表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

313/482

313話 虎哉禅師とともに

またまた、期間があきました。

どうにも、すいません。ぼちぼち書いていきますので、ご笑覧下さい。

ども、坊丸です。


いま、政秀寺は虎哉禅師のもとに来ております。


いやはや、昨晩は大変でした。前回みたいに死んじゃうんじゃないかって思われて大事になるようなことはなかったんですが、気が付いたら仏間にて一人でいつの間にか倒れておりました。

すぐに起き出したのですが、身体中節々が痛いわ、軽い吐き気が残っているわで、なかなか辛いものがありましたよ。ええ。


一人で仏間を出て、自室に下がったわけですが、桃花さんからは何か視線を感じるし。

弟たちは、調子が悪いといったのに構わず絡んでくるし。


ちなみにどうでも良いことですが、弟たちの幼名は力丸と千丸です。

自分とは母親が違い、側室で春田御前こと、尾張海部郡の国人春田刑部殿の娘さんです。


なので、我が母、高島局系列の腰元だったお妙さんは、自分に対する時と下の二人への対応の際、熱量が違う感じ。

本当にどうでも良いことですが。


まぁ、天使級10598号さんと会ったあとはそんな感じで、吐き気もあったので、頭の中にあるデータを確認しながらすぐに就寝。

というか、自室で着物をひっ掛けて横になりながらデータを確認し始めたら即、寝落ちしました。

もしかして、預言とか脳にデータを直に書き込まれるのって体に悪いんじゃなかろうか?


自分と同じ状況なら、預言を預けられた直後の預言者は二日酔い並みに体調不良かもしれない。大丈夫だったのか、モーゼやイエス・キリスト、ムハンマド=イブン・アブドゥッラ−フ。

ま、彼らは四大天使級か預言の書き込みしただろうから、大丈夫なのかも知れませんが。


そして、一晩寝たらスッキリしてたので、一安心。

ゲットしたデータの閲覧、検索も問題ないし。


睡眠についてはまだわかってないことが多いと聞いたことありましたが、少なくとも、天使級からの脳へのデータの直接書き込みとその情報の整理には有効のようですよ。


それはさておき。本日は政秀寺に来ております。


理由は虎哉禅師へ漢方薬の製造依頼&加藤さんの診察依頼。

虎哉禅師は、薬草園を作るくらい生薬の知識がある感じですから、漢方医としての知識もあるんじゃないかなぁ…と。


自分でも漢方薬の知識はゲットしましたが、虎哉禅師が診断処方した形になってくれると自分の知識や活動を隠せるんじゃないかなぁ…、などと考えたり。


で、虎哉禅師と面会を取り付けました。まぁ、勉学しに来た後の時間を多めに取ってもらっただけですが。


「師父殿。師父殿に以前見せていただいた薬草園、素晴らしいものでございました。あの様に生薬の素となる草花を育てておられるということは、医薬についても深い造詣をお持ちと存じ上げます。願わくは、我が家臣の加藤清忠の診察をしていただけないでしょうか?宜しくお願い致します」


そう言って深く頭を下げます。


「あの坊丸が、拙僧の事を師父殿などと言いよるから、何事かと思ったが…。そなたの家臣を診察して欲しいとのことだったか。ふぅむ」


「師父殿。何卒宜しくお願い致します。加藤清忠は、それがしの思いつきを形にしてくれる稀有な人材でございます。

そして、伯父上から直臣への誘いがあってもなお、謀叛人の息子たるそれがしの側にて仕えたいと言ってくれるまさに股肱の臣というべき者。

其の者が、今、肺病(はいわずらい)にて苦しんでおりまする。彼の者の忠義に応えるは今。加藤清忠の病を治す為に、師父殿のご助力、何卒、よろしくお願いします」


「坊丸。診察は致す。なれど、拙僧はあくまで僧侶。

甲斐より尾張にて至る道すがら、『甲斐の徳本』こと永田徳本先生の居る信濃諏訪に赴き、十日程、教えを乞い、実際に治療や処方を行う事にも立ち会った。

いくつかの書物も書き写させてもらったし、そこに書かれてある草花も集めては見た。

なれど、所詮は付け焼き刃。

本職の医師薬師に比べれば知識も腕も一段も二段も落ちるのだぞ。それでも良いか?

お主ならば、信長様に泣きついて、織田家出入りの医師や薬師を紹介してもらうことも出来るやも知れんぞ」


「確かに、伯父上に泣きつくこともできるとは思います。思いますが、今は何よりも速さが肝要と考えます。何卒、師父殿のお力、お知恵をお貸し下さいませ」


「あい分かった。加藤殿は知らぬ仲でもない。拙僧にできることは、いたそう。善は急げと申すしな。今から参ろう」


「有り難き幸せ。宜しくお願い致します」


そう言うと、虎哉禅師は、自室にもどり網代笠、墨染直綴に二冊ほどの書籍を入れた袈裟文庫を持った簡易型の雲水姿に着替えて来ました。


その間、自分は寺男の人に加藤さんの住所を伝えて、先触れをしてもらうようにお願いしておきました。


「どれ、坊丸。参ろうか。それにしても、墨染直綴の雲水姿は良いものだな。甲斐から政秀寺来たときの修行の旅を思い出す」


「では、参りましょう。師父殿」


よし、虎哉禅師を引っ張り出せたぞ。後は、虎哉禅師と相談しながら、ゲットした知識をもとに漢方薬の処方までこぎつけるぞ!

甲斐の徳本こと永田徳本は、室町から江戸期初期の医者、本草学者。

田代三喜、曲直部道三と並ぶ方。


武田信虎追放後、信濃諏訪に在住し地域の方々を治療したらしい。


虎哉禅師が甲斐からなかなか尾張に到着しなかったのは、永田徳本先生のところに寄っていたからでした。今頃明らかになる裏設定。


少しでも「面白い!」「続きが気になる」と思った方は、下の★でご評価いただけると、作品継続のモチベーションになります。

宜しくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ