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128話 パンケーキには蜂蜜かメイプルシロップだよね

ども、坊丸です。

砂糖をついに手に入れたので、パンケーキ的なものを作りました。昨日の晩に柴田の親父殿の無事帰還記念で夕食時に食べました。あ、試作品はその前にお千ちゃんと出来立てで美味しくいただいております。


うん、美味しかった。美味しかったんですけど…。

蜂蜜とバターをつけて食べたいのは、中身は平成令和の人だから仕方ないよね。


メイプルシロップも掛けたいけど、あれって北米のサトウカエデから取るんだよね。


山形県産のイタヤカエデから作った国産メープルシロップをお袋が自分用にお土産で買ったのを舐めさせてもらったけど、あれって50ミリリットルで3000~4000円するって言ってたし。


あ、この場合のお袋は、平成令和の方ね。信行パパの奥様こと「高島の局」の方ではなく。


あ、今、久しぶりに、お袋のこと思い出したよ。だんだん、こっちの時間線に慣れてきて平成令和の家族のことを思い出す機会も減ってきてるからね…。ちょっと遠い眼。


それはそうと、国産メープルシロップってイタヤカエデからとれるはず。この近くにもあるか、後で、虎哉禅師に聞いてみよう。

あの人の、山野草の知識も凄いからね。


イタヤカエデが尾張近辺に生えてない場合は、とりあえず、蜂蜜だな。

誰か養蜂とかしてないのかな?

蜂蜜以外に蜜蝋とかも、火縄の改良に使えると思うんだよね…。


蜂と言えば、去年の春に石田村で菜の花にたくさん来てたよね。

菜の花と蜂を見て、童謡の「ぶんぶんぶん」を鼻歌で歌ったら、変な歌歌い始めたって言われたっけなぁ。


って、自分でやるか、養蜂場。


石田村の外れ、用水路として使っている小川のほとりに菜の花があって、その近くの林の方から蜂が来ていた…はず。


後は、豪腕でラッシュな番組、農村開発に定評のある某アイドルも福島で養蜂やってたよね。


確か、巣をつくってもらう土台になる枠とか板とそれを納める箱、箱のところには蜂の出入り口。

出入り口のサイズは蜜蜂は楽にとおれるけど、スズメバチは通れないくらい。


よし、思い立ったが吉日、明日福島さんに依頼だ。


あけて、翌日。朝食の場にて石田村で特産品の開発を行いたい、蜂蜜を持続的に収穫できる可能性のある養蜂を試したいと柴田の親父殿に説明。


「ふむ、今度は蜂を手なづけたいと言うのか、坊丸。本当にお主は、いろいろ思い付くものよのぉ。それにしても、お主の甘いものに対する執着は、恐ろしく強いな。水飴を自力にてつくりあげ、砂糖を褒美でもらい受け、今度は蜂蜜か…」


「甘いは、美味いでござりますれば。甘味のある菓子のある生活の方が幸せではないですか?親父殿?」


「まぁ、お主がいろいろ作ってからの方が、母上のお怒りを誤魔化すのが楽になったは事実。それに、お主の美味いものに対する執着のお陰で殿に直接お目通りする機会も増えたしな。それは、感謝している。石田村の者共に迷惑にならないのであれば、やってみるがよかろう。」


「ありがたき幸せ。では、本日、石田村に行ってみます」


「そういえば、騎馬の方はどうなっている。次兵衛は、そこそこ乗れるようになったと言っておったが?」


「そこそこですね。一人でも乗れますが、まだまだ自信はありません」


「加藤どのは、いつも当屋敷に顔をだしてくれるのであろう。石田村に行くのに加藤どのに引き馬してもらって馬になれるがよかろう」


「はっ、では、本日はそれで行ってみます」


うん、石田村の往復が騎馬の練習時間になりそうです。蜂の状態だけでなく麦の生育もついでに見きますか。


加藤さんに引馬を頼んだら、すぐにokもらえたよ。二人だけで移動する時に、引き馬移動なら時短になるって喜ばれたさ…。


で、石田村に到着。

とりあえずは仁左衛門さんに挨拶。


「おお、坊丸様、加藤殿。此度はどうしました」


「麦の出来映えを見に来たのと、菜の花を見に来ました」


「では、麦の様子をご案内いたしましょう。菜の花は、川原のほうに咲いていますので、そのあと、ゆるりとご覧になられるがよいかと」


仁左衛門さんのところに馬を繋がせてもらってから、三人で麦の畑を見回りました。

うん、麦も良い出来映え。よくわからんけど。


「どうです、坊丸様。土壌改良に各種肥料を施すことで、麦の生育もかなりいいです。米と麦の二毛作もきちんと肥料入れていけば土地が痩せることもなくできそうです。まぁ、一年二年では、断言できませんがね」


「いやぁ、良かった。石田村の皆さんの努力が実った証拠ですよ」


「ハッハッハ。そう言っていてだけると有難いですな。適切な肥料がどれだけ大切か、坊丸様から教わったのも事実。坊丸様には感謝ですな。いつも坊丸様は謙遜なさるが、もっと功を誇っても良いと思いますよ」


「そんなものですかね…」


「おそれながら、坊丸様。それがしも坊丸様は、功績を誇っても良いと存じます。坊丸様が思い付くものは、言われてみればその通りなれど、なかなかに思い付かぬものであることも事実。謙遜は、一部では美徳ではありますが、上が功績を誇らねば、その下に付くものは功績の分け前をもらえません。謙遜だけではダメですぞ。

後々、将となってはしっかりと功績を誇るべきなのです。なので、今からそれに慣れていただきたく」


「はぁ、わかりました。以後気を付けます」


なんだか、加藤さん、仁左衛門さんに誉められてるいるのか、怒られているのかよく分からない感じです。

でも、二人と一緒に見る麦畑は充実した実りを見せているし、麦畑を吹きわたる春風はとても心地良いものでした。


そんな話を二人としたあと、仁左衛門さんの屋敷に戻ったら、なんとそこには文荷斎さんが。

あれ?よんでないけど?どうした、文荷斎さん?

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