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151話 またまた、少しばかりの嘘

ども、坊丸です。天使級10598号に騙されました。

9分くらいと聞いていたので、『小姓役で疲れたのかな?少し休んだら、坊丸君スッキリ!元気ですよ!』ってな感じになると思っていたんですが、四半刻くらい人事不省となって周りに大変心配をかけた様子。


「坊丸が元服した後に名乗る諱の由来になった、澄み酒、馳走になった。坊丸が倒れたと聞いて、手元にある生薬や漢方薬を持って慌てて、こちらにまかり越したが、まぁ、坊丸が無事で何より。漢方薬や生薬の講義に来たものと考えておくことにいたすとしますわ。はっはっは」


澄み酒を般若湯として、たしなんだ上にお土産用に二合徳利に入れて渡したので上機嫌で虎哉禅師は政秀寺への帰路につくご様子。

皆でお見送りをしましたが、途中で酔いが回って寝込んだりしないと良いけど。


「薬師、虎哉禅師、それに次兵衛も帰ったか。して、坊丸。倒れるまでのこと何か覚えていることはあるか?」


柴田の親父殿の自室に一緒に来るように言われたので、嫌な予感がしていたのですが、やっぱり尋問ですよね。


さて、どうしたものか。

今は亡き信行パパへの報告は一応しただけで、メインは天使級10598号のヤツとの交信だったからねぇ。


この時間線を管理している存在、天使級10598号ってヤツと話をしていたなんて説明をしてもご理解いただけるとは到底思えないわけで。


天使級10598号のヤツを、信行パパが信仰していた白山神社の白山権現の御使いってことにして話を進めちゃおうかなぁ…。


ついでに桶狭間の戦いのことも少し警告しておこうかな…。


そういえば、信長公記のデータって、どうやって閲覧するんだろう。

預言者と同じ方法で脳にデータを書き込むって言ってたけどさぁ…。


預言者と同じ方法なんだから分かるだろうってな感じで、天使級10598号は話してたけど、そもそも預言者って各宗教の開祖かそれに準じるクラスの人達だから、そんなに何処にでも居る人達じゃないんだよね…。


天使達の時間感覚ではちょくちょく居る人達かもしれないけどさぁ…。

全く、脳に書き込まれたデータの読み取り方法についての取説を希望するよ。


とりあえず、柴田の親父殿の質問に何かしら答えないとね。


「今は亡き父上に向かって奇妙丸様の小姓役を恙無く務めた事をご報告申し上げ、坊丸は元気にやっているので安らかにお眠りくださいと、祈ってみたのですが、如何せん、父は謀叛人の身。

墓も位牌もございません故、なんと題目を唱えて良いのかすら分かりませんでした。

とりあえず、虎哉禅師に習った『南無釈迦牟尼仏』と唱えて見たのです。

すると、どうでしょう。急に体が軽いなってどこまでも広い部屋に居たのです。

そして目の前に白山権現を名乗る身仏がおられたのです」


「白山権現…。確かに信行様は白山権現を崇めておられたな。して、白山権現様は何か申されていたか?」


「はい、親父殿。白山権現が申されるには、父上の御霊は安らかに眠っておるとのこと。それがしの報告や祈りは良い供養に為ったと申されました。

謀叛人であることは承知している故に毎年でなくとも良いから四、五年に一度は祈ってほしいとのことでした」


ふっふっふ。これで五年に一度、天使級10598号と交信するのに言い訳ができるぞ。

我ながら、ナイスアドリブ。


「そうか、安らかに眠られているか。良かった。本当に、良かった」


そう言うと、柴田の親父殿は、目頭を押さえて、天を仰ぐのでした。

よし、この隙に、信長公記のデータを閲覧するぞっと。

信長公記、信長公記っと。


『信長公記への初回アクセスの申請を確認。信長公記のデータの展開は完了済みです。データの最初から確認しますか?キーワード検索にて必要部分の閲覧を行いますか?』


『キーワード検索。桶狭間の戦い』


『キーワード検索を選択したことを確認。受理します。桶狭間の戦いでの検索では、首巻中央付近に関連性の高いデータを確認。抽出して展開します』


へぇ、こんな感じのインターフェースなんだ。

そして、頭のなかに展開される文字データ。

ふむふむ、永禄三年五月十九日の未明から午後二時くらいの出来事なんだ。

そして、柴田の親父殿の名前はどこにも出てこないね。

柴田の親父殿を活躍させたら、それだけで歴史が少し変更される事になるのかな?

まぁ、少しだけお知らせしとこうっと。


「親父殿、白山権現ですが、父上の事以外に幾つか話をされていました」


「おお、すまんな、坊丸。信行様のこと、いくつか思い出しておった。して、白山権現はなんと?」


「今年の五月頃、東より織田家にとって脅威が近づくと。ただし、奮戦により必ずや脅威は取り除かれるゆえ、備えよと」


「東からか…。まぁ、今川であろうな。まぁ、砦を作るのだから、備えは始まっておるしな」


それと、柴田勝家の名前は本来の時間線で書かれた信長公記の桶狭間の戦いには出てこないんだけど、伝えた方が言いかなぁ…。

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