186話 織田信長 VS 徳川家康(松平元康) 幕間
幕間なので短めです。
ども、坊丸です。
正月が明けてから、お滝さんといっしょに垂れ味噌を作るのに励んでいる坊丸です。
お滝さんも、味噌に水を足して袋吊りしたら、垂れてくるくらいの知識しかなかったので、味噌と水の量を変えたり、足すのを塩水にしたりと工夫している坊丸です。
そんな感じで醤油の代用品としての垂れ味噌作りに悪戦苦闘していると、清須城から帰ってきた柴田の親父殿が戦の準備をするようにと吉田次兵衛さんや家臣・若衆の人達に指示を出し始めました。
「親父殿、おかえりなさいませ。次の戦ですか」
「おお、坊丸か。うむ、殿が三河を攻めるとご下命なされた。儂と佐久間盛次、佐久間信盛を引き連れて行くとのことだ。昨年に引き続いて武功を上げる機会が巡ってきた。腕がなるわい」
あぁ、やっぱり三河攻めか…。
「信長公記」の知識で無駄な戦を回避して清須同盟を一足飛びに実現できないかと、年末の小姓役の際に進言ぽいことをしたけど、無駄だったか…。
なんだろうね。天使級10589号の人は史実とは異なる時間線になるの嫌なのかなぁ。
それとも何か時間線の修整圧力みたいなものがあるのか…。
色々とやってる割に大筋の歴史には干渉できてない感じがするもんね…。
バタフライエフェクトみたいな小さな変化で時間線の演算結果がどんどん変わっていってびっくりするような未来が来る、みたいなことは天使級10589号の人が管理していると起こらないのかもしれない。
「信長公記」の知識が長く使えるのは嬉しいけど、未来があまり変えられないんじゃ、本能寺の変のとばっちりで自分殺されちゃうじゃん。
困ったなぁ…。
あれ?そう言えば、さっきの柴田の親父殿の説明だと美濃方面を担当することが多い丹羽殿や森殿の名前がなかったな…。
これはあれか。斎藤義龍が死ぬかもって話をある程度信じていて、義龍が死んだら美濃攻めも連続で出来るように準備をしているってことか?
う~ん、どうだろうか?柴田の親父殿に確認だな。
「親父殿、丹羽殿や森殿は今回は出陣しないので?」
「あ?なんでも美濃にも不穏な動きありとのことで、森殿や丹羽は守りを固めておけと指示されておったぞ」
うん、これは美濃攻めをすること確定的だな。となると、三河攻めは美濃攻めの囮や陽動ってことになるのかな。一応、親父殿には一言、言っとこうかな。
「美濃で何かあるかもしれないということは、親父殿の武名を考えると連続して戦に出るかもしれませんね。三河での戦で怪我などなさらぬよう、くれぐれもお気をつけてくださいませ」
「お、珍しいな。儂を心配してくれるのか?
だが、坊丸よ、武人たるもの常在戦場、一戦一戦に常に懸命で望まねばならん。三河の後、美濃に攻め込むなら、どちらも奮戦するだけよ」
そういうと、ガハハと豪傑のように呵う柴田の親父殿。
あぁ、そうでした。柴田の親父殿は先のことを考えて力を抜く様なことはしないタイプの人でした。
戰場においては全身全霊、常に全力ですもんね。
辛い戦場で暴れまわりながら「フッフッフ、この風、この肌触りこそ戦争よ」とか言い出しそうなのが、柴田の親父殿ですもんね。
うん、柴田の親父殿には美濃攻めでこそ活躍してほしいから、次兵衛さんに柴田の親父殿が三河攻めで無理し過ぎないように話しておこうっと。
主人公を出したかったので、幕間で無理に登場させました。
あと、転生ものなのに大きく未来が変わって来ない理由の説明も。
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