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ある春、日雇いにと燃え上がりし

作者: みじんこ

1

時折、思い出すのだけど、

今まで当たり前にしている人がふといなくなった時、やっぱり寂しさを覚えるのは俺だけではないだろう。あれだけ肉体の関係を気付けていた人がふといなくなるというのは、とてつもなく虚しく感じるのは当たり前である。ましてや、俺などそうそう、彼女なんてできないのだから、その希少性はとんでもないものだろう。でも、仕方がない。この恋愛は仕方がなかったのだ


2

俺は今日も日雇いである。

今まで勤めていた派遣の契約が終わり、かといって、失業保険を受けられる程、まだ、勤め上げていなかったので、勤め口は必要になる。しかし、勤め先は見つからないならば、日雇いしかないだろう。頭のいい人なら、このまま起業とかして、一気に経営者になるという底辺からの大ジャンプも可能なのだろうが、生憎俺にそんな頭はない。

そんな事を思いながら、まだ、寒さの残る3月、俺は日雇い労働の待ち合わせ場所でメンバーが来るのを待っていた。

1人、2人、3人、5人。5人で全員だった。

男が俺を入れて、3名。女が2人だった。

「ここはじめてですか?」

女の1人はおばさんで、俺から仕事場に向かう際に声をかけてみた。

「そうなんですよ。はじめてですか?」

俺はわりとおばさんには好かれる体質らしく、仕事場に向かう最中にはおばさんともすぐに話せる仲になっていた。

俺はここの職場は初めてじゃなかったのでこう言うところであるといろいろ話た。

ちなみに、もう1人の女性は若い感じの女性で、45歳の良く仕事場で一緒になるおっちゃんと話ていた。


もちろん俺もタイプは若い女性だが、若い女性は大抵他の男と喋っている。羨ましいが、そうしたものである。

しかし、俺もちょっとは若い女性と話しておきたいということで、

「朝起きるの大変ですよね。早いですし」という話題になった時に俺は間に入って「もう慣れましたよね」っと話に入った。

「そうなんですか」と俺はそのままフェイドアウトしておばさんとの会話に戻った。

全くもって底辺、日雇いにおいても若い女性は他の男がもっていく。俺まだ27歳なんだけどな。

しかし今回は、思ってもみないことが昼休みに一個だけあったのだ。


3

お昼休憩。まさかまさかの偶然で、食事ルームは俺と45歳のおっちゃんと若そうな女性の3人だった。だからどうなのという話なのだけれど、いろいろ和気あいあいと俺も交えて話すことができた。

久々の若い女性との交流で、楽しく昼飯をしていたら、あろうことか45歳のおっちゃんは飲み会開きたいから連絡先教えてとその女性にいってきた。

「俺もお願いします。」

俺も思わずそういって連絡先をゲットすることができてしまった。

いやだから何だよな。連絡先もらったからなんだって話だよな。だいたいその後ブロックがお決まりである。


4

時間もないので今回のオチ。

その後、ありえないことが起きた。

違う日雇いでその子と一緒になる機会があった。

それまで1週間ぐらい連絡先はもらったが、連絡してもしかたがないと連絡しなかった。しかし、もう一度会えたのもなにかの縁だと、その時あった時は何も話さなかったので

「今日いましたよね」と連絡をしてみた。


すると、返事がすぐにきた。

そこからである。

何週間も毎日連絡を取り合うようになり、挙句、映画に行くようになった。ただ、そのコには婚約者がいて、本来はそういうこともしない方がいいということなのだったが、俺も女と付き合えるなんて最早思ってなかったし、いけてこの映画を見て一生会わないパターンだろうと思って何も考えづに、一緒に映画をみたら、まさかの半年間にわたる、セックスフレンドになってしまっていたんだ。

男女間は不思議なものだ。俺にはわからん。

半年後、その子は婚約者と結婚しそれ以後は連絡もこなくなった。

あれからもう5、6年女性とはやはり何もない。

いったいなんであんな事ができたのか、それはもう今でもミステリアスな真実である。

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