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203話 墨俣城、改修作戦! 壱の段

ども、坊丸です。

墨俣城の改修を丹羽長秀殿、森可成殿が失敗したらしく、柴田の親父殿にお鉢が回ってきたようです。

親父殿はその報告を、自身の家臣たちをお屋敷に集めてに報告し、檄を飛ばしました。

そして、なぜかそこに呼ばれる坊丸くんでした。

まぁ、いつもお世話になっておりますし、柴田の親父殿が織田家家中で重きをなすために、一肌脱ぎますか。


柴田家の家臣や寄騎の方々が帰ったあと、次兵衛さんと一緒に親父殿の私室でもある書院の間に呼ばれましたよ。ま、やっぱりそうなるよね。


「次兵衛、坊丸。先ほど話した通り、墨俣城の改修の命が下った。あの二人でうまくいかなかった事案じゃ。正直、今のところ、良い腹案がない。でだ、お主ら、何か良い考えがないか?」


「ふむ、知恵者の丹羽殿と緻密な指揮をなさる森殿でも上手くいかないとなると…。厄介ですな。どのような妨害があるかを知りたいところですが…。殿、何か聞いてはおりませぬか」


「美濃の兵が近くで見張っているそうだ。それで、改修のために木材を運び込んだり、城の近くで木材を加工し始めると攻め寄せてきたり、火矢を打ちかけてくるそうだ」


「なるほど…。殿のお話ですと、確かに難義ですな。坊丸様は何かいい案はございますかな?」


「そうですね…。まずは、どの程度の改修が必要と伯父上や丹羽殿がお考えか知りたいですね。あとは見張りの兵の目をいかに欺くか。見張りの兵に気付かれても、襲撃までの短時間に改修をすませればいいとも言えます」


「なにか、考えがあるのだな。坊丸?」


「詳細はまだ考えている途中ですが…。よろしいですか?」


ま、昔昔、子供の頃に読んだ豊臣秀吉の逸話をそのままなぞるだけですがね。

あ、今も体は子供やった。


「良い。何か考えあれば聞かせてくれ、坊丸」


「では、自分の考えですが、まずは川並衆の協力を取り付けたく。川並衆の船を使って、木曽川の上流から、川の流れを利用して材木を一気に搬入するのが宜しいかと。材木が多いようなら筏にして船で引いてもらうのが良いかもしれません。見張りの目が届かぬように月の光が少ない新月近くならなお、良しというところでしょうか。あとは、上流から流す材木の量を決めるのに、改修に必要な材木の量の目算が必要かと」


「うむ、近日中に次兵衛と文荷斎を墨俣に向かわせて、長秀からそのあたりを聞いてこさせる。それをもとに仔細を詰めるが良い」


と、こんな感じで墨俣城改修作戦が開始になったので、チーム坊丸を招集です。

え?チーム坊丸って、なんだそれって?

中村文荷斎さん、鍛冶師の加藤清忠さん、木工職人の福島正信さんのいつもお世話になっている三人のことですよ。


末森城城番の中村文荷斎さんは、柴田の親父殿が末森城の城代から城主になったことで、親父殿の寄騎扱いになったらしいです。おかげで、石田村での農業改革の案件が終わった後も色々手伝ってくれることになりました。ありがたいことです。


でも、末森城では、文荷斎さんは坊丸様係とか坊丸様担当とか言われているらしいのです。なぁんか、その名称は悪意が感じられるので、すこし不本意ですですよ、坊丸くんとしては。


ま、なにはともあれ、文荷斎さんがお手伝いしてくれるのは有り難いわけで。

しかも、柴田の親父殿の寄騎なので、今回の墨俣回収作戦の第一報は聞いて知ってるので説明が、楽。

そんなかんじで、作戦会議のために、柴田の屋敷の広間に集まってもらいました。あ、吉田次兵衛さんも一緒です。それでも、広間に五人は無駄に広いんですが。


「ようお集まりいただいた、各々がた。文荷斎は既に知っておろうが、勝家様が信長様より墨俣城の改修の命を受けた。そこで、それがしと坊丸様になにか良い案が無いかと諮問があり、坊丸様が腹案ありとのことで、本日は、文荷斎と加藤殿、福島殿にお集まりいただいた」


「と、いうわけで、墨俣城の改修です。簡単にいうと、木曽川の上流から筏にして材木を流して、墨俣城の側で回収。そのまま、出来る限り短時間で墨俣城の改修を行います。なので、まずは、墨俣城の状況を確認しに、次兵衛さん文荷斎さんに行ってもらい、どんな感じに改修したいのか聞き取り調査をしてもらいます。加藤さん、福島さんはそれに同行して、聞き取り調査の内容を現実にするのはどの程度の材木や物資が必要か目算を出してください。特に福島さんは、材木の量やその加工について目星をつけてもらいたいので、よろしくお願いします」


「「承った」」と武士の二人。

「わかりました」「おう、わかった」


すこし丁寧なのが、一時期武士をしていた加藤さん。福島さんはちょっと砕けた物言いです。


「材木の目算がたったら、後はどうするのです?坊丸様?」

うん、文荷斎さん、良い質問だね。

次は、上流から運ぶのに、木曽川、長良川などの水運業を行っている土豪の川並衆との交渉なんだけど…。どうしようか?

やっぱり、墨俣一夜上の逸話のとおりに秀吉さんに仲介を頼むのがいいのか?



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