ドッペルゲンガー 四
アナザーワールドー怪奇な世界ー
ドッペルゲンガー編ついに完結間近!
皇帝VS鷹斗一騎打ちが始まる!
鷹斗は地上を開放できるのか!
人類は地上へ再び立てるのか?
ドッペルゲンガー 四
皇帝の部屋の前で立ちすくむ僕。
「どうした。鷹斗。さあ来い・・・くるのだ!」
見えない力で、僕は思いっきりひきつけられた。
「おお。お前が私のモデルか・・・。ふふふ。馬鹿な顔立ちは、お前のものだったのだな。」
皇帝と呼ばれた僕のような人は、僕とまったく同じ顔だった。
「どうするのだ?何しに来たのだ。私を殺しに来たのか・・・?怖いな。さあ。どうした?」
皇帝は僕の顎を手で捕まえると、玉座から乗り出してきた。
「お前が!私に!何を!しにきたのかと!この!私が!聞いているのだ!答えろ!」
皇帝は、腰についていたとても長い・・・・三メートルぐらいの剣を出して、首に当てて、少し、きりつけてきた。
「ははは。どうしたのだ。私。何を涙目で震えているのだ?怖いか。そうか。大丈夫だ。私はお前を殺すときに、すぐに殺してやる。それとも、この剣で自分で死ぬか?」
長剣を僕の手にゆだね、尋ねる。
「どうした。ここまできた威勢はどうしたのだ?しゃべるのだ。それともこの肉体に刻まれたいか。ははは・・・。頬がぬれているなあ。何をないているのだ。そうだ、お前を殺すときには、この、お前が怖がっているこの電撃の棒で嬲り殺してくれようか?」
僕はやっと一言声に出す事が出来た。
「お前を・・・・殺して、地下帝国を壊してやる。」
皇帝はうれしそうに微笑んだ。
「そうか!そうかそうかそうかそうかそうか!私を楽しませてくれるのか。武器は何だ。まさかそのデイパックに入っている鉄の棒でこの剣・・・薙刀に勝てると思っているのか?くはははは!脱腹絶倒だな!シカシそれでは勝てないだろう。わが情けだ。郁、郁は居らぬか。」
郁?郁!
そうか、郁もドッペルゲンガーがいるのか!
「はっ!郁はここに居ります。なんでしょうか皇帝様。」
僕はゆっくりと声のしたほうを・・・・郁を見つめた。
「郁。聖剣を持ってきてくれ。」
「はい。」
郁は戻ってきた。
皇帝の持っている剣と同等の長さの剣だ。
「鷹斗、これで私を和ませてくれるな。頼むぞ・・・・。」
皇帝は薙刀を持って構えた。
「負けたら、死ねよ。」
鷹斗は大きく剣を構え、めちゃくちゃに振り回した。
火花が散り、皇帝は力で押される。
「鷹斗。そうではない。こうするのだよ?皇帝一閃!」
鷹斗の腹部を、皇帝の剣が貫いた。
鷹斗の口から鮮血がこぼれだす。
「く・・・!」
皇帝がすまなそうにつぶやく。
「やはり、瞬殺にしてあげられないなぁ・・・。」
鷹斗も大きく剣を皇帝の利き腕の方に突き刺した。
皇帝は大きく身を震わせると、剣を抜いた。
「このようなものではないだろう。貴様はこの私のモデルなのだ。よって、このような雑魚ではないはずだ。皇帝一閃!」
再び、鷹斗の腹部に穴が開く。
「これは一番弱い技なのだが。貴様も雑魚同様か・・・・。つまらぬ。最強の技で終わらせよう。」
「皇帝一万尺!」
十連激の剣が鷹斗を襲った。
鷹斗は倒れてしまった。
「ふふふ。人類最強の少年は倒した。地上へ、乗り込むぞ。」
皇帝は郁に告げた。
鷹斗の心臓は、弱っていった。
「待て、俺はまだ生きてるぞ。」
僕はかろうじて、剣を杖に、立ち上がった。
「ほほう。まだ楽しめるのだな。」
皇帝は、鮮血の伝う右手をかばうかのようにして再び剣を手に取った。
僕が、世界最強とかそんな事は関係ない。けれど、これが世界から人間を消して、皇帝からこの世界を守る最終決戦だ。そしてたぶん僕も。
鷹斗は、決戦を挑む