


自分の運用方針としては、「本陣で装填→攻撃対象ちかくまで騎馬移動→停止→射撃→離脱して本陣で再装填、再出撃」って言う一撃離脱の遊撃部隊的な発想だったんですが…。


「本陣で装填→攻撃対象まで騎馬移動→そのまま騎馬移動しながら射撃→吶喊」という練習もしてらっしゃるんですが…。

誰が始めた?これ?そんな指示はしてないよ!坊丸君は!


え?柴田の親父殿がその攻撃方法も練習しとけって言い出したって!


柴田の親父殿、どんだけバトルジャンキーなんだよ!

移動中の射撃だと命中率下がるでしょ?それに射撃後は鉄砲を持ったまま突撃とか駄目でしょ、普通。


そう思ったので、柴田の親父殿のところにどういうつもりなのか確認に行きました。


と、柴田の親父殿のところに滝川一益殿も来てらっしゃる。

信長伯父さんの小姓衆や母衣衆をベースにした鉄砲騎馬隊については、格下の自分がやるわけにいかないし、格下だと言うことであいつら言うこと聞かないだろうから、滝川一益殿にお願いしますと、仕事を丸投げし…、適正な能力と地位のある人物に適切に業務分担してもらうように信長伯父さんに進言したんでしたっけね。


「ふむ、柴田殿、それなりの腕のものが何名かできたのですか。既に、乗馬と鉄砲の両方をこなしているとは…」


「ああ、うちは幸いにも馬のほうが先に準備できていたからな。まずは、柴田の家にいる若衆にやらせている。まぁ、奴らも早く武功を上げたい気持ちがあるから、素直に云うことを聞いているし、頑張っているな」


「はぁ~、それがしの任された母衣衆や小姓衆もそうであれば楽なのですが…」


「言うことをきかんのか?一益の」


「前田利家や佐々成政、中川兄弟達は、槍働きこそ、武士の華とばかりに鉄砲の修練に身が入りませんし、金森らは鉄砲の腕を考えると使い物になりませぬ。

殿のお気に入りの小姓達と池田恒興くらいしか鉄砲も乗馬も両方達者な者はいない有り様。

それに彼らの乗る馬が、鉄砲の音、煙、玉薬の匂いになかなか慣れませぬ。

今日も何頭かは連れてきておりますが…、まぁ、暴れておりますな」


「まぁ、馬は繊細な生き物ゆえな。我らでも驚く音と煙にすぐ慣れろと言ってもどだい無理ではあるな」


うんうん、二人ともお話中、すいませんね。坊丸君ですよ。


「親父殿、こちらにいらっしゃりましたか。これはこれは、滝川様。不沙汰しております」


「どうした、坊丸。なにか問題でもあるか?」


「はっ。然らば、二つほど。滝川様は小姓衆の馬を連れてまいりましたが、当家はいかがいたしますか?

後、数騎は揃えねば形になりますまい。

寄騎衆などにも声をかけて、鉄砲の音、煙に慣れた馬を増やすべきかと。

それと、それがしは鉄砲を放ったあとは、一度本陣に戻って再装填。また出撃してを繰り返す、一撃離脱の遊撃隊として考えておりましたが…。

修練の様子を見るに、鉄砲を放った後は、戻らずにそのまま突撃するので?」


「戦はどう動くかわからんからな。鉄砲を撃ったあとに突撃することもあるかもしれん。思いつくことは全部試すし、修練もする。そういうことだ。

馬は少しづつ増やす。当家でも何頭か増やすし、寄騎や配下には鉄砲騎馬隊の話はしている。

いきなりは増やせんが、徐々には増やす。まぁ、待っておれ」


馬の話は了解しました。

しましたが、鉄砲騎馬隊は運用方法をキチッと決めずにその場の勢いでどう使うか変えるかもしれないんですね。

脳筋で行き当たりばったりになるのは、あまりオススメしませんが。主に、自分の筆頭家臣である加藤さんの命の為に。


「ふむ。鉄砲騎馬隊と聞いていたが、坊丸殿としては、そのようにお考えか。鉄砲隊は迎え撃つのに向いていると考えていたが、確かにその使い方なら、騎馬の良さも鉄砲の良さも活かせますな」


ほらぁ、自分の考えた運用を褒めてくれてますよ!滝川一益殿も!

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宜しくお願いします。



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