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2話 ポンコツ天使のクセに偉そうだ

「津田信澄ってひとでいいのか」天使っぽい何かがさえずる。


姿は天使だが、圧というか、神聖さというかが違う何か。こいつは天使っぽい何かで十分だ。


「む、人の子の不遜な感情が漏れてくる。転生やめるか?」


「すんませんした!」とりあえず、ジャンピング土下座で天使っぽい何かに謝る。


「む、敬うがよい。で、あと少しで転生だけど、確認したいことはあるか?」


「転生といえば、チートな能力ですが、何か特殊能力をいただけるのでしょうか?鑑定とか、大賢者とか?」


「無い」


「無いんですかぁ~。ちなみに今の知識とか記憶とかは持ち越せるんですか?」


「持ち越せる。だが、魂の親和性の影響で全部覚えてられるかは不明瞭だな」


よし、部分的といえど、現在知識を持って転生すれば、内政チートくらいはできるはず。きっと、多分。


「あ、あと、天使……様は、サポートしてくれるんですか?」


「はぁ?吾の仕事は、切り離した時間線の保守管理。人の子のサポートではない。」


「なんと。でも、少しくらいはお手伝いいただけますよねぇ?貴方のせいでこうなったんだし」


「吾の失策に対する、人の子への贖罪は転生という対価で済まされている。

貴様の手伝いをする気はないが、貴様が、心の底から、偉大な、この天使級10598号に、最大限の敬意を払って、しっかり祈りながらなら頼むのなら、暇なときにすこしくらいは手伝ってやっても良い」


「ありがとうございます」って言いつつ再びのジャンピング土下座。

頭を下げることでこの天使っぽいのから何か支援受けられるならいくらでも頭を下げるぜ!頭を下げるのは無料だしな。


「む、感謝の念以外に邪な念が少し混じる。そんな質の低い祈りでは頼みは聞けない」


しっかり感謝。天使さま、ありがとう。一生懸命祈る。祈る。祈る。


「む、そのくらいの良質な祈りなら吾に届くだろう」


ほっとしつつ、相談する


「天使様に祈りながら呼びかけるときは、何か合言葉的なものがいるでしょうか?」


「む、この分離した時間線を管理する天使様って言葉を入れて祈るがよい。普通の人間には分離した時間線かどうかなんてわからないから、このワードがあれば、貴様の祈りだとすぐに見分けがつく」


「わっかりました!」


「む、もう、いいだろう。そろそろ転生作業と時間線分離作業に入る。そこで僅かばかり待て、人の子」


「はい!」って答えた時には、天使っぽい何かこと天使級10598号の気配は無くなっていた。

しかし、わずかばかりって言っても、どんだけ待たされるかわからないんだよなぁ。

十年間隔で確認したのが、ちょくちょく確認した扱いの存在たちの「わずかばかり」だからなぁ。

下手したら、体感で数日は待たされるかも…どうしよう…


って思っていたら、10分くらいでなんだか自分の手先が揺らいできたぞ!視界もなんだか歪んできた!はっきり言って、気持ち悪い!まじか!これが転生か!

トラックにひかれたら、いきなり異世界、いきなり神様の前って感じのなろう小説系のテンプレ転生と全然違うじゃん。大丈夫か!俺!


そして、白い部屋から彼の存在が薄くなっていく。彼の感覚で白い部屋が認識できなくなった、その直後、どことも知れない時空間に一時的に作成されていた白い部屋も消失するのだった。


そして、彼の存在は切り離された時間線、わずかにずれた新たなる時間線の弘治元年の春、尾張の国は末森城の奥向きに移動するのだった。

ほとんど、転生前の白い部屋でのお話になってます。

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