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4話 誰にも言えない秘密

 王都に着いてから1週間。時間は瞬く間に過ぎていった。


 この一週間は荷物の整理をしたり、この前家具を買った時に商会から借りた空になった収納紙を返しにいったり、家から持ってきた本を読んだりなどいろんなことをして過ごした。


 その間次々と同じ新入生が寮に到着し、部屋がどんどん埋まっていった。今ではほとんどの部屋が埋まっていて、毎日寮の中はすごく賑やかになっている。



 そして今日は、いよいよ魔法学園の入学式。緊張して早くに目が覚めてしまった。カーテンを開けて外を見るとまだ東の空がほんのりと明るく染まっている程度。


 まぁ、起きてしまったものは仕方が無いからパジャマを脱いで着替える。

 今日は入学式だし、きちんと丁寧に服装を整えないと……。髪の毛をしっかり整え、制服を着て、その上にいつも使っている黒色のマントを羽織り星型の留め具で止めた。そして、この前買ったばかりの大きな鏡の前でクルクル回って確認。


「よし、完璧」


 口ではそう言ったけど、鏡には不安そうな表情を浮かべているわたしが映っていた。


「ば、ばれたりしないかな……」


 鏡の前にある椅子に座り、さっきつけたばかりのマントを外した。そして、おばあちゃん家から出発してから久しぶりに()()を広げてみる。


 ()()は背中についている一対の白い羽。動してみるとバサりという音が部屋に響いた。


 わたしは産まれた時からこの羽を持っていた。別に翼を持つ種族は獣人の中にいるし、珍しくもなかったが獣人の鳥族は人で言うの腕の部分が翼に変化しているのに対して、私は手ではなく背中から羽が生えていた。

 さらに、両親はどちらとも人族なのに自分たちからこんな得体の知れない子供が産まれてきて、大変気味悪がりいつも変なものを見るような目で見てきた。最後にはこんな子うちの子じゃないと言われて1歳の頃に、今おばあちゃんが住んでいる森の中に捨てられた。もしあの時おばあちゃんがたまたま買い物で近くを通り、助けてくれなかったらわたしはいまもうこの世に存在していなかったと思う。


 あとからたくさんの本を調べたけど、どの本にも背中に翼の生えた種族のことについての記載はなく、未だに自分は何族なのか、一体なんなのか分からない。そして、なぜ人族の両親から私が生まれたのも謎だ。


 わたしは、空を飛ぶことが出来るこの羽が結構好きだけど、知らない人から見ると不思議で不気味な物に映るのは理解している。だから、学園でみんなに知られ気味悪がられるのが不安だった。


『大丈夫だ、自分に自信を持ちなさい。その羽は決して不気味なものでは無いよ』


 急に頭の中におばあちゃんに初めてあった時に言われたセリフを思い出した。それを思い出したら、なぜか心がポカポカしてさっきまで感じていた不安が薄れてきた気がした。


 パチン!思いっきり自分のほっぺを叩いた。


「よし、もう大丈夫!もしもの事を今から考えても意味が無いもんね!」


 外を見ると考え事をしている間に、いつの間にか太陽がのぼり外が明るくなっていた。


「早く行かないと間に合わなくなっちゃう!」


 急いでさっき脱いだマントをもう一度翻しながら羽織り、そして入学式は正装で参加しなければいけないのでとんがり帽子も頭に被って部屋から出た。





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