無名小説家の独り言
恋愛小説は書くことができない。
だってハラハラドキドキするだろう?
それが、つらいんだ。
長編小説は書くことができない。
だって忍耐が続かない。
長編小説を書くことができる人は尊敬する。
「じゃあなにならできるのよ!」
後ろから高い声が聴こえる。
それがわかれば苦労しない。横たわっていた僕はのっそり起き上がって頭をかく。
階段を上がる足音が聴こえる。
ああ、声の主が上がってくる。
「逃げてるんじゃないわよ!」
ごもっともです。
あー、またいつもの説教か。と思い君の顔をみてギョッとする。
なぜ泣いているのかわからない。
いつもは、顔を真っ赤にして怒っている君が。
「もういい!」
そう言って駆け出して行って二度と僕の元に君は現れなかったけど、君のことなら書ける気がするから、書こうと思う。
僕の空想でしかないけど、ハッピーエンドを目指して。